エッコ チェンバー 地下

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Manga

『時計じかけのオレンジ』 - および、ベートーヴェン/ハトよめ/バッハ

『時計じかけのオレンジ 完全版』 - 早川書房 アンソニー・バージェス著『時計じかけのオレンジ』(1962)──何らかのかたちで皆さんもご存じであろう、20世紀の名作文学です。 ⬇ €nglish ҽχt Ъełoш! ⬇ この小説『オレンジ』のことを、私が久びさに思い出し…

平尾アウリ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』 - 推してもダメなら…っ!?

平尾アウリ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』1巻 - cmoa'23年8月3日まで1〜2巻無料公開中 平尾アウリ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』──略称は『推し武道』──。これは岡山県をベースとするローカルな女性アイドルグループ《Cham Jam》の活動を、ファン…

(de)generateせいはく / Maid Dresses - AIで生成されたらしいヴェイパーたち

(de)generateせいはく: i take no credit. everything is generated. (2022) - Bandcamp いま現在の2023年・春あたり……。〈AIの進化がスゴい〉ようなお話が、よくネット上では、言われているようです。 何がすごいのでしょう? ⬇ €nglish ҽχt Ъełoш! ⬇ た…

『TOUGH 龍を継ぐ男』、そのほか - 俺はジェンダーレスだぜ 男も女も…

猿渡哲也『TOUGH 龍を継ぐ男』21(2021, YJC) 本邦とも呼ばれるニッポン国が、全銀河系に誇る、バイオレンス劇画の第一人者──。もちろんそれは、われらが猿渡哲也先生です。イェイッ。 その猿渡先生の現在、絶賛・執筆中でおられるシリーズが、『TOUGH 龍を…

谷川ニコ等『私がモ(…)お前らが悪い! 小説アンソロジー』 - もし私がいなければ、何もかもが悪い!

谷川ニコ等『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 小説アンソロジー』(2019) - 講談社BOOK倶楽部 『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!〜小説アンソロジー』(2019)、これを拝読しました。今21世紀の初頭を飾っている傑作マンガ、『私がモ…

谷川ニコ等『私がモテ(…)お前らが悪い! ミステリー小説アンソロジー』 - なぞから/またナゾ

谷川ニコ等『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!〜ミステリー小説アンソロジー』(2021) - 講談社BOOK倶楽部 『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!〜ミステリー小説アンソロジー』(2021)、これを拝読しました。今21世紀の初頭を飾ってい…

猿渡哲也『TOUGH―タフ―』 - “遥かなるアフリカ編”より、私たちへと向けて

猿渡哲也『TOUGH―タフ―』30 (2010) - 集英社 私たちの猿渡哲也先生、バイオレンスアクション劇画のゆるぎなき第一人者……。その一連の傑作らを代表する崇高さのきわまり『タフ』シリーズについては、皆さまもよくご存じのことでしょう。知らないとは言わせま…

Hong Kong Express: Lucid To It (2021) - ボクハ、ヒトリ…イツモ、ヒトリ…

Hong Kong Express: Lucid To It (2021) - Bandcamp もはや皆さまもよくご存じの、《HKE/Hong Kong Express/ホンコン・エクスプレス》こと、デヴィッド・ルッソさん……(★)。 ⬇ €nglih eχt 6eℓoш! ⬇ 彼はきわめてすぐれたアーティストであり、また、ヴェ…

森脇真末味『緑茶夢』シリーズその他 - 〈売れセンに走れば、売れる〉?

【芸能考察】イントロとギターソロどころか、つまんねー楽曲らは全飛ばしが道理 ポップ音楽に関連し、〈イントロとギターソロを飛ばして聴くのは邪道〉──とかいったご意見があるようなお話が、たぶんツイッターか何かで聞こえてきたのですが。ちょっと気にな…

Savoy Brown: Ain't Done Yet (2020) - 少年老いやすく、ブルースは…

Savoy Brown: City Night (2019) - YouTube 《Savoy Brown》──サヴォイ・ブラウンは、イギリス出身のブルースロック・バンドです(☆)。1960年代なかばに始動、そして現在なお精力的に活動中です(☆)。 あ、いや。すみませんけれど、このあたりから、おじさ…

《ネットリンチ》とは何?── というか、〈バズり〉は等価です。

こいつらのお名前は知りません 〈逆張り芸人〉と呼ばれる方々が、インターネットの言論空間めいたところには、大いに栄えているらしい──。というお話も、例により、知と真実しかない空間と呼ばれる《タフスレ》で知ったことなのです(☆)。 そして。そういう…

板垣巴留『BEASTARS(ビースターズ)』 - レインボーなないろ/無彩のグレー

板垣巴留『BEASTARS(ビースターズ)』第1巻 - 秋田書店 『BEASTARS(ビースターズ)』は、板垣巴留(いたがき・ぱる)先生による動物学園まんがです。掲載誌は週刊少年チャンピオン、掲載時期は2016〜20年。その単行本は全22巻、それが累計500万部以上を売…

カラテマスク『超時空減量ブタ&ゴリラ』, 小林銅蟲『やせましょう(…)』 - やせましょう。

カラテマスク『超時空減量ブタ&ゴリラ』 - マガポケ さいしょに言っておきますが、ご紹介する2つの作品ら──、《まんが》としてものすごく面白い、と評価しているのでもありません。ただ。近ごろ私が、〈ちょっとやせたい、というかお腹を引っ込めたい〉……な…

M・テヴォー/小崎哲哉, 現代アート関連書3冊 - 吉澤みなみさんをヴェネツィアへ!

ミシェル・テヴォー『誤解としての芸術』 (2019) - ミネルヴァ書房カバーアートは、M・カテラン「無題」(2001) アート等を愛する皆さん、ようこそ!この記事では、以下の3冊の《現代アート》関連書について、おそらく何かが書かれるでしょう。 ミシェル・…

紙魚丸『惰性67パーセント』 - ちょっと 行きます、ヴェネツィアにまで

紙魚丸『惰性67パーセント』 - ウルトラジャンプ このところ私がなぜか《アート》に関心を持ち気味ですので、ひとつアートの香りの豊かなまんが作品を、ご紹介しましょう。それは、月刊ウルトラジャンプ掲載の、紙魚丸(しみまる)先生による『惰性67パーセ…

ビーノ『宇宙とかと比べたらちっぽけな問題ですが』 - “僕らの音楽”、そのゆくえは?

ビーノ『宇宙とかと比べたらちっぽけな問題ですが』 - コミックNewtype 2017年よりコミックNewtypeに掲載中のまんが、『宇宙とかと比べたらちっぽけな問題ですが』。これは東京郊外の日野市に住む三姉妹と、その周囲の人々の、ささやかな《気づき》たちを描…

saxyun『超常探偵X』 - キミの足あと、彼女のアリバイ、ボクの指紋

saxyun『超常探偵X』1巻 - コミックウォーカー まんが家の《saxyun》先生のペンネームを初めて拝見したさい、分かんねーけど〈サクシュン〉て読むのだろうか、と思ったんだよね。 冗談じゃねェ、これ以上《搾取》なんかされたらタマったもんじゃねェェェ!! …

迫稔雄『バトゥーキ』 - 発展が《ハッテン》を呼ぶ、本格カポエイラ格闘劇画!

迫稔雄『バトゥーキ』 - となりのヤングジャンプ 迫稔雄『バトゥーキ』は、《となりのヤングジャンプ》ウェブ連載中の格闘バイオレンス劇画。単行本は、第8巻まで既刊(☆)。週刊ヤングジャンプ掲載の大長編『嘘喰い』シリーズ(2006-18)で高い評価を得た著…

荒木光/金城宗幸『僕たちがやりました』 - 裁きの恐怖 と 裁かれざることの不安

荒木光/金城宗幸『僕たちがやりました』 - ヤンマガWeb / コミックDAYS 『僕たちがやりました』は、週刊ヤングマガジンに掲載された一種のクライムストーリー劇画。掲載時期は2015-17年、単行本は全9巻(☆)。また2017年にはテレビドラマとして、映像化もさ…

山本弘『MM9』 - 21世紀の《怪獣》耽溺者, または SF と 観念論

山本弘『MM9』(2010, 創元SF文庫) どうにもオレらが《怪獣》ってものをいまだ、すこりすぎなキライを感じてしまう、21世紀のいま現在。現実的には怪獣なんて、出てもいないし、その被害をこうむった人もいないはずだが。けれども怪獣を語るお話らの出現は…

ファーガソン『憎悪の世紀』, 森恒二『創世のタイガ』 - オレは狼、私はポメラニアン(座敷犬)

ニーアル・ファーガソン『憎悪の世紀』(2007) - ハヤカワ・オンライン ニーアル・ファーガソンによる大部の著作、そしておそらく一定の話題の書であった、『憎悪の世紀 - なぜ20世紀は世界的殺戮の場となったのか』(上下巻, 2007, 訳・仙名紀, 早川書房)。…

原泰久『キングダム』 - 幻想のビズネスは幻想によって裁かれ、そしてボクらは偽善を呼吸する。

原泰久『キングダム』1 - 集英社 S-MANGA 原泰久氏による古代中国史(風)劇画、『キングダム』。2006年から週刊ヤングジャンプに掲載中、単行本は現在58巻まで既刊。それが、言わずと知れた大ヒット作……どころか、21世紀にスタートした青年誌のまんがとして…

にたもと『隣にりんごが届きました』, 田亀源五郎『僕らの色彩』 - 男とオトコの黄金律

にたもと『隣にりんごが届きました』 - webアクション 《にたもと》氏による『隣にりんごが届きました』は、今年5月から月イチでwebアクションに掲載中のまんが。その現在の最新章は、第4話。けれどもそこまで拝読してみて、今作のジャンルが何系であるのか…

花月仁『ゼウスの手』 - オレたちの《真の闘い》はこれからなんだろうか?

花月仁『ゼウスの手』 - ヤンマガWeb 『ゼウスの手』という、バイオレンスでファンタジー的なアウトロー劇画。いま調べた限り、2017-19年、eヤングマガジンに掲載。単行本はヤンマガKCスペシャルとして、全3巻(☆)。これが実に殺バツとしてグロい物語だった…

横山智佐&帝国歌劇団: 檄!帝国華撃団 (1996) - 正義の終わり と 自警団ワンダーランド

横山智佐&帝国歌劇団: 檄!帝国華撃団 (1996) - Soundcloud, YouTube 何をどうまちがったのかとうとつに、むかぁ〜しのビデオゲーム『サクラ大戦』(1996, セガ・エンタープライゼス)のテーマソングのお話なのですっ。 とはいえかなり有名なタイトルだし、…

西馬ごめゆき「性欲がやばすぎる女博士と性欲がやばすぎるロボット」 - 男の性欲/マシーンの性欲

西馬ごめゆき「性欲がやばすぎる女博士と性欲がやばすぎるロボット」 - 少年ジャンプ+ 〈性欲がやばすぎる〉というタイトル自体がヤバすぎるようにも思える、少年ジャンプ+掲載の読みきりギャグまんが、「性欲がやばすぎる女博士と性欲がやばすぎるロボッ…

ボードリヤール「なぜ、すべてがすでに消滅しなかったのか」(2009) - 感想文その2, カーニヴァル&カニバル(食人)

ジャン・ボードリヤール「消費社会の神話と構造(新装版)」(訳・今村&塚原) - 紀伊国屋書店 また私ごとで恐縮なんスけど、パソコンのOSインストールにやたら時間がかかってくさる──、その間の気晴らし的な読書、ボードリヤール「なぜ、すべてがすでに消…

日向奈くらら/石川オレオ「私のクラスの生徒が一晩で24人死にました。」 - だからといって、どうしろと?

そのタイトルがあまりにもショッキングなホラー作品、「私のクラスの生徒が一晩で24人死にました。」。これの原作小説は2017年に出ているもので(☆)、そのコミック版がいま、コミックウォーカーにて掲載中。もっか、その第4話の前半までを拝見したところ。 …

施川ユウキ「バーナード嬢曰く。」 - ドぉ〜グラぁ〜! きしょいヤツらが奇書を読む。

施川ユウキ「バーナード嬢曰く。」 - スキマ(巻頭41ページ無料) 子いわく、〈義を見てせざるは勇なきなり〉。とまあ、名言で始めてみたけれど──。 さて、いまここでちょっと、Pixivコミックで公開中「バーナード嬢曰く。」(☆)の宣伝をしてみたい理由。そ…

ながいけん「第三世界の長井」 - ニセ者の色は、グリーン or レッド?

第三世界の長井【公式】(2020/06/25) - Twitter 傑作であるとか名作だとか、言いきることもできないが。でもなぜか、ごく一部の人らの心にへばりつき続けているまんが、ながいけん「第三世界の長井」(2009-19, ゲッサン掲載)。以下、「長井」。 そして自分…