エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

ロックンロールをぶっ飛ばせ!? 極右ポピュリズムと左派、構図の(一部)逆転

現在、2026年4月下旬。

このいま、高市早苗が首相をつとめるニッポン政府が、米トランプ政権とも連携しながら、どういう極右的で排外的で軍国的な政策らを強権的・専制的に実施し、かつプラニングしているか?

それらは大まかご存じのこととして、それらがお話の前提です。

で、さて。その高市政権を支えているような、いまのニッポンに蔓延している極右的ムードのことなのですが……。

きのうですけれどツイッターで、アルゴリズムによる〈おすすめ〉の項目から、このような趣旨の投稿を拝見しました。

いまニッポンで、40代オーバーのパンクス──パンクロックの支持層──の少なくもない部分が、何を考えたか右翼に転び、自民どころか参政党の支持に回ったりしているのはどういうこと?

とはいえ、しかし。ご投稿者には、その原因や要因らの心あたりがなく……。かつ、〈たとえばあの野郎が〉……といった具体例が提示されているでもない。ちょっと雲をつかむようなお話、ではあるのですけれど。

ですけれど、しかし。〈それも、ないことでは、ないのかも知れないな〉……くらいには、私も感じなくないのです。

まあ、そもそもの話。パンクロックって全般的に、そんなにも左派的なものでしょうか? パンクスって左派ですか?
そうであって欲しいなあ……とは、私も願いはしつつ!

Crass: Best Before 1984 (1986) - Bandcamp
Crass: Best Before 1984 (1986) - Bandcamp
アナーコ・パンク、まずその1っ!

ところでこの記事、その音楽面を担当しているのは、主に《アナーコ・パンク/Anarcho-Punk》です。
そのアナーコ・パンクとは、どういう音楽/現象でしょうか?

ハードコア・パンクの中でもはっきりと左派的な思想に拠る分子らの運動であり、1970年代末に興って現在にいたる。バンドとしてそれを代表するのは、《クラース/Crass》、《コンフリクト/Conflict》、《サブヒューマンズ/Subhumans》あたり。それらいずれもイギリスのバンドなので、たぶんその地が本場でありそう。

……くらいにずっと、認識していましたが……。

しかし念のために英語のウィキペ等で調べなおしたら、思っていた以上に崇高な、かつきわめて大きな拡がりあるムーブメントであると知らされました()。

何しろびっくりしましたのは、あの《ブラック・フラッグ/Black Flag》もまたアナーコ派の一員だった、という見方のあることです。
おそらく皆さまもご存じのアレは、米LAハードコア・パンクの……。何だかバカっぽいバンドですが、しかし私がもうず〜っと大好きで、その少なくもない短所らごと受けとめたい……と思うような存在です。

そういったわけで、アナーコ・パンクにいっそうの親しみを感じてしまいましたので、ぜひよろしくお願いいたします!

──で、さて。こんな駄文の雑文で、実に長くも長きにわたっている左派やら左翼やらの運動の歴史、その細部にまでふれるわけにはまいりませんが。それにしても、続くお話の前提めいた部分を見ておきますと。

──1960年代のヒッピー・ムーブメント勃興と爆発あたりから、コアな左派の運動の周辺に、何かとやみくもな反逆を志向する、カウンター・カルチャーやアンダーグラウンド・カルチャーらが、ちょっと同伴してきたように思われます。
そして、しかし。その両者の関係が、ほぼ部分的な合流でしかなかった……ということがあるのではないでしょうか。

CONFLICT: Increase The Pressure (1984) - Bandcamp
CONFLICT: Increase The Pressure (1984) - Bandcamp
アナーコ・パンク、その2っ!

そのカウンター/アングラの層による反逆とは、いにしえの〈よき保守派〉──いやまあ、とくに“いい”ってことはないですけれど──的な、モラルや文化や教養、その志向する秩序、それらへの反逆という側面が大きくありました。
ゆえにクソやかましいロックンロールなどを鳴らし、“非常識”で奇抜なファッションで身を飾り、性的な行動らと記号らと“逸脱”らを顕示し、ときには悪趣味にも走り、そしてドラッグへの耽溺などを隠さず、と……。

といったカウンター/アングラ層によるふるまいらが、規制秩序への反逆や反抗で、当時はあった。それもそうなのですが、かつ正直な、〈欲望の解放〉でしかない部分も大いにあった……ということは見逃せないでしょう。

──お上品さとエリート教育とおカタい“常識”らで武装し、とりすました〈よき保守派〉。くらいに言えもしたようなやからが、国家/社会の支配層であった。あくまでもその限りにおいて、述べたようなカウンター/アングラ層の態度やふるまいらは、〈反逆〉として成り立っていたのではないでしょうか。

いやはや、こうして回顧してみると、実にノスタルジックな20世紀の物語です。
それが、21世紀の現在はどうでしょうか?

ウラではロクでもないことをしているにしても、とりあえず人前では、良識や知性や品位らを持っていそうにしていた、〈よき保守派〉……。

そんな人物らは、もういません。死に絶えたのでしょう。

ヨーロッパではまだしもか知れませんが、ニッポンにはすでにぜんぜんいないし、アメリカでも、もうごくわずかでしょう。

そして、そうした種類の人々の、滅亡後──。かたちばかりの良識も、知性も、品位も持ちあわせない、下劣きわまる生き物らが、いま米日の両国を支配しているのです。

Subhumans: EPLP (1985) - Bandcamp
Subhumans: EPLP (1985) - Bandcamp
アナーコ・パンク、その3っ!

そして困ったことに、見方を変えてみるならば現在、その種のやからのほうが、よっぽど〈反逆〉しているとも言えるのです。
すなわち反知性主義の反理性主義の反人権であり、また誰がどう見てもアンチ・モラルなのですから。そしていっさいガマンのないヘイトの噴出という、ひとつのあっぱれな〈欲望の解放〉!!

そういう“要素”ら、または形式的な態度のところを、あのやからは、かのヒッピー・ムーブメント等々の周辺から、継承していてくさるのです。そのように見えています。

ですからトランプ/高市あたりとそれに追従するやからを、《ファシスト》呼ばわりするのは、さしつかえはないんですけれど、しかしちょっと違うとも思うんですよね。
というのは……。ファシズムであろうと〈保守〉主義であろうと、イヤにしても一種の《思想》です。しかしあのやからには、邪悪なものであるような思想さえもない。

そうではなくエゴイズムとナルシシズムしかない、そしてその部分によって、頭の悪い層の共感を集めている。ゆえに〈極右ポピュリスト〉と呼ぶのが、まじめに言うなら適切ではないでしょうか。あるいは、さらに適切な言い方があるのでしょうか。

人間らは誰しも、エゴイズムやナルシシズムらを完全に棄てることなどできません。しかし、ときには……ことによっては……ムリをしてでも……《規範》なるものを、それらの上に置く。べきである。
そして、そういう考えのぜんぜんなさが、あの極右ポピュリストらの特徴のひとつなのです。

それで、もはや──。クソうるさいだけのロックンロールをタレ流しているくらいでは、しんけんに怒ってくれる〈大人〉は、もういないのです。場所を選べ、とでも言われるのがせいぜいで。
あの《ディープ・パープル》なんて、暴走族/珍走団のテーマソングみたいなもんだと思っていましたが──そこまでは多少、“いい意味”で──そしていま、そいつら(の一部残党)にクツを舐めさせて悦んでいるのが、ニッポン国の総理大臣です。

そういえば?

チャック・ベリーさんによる最初期ロックンロールの名曲に、「ベートーベンをぶっ飛ばせ/Roll Over Beethoven」(1956)と、ありますが……。
しかし現在にいたるまでに私たちは、あまりにもベトベンさんを、“ぶっ飛ばし”すぎたのではないでしょうか?
すなわち、彼の音楽に込められた、全人類の融和と進歩への確信……といった崇高な理想らまでをも!

そういえば?

つい数日前、何かの参考になるかと思って、1990年代中盤の初期ガバーハウス(ハードコア・テクノ)を約2時間くらい、聞きなおしてみました。
そうすると、やたら多くの曲で、〈ファック! プッシー! マザファカー!!〉といった卑語らが連呼されており。〈ウム、ひとまず愉しそうではあるなァ……〉とも思ったのですけれど。

だがしかし。いまどきそんなふるまいを繰り返したとしても、それがどういう反抗になるのでしょう?
仮そめにもアメリカ大統領ともある人物が、SNSか何かでその〈ファック!〉という卑語を公言しているときに!!

そういえば?

何かのご本でスラヴォイ・ジジェクさんが、述べておられました。またウロ憶えのエピソードになってしまって、実によくないのですが……。

ロシアの大統領プーチンが、彼の荒廃させた、確かチェチェンの情勢について、何やら下劣なジョークを飛ばしたそうです。
それに怒ってジジェクさんいわく、〈仮にも一国の為政者たるもの、最低限の品位ってものをそなえているべきだろう!!〉。

……もはや〈保守派〉でさえもないような極右ポピュリストどもの言行が、いちいち下品で低劣すぎるので、私たち左派が、品位なるものを強く意識しなければならない……!
ここにおいて、カウンター/アングラ系サブカルチャーの、何かと規範を逸脱していくような態度やふるまいという部分が、左派の運動とあやうくも協調していられた時代が、完全に終わったと考えられるのです。

MC5: Kick Out The Jams Motherf*cker! (2026) - Bandcamp
MC5: Kick Out The Jams Motherf*cker! (2026) - Bandcamp
1968〜2003年の諸トラックのコンピレーション

そして、パンクロックにしても同じなんですよね。
〈反逆/反抗のジェスチャー〉というところだけは一貫していそうですが、べつに左派っぽい《思想》がバックグラウンドにあるとは限らない。

それは、ガバーハウスにしてもそう……というか、あれはもともと右翼くさい。ガバーをニッポンで受けとめた人々は、そういう部分を、あまり引きついでいない感じですが。

さてパンクであれば、その源流のひとつである1960年代のバンド《MC5》などは、はっきりと左派的ロックでした。それを追って'70年代に、《ザ・クラッシュ》や、また《クラース》らのアナーコ・パンク派などが続き……。
といったところはあるのですが、しかしどう考えても、それが“すべて”ではない。むしろ'80年代の早い時期にイギリスでは、〈右翼パンク〉なるイヤなものが台頭してしまっています。たぶん現在もあるのでしょう。

であるので。
〈反逆/反抗のジェスチャー〉“しかない”、のだとすれば、冗談にも一時はパンクスを気どっていたようなやからが、あの参政党ごときに誘引されてしまうのも、ぜんぜんない話ではないでしょう。
あのようにヘイトむき出しでレイシズムまる出しのカスだということが、逆に〈良識〉へと反逆しているカッコよさなのではという超カン違いも、《思想》がなければ可能なのでしょう。

言いかえて。〈よき保守派〉のようなジェスチャーを演じていたやからが、〈良識〉をひとつの盾にしていたような時代には、〈露悪〉もまた私たち側の武器として、あるていどは機能しえたのでしょう。
しかしいま現在、〈露悪〉は、エゴイズムとナルシシズムしかない極右ポピュリストらの主武器になり下がっています。
《思想》の裏づけのない〈反逆/反抗のジェスチャー〉は、現在において、むしろあっちのサイドへ寄っていく傾向……! それが大いにあるのです。

〈あえて権力者に媚びへつらうことも、また“ロック”〉

こんな吐き気しかしない妄言は、布袋何とか本人の言ではありませんが、まあ言ったようなことではありまして。しかし、ぜんぜん成りたっていないとも思えません。
すなわち、〈妄言もたいがいにしろ!!〉という〈良識〉ある人々の怒りを呼びおこしたのですから。内容や実質を抜きにした〈反逆/反抗のジェスチャー〉としては、何かしらの部分にて、成りたっているのではないでしょうか? ロックンロールがそんなものでしかないならば、という前提で。

かつまたこの権力にへつらっていくしぐさもまた、あの〈欲望の解放〉の一端である、とも言えるでしょう。いずれ勲章でもせしめて、国家お抱えのミュージシャンにでもなりたいような、〈欲望〉の。この恥知らずにすぎる挙動は、なかなかできないことかも知れません。

……ニッポンの作曲家として、私がもっとも尊敬する中のおひとりである浜口庫之助さん(1917〜90)は、そのご生前、国家からの叙勲の申し出を拒否しぬきました。

私の音楽は、民衆に同伴し、その歓び悲しみをつづるもの。国家にそれをいいとか悪いとか評価される筋合いは、まったくない。あの偉大さをきわめたベートーヴェンだって、勲章なんか受けとってはいない。
浜口庫之助『ハマクラの音楽いろいろ』(1991)より要約

……ですから。先ほどから申しあげて、おりますように。ベトベンさんを私たちは、あまりにも、“ぶっ飛ばし”すぎてしまったようなのです。

さてもうそれこれで、このような情勢下、どうすれば、私たち左派は?

ここまであまり説明もせず《左派》と述べてきましたが、いや私にしても別に、共産主義者/マルキストではありません。
まず当面の課題は、現在の日本国憲法に書かれた、非戦主義および基本的人権の尊重──その精神を実現していくこと。ニッポンをまずよくし、かつ可能な限りニッポンから世界をよくしていく。
そう考えているわけですが、しかしいまはその態度がもはや左派にしてサヨクであるようなので、まあそれでいいです。

もっと研究してから別に書くべきですが、柄谷行人さんによる『ニュー・アソシエーショニスト宣言』(2021)から影響を受けています。たとえば、〈街頭の示威行動は大いにやるべき〉、かつ〈“プロレタリアートに祖国なし”では、もはやない〉……といった部分ら。

お話を戻し、〈ではどうすれば?〉の、前提として。

いままでばくぜんとは左派めいた運動らの同伴者だったようにも見られ、かつあるていどは機能していたサブカルチャーの類が、もはやそうとも限らなさすぎるということを、まず意識せねばならないでしょう。

ロックンロールは反体制なのか? いや別にそうでもないが(!)。
しかし、反体制のロックをやることも不可能ではなかろうとは、考えられる。

🔊 📢 🗣️

つい先日の、2026年4月19日。国会議事堂前の反戦・反改憲のデモに私は、参加しました。そこにつどった3万6千人の同志らの中のひとり、一分子として。
このときに、《路哲》を名のる左派集団──〈プロテストレイヴ〉の前記事にも、団体名が出ていました()──その活動の一部、生バンドの演奏に強い感銘を受けたんですよね。ひらたく言って、超アガりました!!

いやそれが、まあロックでしょうけれど、そもそも唄がないし、また首尾一貫した〈楽曲〉を演っていた感じでもありません。シュプレヒコールや短いスピーチらを盛りあげる伴奏だった、とも言えるのですが。
しかしそれにしても、とくに地鳴りのようなすっごい音を出していたベース! これに大コーフンさせられまして!!

〈何ンでェちくしょう、いまさらロックなんてと前から思ってたけど、まだぜんぜん使いみちがあるじゃねェかよ!!〉
……と、認識を改めさせられるにいたったのです。

かつまた。このブログの前記事であらためて賞揚した、アシッドハウスにしても、もちろんそうであり。

ここで私は、いちばんに自分が推したいブレイクコア/ヴェイパーウェイヴ/ハイパーフリップらの斬新な音楽に、そういう使いみちでの有効性が、ちょっとはあるのだろうかと、思い悩んでいます。

そうして。私たちの奉じている、〈非戦主義〉や〈人権尊重〉らの《思想》にもとづいて、使えそうなところを、うまく使っていく。その工夫と努力が、なされるべきなのではないでしょうか。

……とまあ。そんなにはいい考えが出ませんが、いまはここまでにて。


[sum-up in ԑngłiꙅɦ]

To put it succinctly, the gist of the Japanese text above is this:

Since the rise of the hippie movement in the 1960s, a certain kind of counter culture and underground culture—one that condones blind rebellion and provocative behavior—has run alongside our leftist movements.

The “rudeness” of these subcultures likely held a certain efficacy as long as the ruling class—our enemies—consisted of pretentious individuals who prided themselves on refinement and education. Well, That may have worked then.

But that is a distant story from the 20th century.

Today’s 21st-century ultra-right populist leaders—such as Trump in the U.S., Takaichi in Japan, and so on—possess neither dignity, education, nor ethics. They are mere egoists and narcissists who garner support from like-minded individuals through their very vulgarity.

Now, “vulgarity” and coarseness have been reduced to weapons in their arsenal.

And under these circumstances, it seems using vulgar words like “f**k!”—as was common in 20th-century anti-establishment rock, gabber techno, and so on—has lost almost all meaning.

Especially when a figure who is supposedly the President of the United States is publicly declaring “fuck” on social media or something!

We on the left must consider alternative cultural and artistic means of communication to replace such tactics.

As you can see from the images included here, I believe we should seek to revitalize the fundamental spirit of Anarcho-Punk in a form suited to the present day.

Alternatively, music genres such as Breakcore, Vaporwave, and Dariacore—i.e. the cutting-edge music genres I currently advocate for most—might also serve as a source of resistance power. Perhaps.

プロテストレイヴ/Block Party Against Fascism 260329 - 怒れ踊れ叫べ!!

-DROP BASS NOT BOMBS- Block Party Against Fascism, Racism, Takaichi And Trump - Mar 29, 2026
-DROP BASS NOT BOMBS-
Block Party Against Fascism, Racism, Takaichi And Trump - Mar 29, 2026

なぜに私が、戦争を憎み、そして少しでもより平和な世界の実現を望んでいるのでしょうか?
……と、そんなことは、ご説明の必要がないでしょう。ワリに正気の気味が、おありの方々に対しては。

そしていま、2026年・春。
……現在の世界と日本が、どういう状況であるのかも、また同断のお話とさせていただきます。

そういうことで。かの柄谷行人さんも、〈街頭の示威行動をガンバろう!!〉とおおせでありましたし……!!(
3月の28日(土)と29日(日)、〈反戦平和/反ファシズム〉あたりをうたっている街頭行動に参加しました。超ものぐさの私が。

ちなみに。こういう〈政治的〉めいたことで、自分から脚を動かすのは、このたびが初めてでした。ズブの初心者ですので、やさしい目で見てください。

それで、まずは、3/28の《オタクによる反戦デモ》()。
これはぜひともやるべきだった催しで、とてもよかったと思います。また次回があれば参加します。

……と、何となく控えめな言い方になっているのは、どうにも自分が《オタク》じゃないな……と、感じつづけているからなのです。その部分で。
まあ、それはこっちだけの問題ですが!

✌ 🤓 🕊️

続いては3/29の、《プロテストレイヴ》!! この催しの正式なタイトルは、次のようです()。

-DROP BASS NOT BOMBS-
BLOCK PARTY AGAINST FASCISM, RACISM, TAKAICHI AND TRUMP.

(organized by…)
PROTEST RAVE × クソデカフラッグ部 × 路哲


2026.MAR.29 16:00 at 新宿駅東南口広場

それでこれが、もう! 最高のパーティだったんですよね!!

並みのクラブにもひけをとらない音響/照明/スモーク!!
私たちの意思をきっぱりと表してくれた、超イカすビジュアル!!
そして最高のDJたちと……。

そして、何よりも最高な!! 世界でもっとも尊いパーティ・ピープル!!!

いやぁ〜、もう。設営を拝見している段階から、私のテンションは、上がるいっぽうだったのですが……。

そしていよいよ、とっぱなの一曲めが!!
ミスター・フィンガーズの「キャン・ユー・フィール・イット」!!(
それが鳴りはじめた瞬間に、もう飛びましたねっ!! ウガーッ!!

“こんなところ”まで足を運んだ自分の判断は、大にして超の正解であった、と!!

と、そういう面……。このプロテストレイヴ(260329)の、音楽とか選曲の面については、あまりあちこちで語られていない感じです。
ゆえに、私が少々語ります。何せこのブログは本来が、音楽系みたいのようですし。

壁が落ちるまで踊れ!!
壁が落ちるまで踊れ!!

オープニングの「キャン・ユー…」に続いても鳴らされたのは、それに類するクラシック・アシッド・ミニマル・シカゴ(系)・ジャッキン・ハウス、そういう曲らが中心でした!!
イェイッ!! そういうの大好きな私としては、〈オレのためにやってんの!? ご接待!?〉とでもカン違いしそうなほどの、ジャストフィットで!!

いっやぁ〜、それがですよ。なぜなのか、その場へおもむく前のばくぜんとした予想では、選曲的には〈トランスとかが、かかるのかな?〉……などと思っていて。
いや別に、トランスでもEDMでも、悪くはなかったのですが。

だがしかし、よりによってのピンポイントへ、キラー・パスをいただきましたっ。あとは、半歩進んでゴールへ流しこむのみです!!

Winx: Don't Laugh (1995) - Bandcamp
Winx: Don't Laugh (1995) - Bandcamp
こんな曲も鳴っていました!! ザ・クラシック・NYハードハウス!!
ファシストたちの高笑いを許さない

……お家のスピーカーではそうは鳴らない、クラブ的な場所でしか聞けない、TR-909バスドラの荒々しい響き……。
それが、私たちの鼓動です!! 平和を願う心のうずきです!!

いや実は、このパーティには、ちょっとした〈二面性〉がありまして。
会場の中央の樹木をはさみ、片側はDJブース&メインスピーカー。そしてその反対側では、リーダーさんたちがトラメガ(サッカーのサポーター用語で、トランジスタ・メガホン)を手に、私たちのコールをリードしておられました。

戦! 争! 反! 対!
憲! 法! 守! れ!

そのコールの四拍子が、ハウスのいわゆる〈四つ打ちキック/Four-on-the-floor〉に、ピッタリと合いすぎでっ!! こうして使われるためにハウスは生まれてきたのか、とさえ思いましたね!!

そして。踊りながらの叫びながら、思ったことです。

〈1989年のベルリンの壁の崩壊は、アシッドハウスの狂熱的な大ブームのせい〉……だという、半分は伝説のようなお話があります。
たぶん、それもあったのでしょうけれど……くらいに、私も受けとめていましたが。

しかしこの日のレイヴを体験することで、信憑性が高まりましたね!! やればできそうな気がするぜ、と!!
ただ黙っていて、じっとしていて、よくなることってあるとお考えですか?

怒れ、踊れ、叫べ!!

ですので私も。ここで張りきらなければ生きている意味がないと、老骨にムチ打って、スタートの16時から閉幕の21時半までレイヴしました!! とはいえラストの2時間ほどは、残念ながら息切れで、ちょっと腰かけたりしているときもありましたが!!

ですけれど、パーティの終盤近くです。あの!! 「ストリングス・オブ・ライフ」が鳴りはじめたとき……。
そこで再びキリッと起ちあがって、ウガーッてなりましたよね!!

そして。その鳴っているさいちゅう……。
隣りあわせで踊っていた人が、ほぼこのようなことを叫んだのです。

〈「ストリングス・オブ・ライフ」!!
お前ら、分かるか!? みんな、分かってるか!?
その《命の糸》を、切っちゃァいけねェんだよ!!!〉

まさしくしかり、そのとおりだ!!!

……あらためて調べたところ、このデリック・メイさんによる楽曲に、「ストリングス・オブ・ライフ」のタイトルを与えたのは、かのフランキー・ナックルズさんだそうです()。
ことばの要素はない曲ですが、ナックルズさんはその中に、生命の息づきと生命の連環を、感じとられたのです。

そのかけがえなき《命の糸》を、断ちきろうとするものたちに、私たちは抵抗しつづけなければなりません!!
スラヴォイ・ジジェクさんの用語では《シニカル・リベラル》くらいに呼ばれそうな、ぼんやり人間である私に、ここまで強いことを言わせるなんて……。まったくあのファシストどもは大したものです、どう考えてもすでに度がすぎすぎている!!

であるので、私たちは!!
《オタク》であろうと、クラバーであろうと、もちろん一般の生活者であろうと……。それぞれの場から、それぞれの抵抗の声を、小さくとも、しかしねばり強く、挙げつづけていかなければなりません!!

かけがえのない無数の《命の糸》を、少しでも守ろうとするならば、そうせざるをえないのです!!

🔊 📢 🗣️

いまのこの世で最高のパーティ・クラウド!!
いまのこの世で最高のクラウド!!
ともに踊り叫んだことを誇りに思います

……などと、まあ。
私なんかの、つたない〈アジ演説〉みたいなお話は、ほどほどにすべきでしょう。もう少しお伝えしたいことがあったようにも思いますが……。

では、さいごに。

ここまでの催しを実現したプロテストレイヴと関連のクルーたちに、そして最高のパーティ・クラウドに、感謝・尊敬・連帯の想いを捧げます。

そして主催のグループたちは、それぞれにドネーション/カンパをつのっておられるので、その趣旨にご賛同の皆さまは、ぜひ。
たとえば機材らだけのようすを見ても、完全にプロレベル。かなりのお金が出ていそうなので、お助けすべきでしょう。そしてそのあたりを貧乏たらしく節約していたら、ちょっとアガりません。

……いや、私からも、古いことばで〈貧者の一灯〉的に、いまのクラブの平均的なエントリー・フィーはこんなものかな?……くらいの額を、その場でどうにかしたのですが。
しかし追って考えたら少なすぎたと、大いに後悔しています!! 次回の開催時には、もっとどうにかしたいところです!!

そして、繰り返しになってしまいますが。
戦争の暴虐に、あらゆる手段で、人々それぞれの小さな力を大きく合わせ、抵抗しつづけましょう!!


[sum-up in ԑngłiꙅɦ]
This article documents my participation in an anti-war and anti-fascist rave held in Shinjuku, Tōkyō, on March 29, 2026.
It was an amazing party, with the crowd going wild to classic house music by Mr. Fingers, Derrick May, and others!
And I urge all of you reading this to voice your hopes for peace in your own communities!!

Bandcampの2026年・新ポリシー“AI音楽禁止”は、不適切&不可能かつ有害!

このテクストの結論:
Bandcampの2026年・新ポリシー〈AI生成の音楽を扱わない〉は、そもそも不適切&不可能である。しかもその弊害&実害を、すでにアーティスト&ファンらに与えている。

かつその害は、さらに広範かつ甚大になりうると見込まれる。
よって。どうしても彼らがAI音楽の禁止や抑制という方向を打ち出すとしても、これまでBandcampと関わってきたアーティスト&ファンに害を与える所業は、なされてはならない。

2026年1月23日:才ンガク毛ドキ 記す

⛔ 😢 🚧

Conclusion:
Bandcamp's 2026 New Policy “Banning AI Music” is Inappropriate, Impossible, and Harmful!

Bandcamp's 2026 new policy “not handling AI-generated music” is fundamentally inappropriate and impossible.
Moreover, it is already causing tangible harm to artists and fans, and this harm has the potential to become even more widespread and severe.
Therefore. Even if they insist on pursuing a direction of banning or restricting AI music, actions that harm artists and fans who have engaged with Bandcamp thus far must not be taken.

And the primary reason we came to this conclusion is that we witnessed the suffering of L33K5P1N 84574RD5 label on Bandcamp. And also we too are victims. At the end of this document, included the complaint message we sent to B.C.⤵️
Also, in the comments section of this article, I have posted my reply to B.C.'s blog (done, Jan 24th). If you are interested, please take a look!

January 23, 2026 : Written by 0ngaku Modkәy

……と、以上に正しい結論を述べましたので、これをご覧のほとんどの方々は、〈そうだな!〉とお感じになられたと思います。そうであることを願います。

とはいえ。
なぜこのようなことを緊急に、私が訴える事態になっているのか?
そこにいたる経緯を、以下にお伝えしたいと思います。

まずです。
Bandcamp(以下:B・C)の、〈AI音楽は禁止!〉という新ポリシーが公開されたのが、1月13日( / )。それに私が気づいたのが、1月15日です()。

……けれどもその時点では、わりあい軽く考えていたんですよね!
すなわち。私および私の愛好している類の音楽に対しては、あまり影響がないのではないかと……。

ところが。

ヴェイパーウェイヴというジャンルの中で、B・Cをベースとし、一定の存在感を示してきた、《L33K5P1N 84574RD5》というレーベルがあります()。かれこれ、十年弱くらいの活動歴を誇っています。当ブログにおいても、そのリリースらのいくつかを、ご紹介してきました。

ロフィ騎手 - Archive.org
ロフィ騎手 - Archive.org
アーカイブにあるのでB・Cから消えてもいいだろう…とはなりません!

そのカタログの、全体を見ると、あまり高水準だとは言えない……。しかし、《ロフィ騎手》名義の諸作品は、とくにいい──たとえば私などは、すばらしいとさえ感じている──と、そのくらいに評価されてきたと思われます。

さてこのレーベルを、《リークスピン》と、いまここでは呼ぶことにしまして。

だがしかし、そのリークスピンの全カタログが、ふとB・Cから消えている──というご報告がツイッター(現・X)に上がったのが、1月18日です()。

このことは、それ自体が惨事ですが、しかし──。
──しかし。ことヴェイパーウェイヴ系の音楽作品らに関しては、B・C等の商用プラットフォームから、ふっと消えることが、よくある……と、申さねばなりません。

その消える主な理由は、ふたつ考えられます。

まず第一に、アーティスト/レーベルが、何らかのつごうにより、自主的に消した。
そして第二には、著作権に関連のクレームを受けたので消された。

これらにしても、きわめて残念なことですが。しかし当面は、仕方がないことと、受けとめなければなりません。
とくに、第二の理由について。いっぽうの私たちが〈著作権は、ジョーク!!〉だと確信していても、いわゆる〈法社会〉は国際的に、少し見解が異なるらしいです。
そして、合法の企業であるB・Cは、その〈法〉に、服従しきらないまでも、はっきりと逆らってはならないでしょう。……それは、そう。

つまり。作品らが消えてしまうことは残念だが、前記二項の理由によるのであれば、プラットフォームであるB・Cは責められない。そう考えられます。

ところが。

委細を省いて申しますと、B・Cからのリークスピンの抹消は、かの〈AI禁止令〉の過剰な適用によるものだったのです。
これは少なくとも、リークスピンの当事者と、彼らのフェイスブックのコメント欄で対話し、聴取したことです()。

何の予告もなく、AI音楽であるからと、一方的にすべてを消された。
そこで、AIがからんでいないアルバム──すなわち一般的なヴェイパーウェイヴ──も多くあったではないかと抗議したが、それらはかってに自分でアップロードしなおせばよかろうと言われた。
かつ音楽自体とともに、いままでにデジタル・アルバムを購入してくれた人々についてのデータも消された。復元はできないという。
このせいで、約十年間もかけて積み上げてきたもの、ほとんどがだいなしだ。

(以上は、お話の大意)

……と聞きましてB・Cに、関連の問い合わせと苦情を放ちましたが、そちらは回答待ちです。私が送付したメッセージは、この文末に掲載(⤵️)。

なお、リークスピンとAIとの関係について、外部からの観測を補足します。

およそ二年ばかり前から彼らは、すいきょうな私でも聞きとおすことのできない、魅力に欠けたエレクトロファンクやダブ等のアルバムを、毎週4作ほどもリリースしつづける状態にありました。
〈いいのは、ロフィ騎手だけだな!〉とは、その時期からの定評です。
そして。あまり深くは考えなかったのですが、それらの凡作の多くがAIの生成物だったのだろうかと、いまは思われます。あれらについては正直なところ、近ごろ言われる〈AIスロップ〉ではなかった──とも言いにくい。

そして、いま現在。リークスピンのB・Cページは、ほそぼそと徐々に、復旧の途上にあります。AIがらみのものは再アップ不可能なのでしょうが、それ以外のヴェイパー作品らは、ぜひ戻ってきて欲しいものです。

──さて、ここまでに、お気づきになられたと思いますが──。
購買データが消えたとともに、デジタル・アルバム購入者たちの権利もまた、ひどい侵害をこうむっています。
本来ならば、購入したデジタル・アルバムは随時ストリーム再生でき、かつダウンロード可能である……そういうシステムだからです。

B・Cからリークスピンのデジタル作品らを、私が購入した記録
B・Cからリークスピンのデジタル作品らを、私が購入した記録

私にしても、リークスピンのデジタルを、いくつかは購入した記憶があるのですが──心ばかりの金額しか出していないにしろ──もはや確かめることさえも、できなくなっているのです。

……かと思いましたが。よく調べてみたら、B・Cからのレシート的なEメールが残っていました。
意外とむかしのことでしたけれど、2023年、リークスピンの全ディスコグラフィ(当時は102作)を購入していました。

かつ、臆測を付言すれば。この種の確認メールについては、〈見たからもういいや!〉と消してしまったものも、なかったとは限りません。私はそういうズボラな生き物ですから!

──という私の、購入者としての権利はどうなるのですか? いかに補償されるのですか?
たとえば、大のお気に入り《ロフィ騎手》の購入分だけでも高音質でダウンロードしなおしたいと思ったら、私はどうすればいいのですか?

それとです。
気になって──心あたりがあって──調べてみたところ、《Otorii Station》も消えています。さっぱりとその全体が、B・Cから。

おそらく彼らのバンド名は、かつてセガ社やナムコ社らの拠点の最寄り駅だった〈大鳥居〉に、ちなんでいるのでしょう。〈大鳥居ステーション〉は、ビデオゲーム関連のヴェイパーウェイヴ/フューチャーファンクを、精力的にリリースしていたアーティストです()。
そしてかねてより、〈基本のところをAIに作らせ、人力で仕上げている〉と、みずから説明していました(……やばい!)。楽曲ら自体は、既成のゲーム音楽からのピックアップだったようです。

私としては彼らについて、そんなに好きなサウンドではなかったので、試聴以上のことはしていません。しかし。
ですがしかし、この大鳥居さんの諸作品にしても、デジタルの購入者があるていどの数、おられたと記憶しています。おそらくAI罪で消去されてしまったあと、その購入者たちの権利は、ちゃんと守られているのでしょうか?

──かくのごとく。
アーティスト&レーベルらをひどく苦しめ、かつ私どものような善良にして優良なファンたちにまで大きなめいわくをかけている、この〈AI禁止令〉と、そして関連のしでかしたち……。

どうしてそんなことが許されると、思いこんでしまったのでしょう?
その点を、まじめに問いただしたいです。B・Cのシャチョーとか責任者とかに。

これらの悲惨すぎて非道すぎるもろもろが、B・Cの標榜している、おみごとに高まいさのきわまったスローガン、すなわち〈音楽のフェア・トレード〉──そのあり方であり、そして帰結なのでしょうか?

⚙️ 🤖 🤔

ところで、《AI生成音楽》。

それ自体について私は、よくも悪くもないと考えます。いいと思ったことはほとんどないが、しかし今後の発展の可能性を認めなくもない。
われらの師であるブライアン・イーノさんもまた、わりとさいきんのインタビューで、おおむね同じようなことを述べておられるようです()。

だが、しかし。B・Cという企業が、何らかの独自のフィロソフィ──または何らかの営業面やシステム関係の理由など──により、今後AI音楽を排除していこうとすることについて、〈断じて否!〉と言う権利は、私たちにはないのかも知れません。しかし。

しかしそれにしても、ここまでいっしょにやってきたアーティストらと顧客たちに損害を与えず、苦しめないやり方によって、それを実行すべきです。そうしたやり方を見つけられないなら、そんなことはあきらめなければなりません。

そして。これから先、AI生成音楽を、人力によるそれと区別することは、ますますできなくなっていくでしょう。
そして。それをムリにでも区別し排除に及ぼうとすることは、おそらく《魔女狩り》にしかならないでしょう。ここまでに私たちが見てきたような、きわめて悲惨で不当なそれに。

かつ彼らの声明によるとB・Cは、ユーザーらによるAI音楽の摘発と密告を、これから奨励していくようです。ああ、いや……そんなでは、もはや分かっていて、《魔女狩り》の悦びを扇動しているのでしょうか?

といったことどもが、さいしょに述べた〈結論〉にいたるまでのてんまつなのです。

そして。お願いです。

何かと行きがかりがあって、リークスピンという特定のレーベルを、私が擁護し援護するかたちになっています。まあ、主には《ロフィ騎手》音楽のよさに報いよう……と、しているわけですが。

そこで。

ここまでの文意をくみとってくださった、B・Cのアカウントをお持ちのあなたは、リークスピンのB・Cページを、ぜひ〈フォロー〉してください()。
そのさい、もろもろの通知のメールを不要な場合には〈不要〉とすれば、とくに何も起こらないでしょう。あまり活用されていなそうなB・Cの機能〈フィード〉、そこに出てくるくらいで。

さらにお気が向かれた篤志の方々は、彼らのデジタル・アルバムを購入してください。“Name your price”であり、50円とか100円でもいいと思います。私からのおすすめは、一種のモールソフト作品である『キングダムプール』です。

そのようなお願いをいたすのは。多くはなくともフォロワーがいてサポーターのいることが、今後の彼らの力になるだろう、と信じるからです。

そしてまあ、こんなことらを、長々とつづってきましたのも。
これっぽっちも〈正義の味方〉ではない私ですが、しかし自分の目の前すぎる場所でのあまりな不正義を、見すごすことはできないのです。

だいたい私はこの十年近く、B・Cのユーザー/顧客でありかつ、しかもその無料の宣伝係みたいなことを、ずっとつとめてきました。同じ音楽が鳴るならば、B・Cへのリンクを優先でご紹介、としてきました。
それというのも、その利便性もさることながら、かの高まいな〈音楽のフェア・トレード〉というスローガンに共感してきたから──と、しておきます。

だのにその部分を曲げられては、ひとこと申しあげないわけにはいきません。

このようでは、リークスピンの受難にもやや近いかたちで、私の約十年間が汚泥にまみれようとしているのです。クソ企業の利用をいい気であおってきた大バカタレだとは、自認したくありません。

それでは、文末に──何かの念のため──B・Cに対し、私が送付した問い合わせの文言を、英語の原文と和訳で添付します。

Regarding the matter where all BC pages and releases under the L33K5P1N 84574RD5 label were deleted and remain largely unrecovered to this day.
https://l33k5p1n84574rd5.bandcamp.com/
Upon contacting the label owner, they stated that everything was deleted unilaterally without warning and that recovery is impossible.
I believe the mental and material damage this has caused L33K5P1N is severe.
Furthermore.
According to them, approximately 100 fans purchased L33K5P1N's digital releases. This unilateral deletion also infringes upon the rights of those 100 people.
Is this what you call “fair trade in music”?
Even if what has been done cannot be undone, I demand that deletions without notice, based on trivial reasons like “AI issues,” never happen again.


😡 😠 😡


L33K5P1N 84574RD5レーベルのBCページとリリースが全て削除され、現在もほとんど復旧されていない件について。
https://l33k5p1n84574rd5.bandcamp.com/
レーベルオーナーに連絡したところ、全てが一方的に予告なく削除され、復旧は不可能だと言われました。
この件によってL33K5P1Nに生じた精神的・物質的損害は甚大であると考えます。
さらに。
レーベルオーナーによると、約100人のファンがL33K5P1Nのデジタルリリースを購入していたとのことです。今回の一方的な削除は、その100人の権利をも侵害するものです。
これが、〈音楽におけるフェアトレード〉と言えるのでしょうか?
たとえなされたことは取り返しがつかないとしても、〈AIの問題〉といったささいな理由で予告なしに削除されることは今後、二度とないようにと、強くお願いいたします。

ヴェイパーウェイヴの歴史 2. ターンテーブルFMから、最初期の隆盛へ

はじめにモドキから:
以下のテクストは、ステファン・クンツェさんによる英文記事の要約です。
The following text is a summary of an English article by Stephan Kunze.
“ZS History of Vaporwave (Part 2) - From Turntable.fm livestreams to the first wave of popularization (2011-2012)” - Dec 08, 2025(

まずはシリーズ第1回の、プロト・ヴェイパーウェイヴの時期(2008-2010)をあつかった記事を、ご覧になることをおすすめします()。ではどうぞ!

ヴェイパーウェイヴの歴史 2. ターンテーブルFMから、最初期の隆盛へ(2011-12)

【 も く じ 】
2-1. 序論2(黎明期のヴェイパーウェイヴ・概説)
2-2. Vektroid(ラモーナ・ラングレー)
2-3. Internet Club(ロビン・バーネット)
2-4. Computer Dreams / Midnight Television
2-5. そのほか多くの精鋭たち
2-6. “ヴェイパーウェイヴの死”、その最初の宣告
2-7. クラシック・ヴェイパーの重要な15作品(2011–2012)

2-1. 序論2(黎明期のヴェイパー概説)

ヴェイパーウェイヴの最初期の盛り上がりは、2011年半ばから2012年末までの短い期間に凝縮されている。
ジャンル名もまだ定まらず、アーティストたちは自分たちが何を作っているのか明確には分からないまま、自由に試行錯誤していた。

この記事のパート1で説明された〈痕在論/Hauntology〉的音楽や〈催眠的ポップ〉など、2000年代後半のインターネット由来の実験的ジャンルを背景に、ダニエル・ロパティン(OPN)とジェームズ・フェラーロが、ヴェイパーの重要な源流となった。
ロパティンはポップやスムースジャズをスクリュー&エコージャム化し、フェラーロは企業映像・ストック音楽を自作で模倣する手法を追求した。

この二つの流れを、日本のポップ文化やポスト・マルクス主義に興味を持つネット世代の若者たちが、フォーラムやSNS上で結び合わせたことで、ヴェイパーウェイヴの核が形成される。
かつ、匿名かつ正体不明のハンドルネームのものが多かったため、その場に固有の〈無国籍性〉・〈顔の見えなさ〉も特徴となった。

彼らは音楽業界からは遠い位置にいた10代の若者で、主にクラック版ソフトで制作し、そしてZIPファイルでタンブラー、マイスペース、ブログなどのプラットフォームらに作品らを投稿した。

とくに重要なプラットフォームだったのは、2011年に登場した“Turntable.fm/ターンテーブルFM”だ。短命に終わったが、そこにはヴェクトロイド、ロビン・バーネット、インフィニティ・フリケンシーズ、ラグジャリー・エリートなどが日常的に集まり、未発表曲をライブで聴き合っていた。

ジャンル名《Vaporwave/ヴェイパーウェイヴ》は、2011年秋に半ば冗談として使われ始め、2012年に『ダミー』誌のアダム・ハーパーの記事によって広まった()。この記事は、シーンから〈誇張的だ〉〈誤解を招く〉などと批判されたものの、外部への認知を決定づけた。

モドキから補足:ジャンル名《ヴェイパーウェイヴ》の発案者は、後述されるロビン・バーネットさんです。少なくともご本人が、その説を肯定しています。

2-2. Vektroid(ラモーナ・ラングレー)

主にVektroidの名で知られるラモーナ・ラングレーは、ヴェイパーウェイヴの最初の決定的な実践者であり、2008年からVektordrum名義で活動していた。
自閉症スペクトラムのトランスジェンダー女性である彼女は、シリコンバレーに勤務して家を空けがちだった父のもとで育ち、インターネットに没頭した経験を語っている。

2010年、18歳のラングレーは“Telnet Erotika”を制作。その性格は、前記事で既述()。
続いて2011年3月には、Laserdisc Visions名義で“Virtual Casino”(のちに、“New Dreams Ltd.”として再発)をリリースし、“1980年代末〜90年代初頭の大衆メディアの戯画化” と自ら語るサンプル主体の美学を提示する。

ターンテーブルFMに参加した後の2011年後半、彼女は複数の名義で5作品以上を連続リリース。中でもMacintosh Plus名義の『フローラル・ショップ』は2012年にネットミーム化し、ジャンルの象徴となる。ダイアナ・ロスの曲をスクリューした、〈リサイクル感・薄気味悪さ・ノスタルジア〉が融合した作品で、以後のヴェイパーウェイヴの基準を決定づけた。

2012年にも多数の名義(情報デスクVIRTUALSacred TapestryPrismCorp Virtual Enterprisesなど)で重要作を発表したが、2013年頃にジャンルから離脱。しかし彼女の作品は再編集・再発が続いており、Macintosh Plus名義の新作も制作中とされる。

2-3. Internet Club(ロビン・バーネット)

米ダラス出身のロビン・バーネットは、15歳でDatavis名義のノイズ/ドローン作品を作り始め、その後ユーチューブからのサンプル加工へ移行。2010年には EP “Fading”を発表し、遠方の友人とオンラインで交流しながらDataVision Ltd.デュオを結成、2011年初頭にEP“Vector Tables”を公開した。

その後ターンテーブルFMの中心人物として活動し、Internet Club名義で、2011年6月に“Modern Business Collection”を発表。以降しばらく、月1作以上のペースで作品らをリリース。
彼は日本のCMとアニメ、“平成”期のビジネス映像、香港の映画とヒップホップなど、膨大なソースを取り込みながら、〈マルクス主義的プランダーフォニクス〉と呼べる姿勢で、'80年代的消費美学を反転させた。

2012年には長尺ドローン系のEcco Unlimited名義の制作も開始するが、2013年ごろに彼の〈大不況時代=スランプ〉を迎え、ヴェイパーウェイヴ制作からいちじ離れた。
その後、Wakesleep名義で現代音楽寄りの作品へ移行しつつ、近年はInternet Club名義で限定的に復帰している。

モドキから補足:〈マルクス主義的プランダーフォニクス〉という呼称はご本人によるものですが、しかし、やや軽い受けとめ方が適切かと思います。

2-4. Computer Dreams / Midnight Television

バーネットが強い影響を受けたのが、米ヒューストンの匿名プロデューサーComputer Dreams、またその別名義のMidnight Televisionだった。
2011年5〜6月に発表された、それぞれのセルフタイトル・アルバムは、80年代の深夜テレビBGMのようなループを極端にローファイ化した、先鋭的な内容だった。

彼はヴェイパーウェイヴのジャンル確立以前から、その美学を体現していた。

2-5. そのほかの精鋭たち

続いた初期アーティストらの中で、以下が重要と考えられる。

Diskette RomancesLasership Stereo:2011年秋に登場し、2012年のセルフタイトル作『ディスケット・ロマンス』は影響力大。
Infinity Frequencies:2012年に“Euphoria”を発表し、続いた〈コンピュータ三部作〉で、無音に近い短尺の〈リミナルスペース音楽〉を確立した。別名義のLocal Newsでは、《シグナルウェイヴ》(または、Broken Transmission)を開拓。

また、MediaFired™CoolmemoryzVeracomTransmuteoなど、初期ターンテーブルFMの周辺のアーティストらも活躍した。

そして2012年後半からは新世代が加わり、ジャンルは細分化へと向かう。

Eyeliner:サンプルを多用せずに1980年代風を再構築する、独自の路線(“High Fashion Mood Music”, 2012)。
Blank Banshee:2012年の“Blank Banshee 0”で、《ヴェイパートラップ》を確立。
Hentasi:その後の《モールソフト》の基盤となった名作、“Vacant Places”(2012)。
Luxury Elite:《レイトナイト・ローファイ/Late Night Lofi》の先駆者/唱導者。2012年12月に初アルバム“III”をリリース。
Saint Pepsi:のちの《フューチャーファンク》への道を拓く。

2-6. “ヴェイパーウェイヴの死”、その最初の宣告

2013年1月、ヴェイパー系メディア〈SPF420〉が主催したオンライン・フェスティバルについて、オーガナイザーのチャズ・アレンはそれを、〈ヴェイパーウェイヴの葬儀〉と呼んだ。『フローラル・ショップ』へのレビューや、4chan/タンブラーによる拡散で外部注目が増え、シーン内部では〈取り上げられすぎて死んだ〉と感じられたためである。

当時のヴェイパーウェイヴはメインストリームではまったくなく、一部の雑誌やReddit/4chanで注目されている程度だった。それでも、反資本主義的アートとしての自負や、狭い美学に縛られたくないという制作者心理から、初期制作者の多くはジャンルから離れていった。

しかし実際には、2013年以降に世界へと広がり、新世代が台頭してジャンルはむしろ拡大していく。初期の《死》は、象徴的な区切りに過ぎなかった。

モドキから、補足というより私見:……多少なりとも目新しい事物らに対し、〈あれは、もう“オワコン”!〉と、人に先んじて言ってみれば、たんにそれだけで自分が超ナウい人かのような思い込みも可能なのでしょうか。一種のスピード勝負なのでしょうか。
……たぶんこのシリーズ記事で言及されるでしょうが、追って2015年……。当時ほとんどヴェイパー界の創造的な頂点にいたと言えるHKE(D・ルッソ)さんが、おそらくはわが身を切り刻む思いで、〈ヴェイパーウェイヴは死んだ!〉と宣言なされた──そのこととは、重みが断じて違うでしょう。

2-7. クラシック・ヴェイパーウェイヴの重要な15作品(2011–2012)
  1. Midnight Television – Midnight Television (05/2011)▶️
  2. Computer Dreams – Computer Dreams (06/2011)▶️
  3. Internet Club – Modern Business Collection (06/2011)▶️
  4. Laserdisc Visions – New Dreams Ltd. (07/2011)▶️
  5. 18 Carat Affair – Vintage Romance (07/2011)▶️
  6. MediaFired™ – The Pathway Through Whatever (07/2011)▶️
  7. Internet Club – Beyond The Zone (09/2011)▶️
  8. Macintosh Plus – Floral Shoppe (12/2011)▶️
  9. Diskette Romances – Diskette Romances (06/2012)▶️
  10. Eyeliner – High Fashion Mood Music (07/2012)▶️
  11. Infinity Frequencies – Euphoria (07/2012)▶️
  12. Sacred Tapestry – Shader (08/2012)▶️
  13. Blank Banshee – Blank Banshee 0 (09/2012)▶️
  14. Hantasi – Vacant Places (09/2012)▶️
  15. Luxury Elite – III (12/2012)▶️
  16. 原文にはないが、もうひとつ参考出品:
    Oneohtrix Point Never – Replica (11/2011)▶️

🏢 🗂️ 👨‍💼

おわりにモドキから:
このシリーズ記事の次回に記述されるであろう、2013年。そこからラグジャリー&ペプシさんの快走が始まり、そしてテレパシー能力者/ヌメシュ/リンズヘヴン/クリスttt……等々々の各位が新登場!!
そしてわれらのヴェイパーウェイヴは、そのムーブメントのさいしょのピークを迎えるのです! 待て次回っ。

……それはいいのですが。〈手を抜くために、AIになるべくやらす!〉という怠惰な私のプランが、あまりうまくいっていません。
ChatGPTがよくないのかなと思い、GrokやGeminiに和訳&要約をやらせてみたら、さらにもっと低レベルな出力が……ッ!! けっきょく〈チャッピー〉がいちばんかしこい現状があるようです。
それで仕方なく、私がかなり手を入れています。テクストのトーンやフィールがシリーズ前回とかなり違うとすれば、そのためでしょう。

ヴェイパーウェイヴの歴史 1. 催眠的ポップからエコージャムズまで

はじめにモドキから:
以下のテクストは、ステファン・クンツェさんによる英文記事の要約です。
The following text is a summary of an English article by Stephan Kunze.
“ZS History of Vaporwave (Part 1) - From hypnagogic pop to eccojams (2008-2010)” - Nov 17, 2025(

まずその〈序論〉のご主張に共感し、かつ続いた各論に学びを感じたので、こうして皆さまにお届けしています。
英文記事の和訳と要約にあたり、ChatGPTを活用しています()。かつ、モドキによる修正や補足らがあります。

ヴェイパーウェイヴの歴史 1. 催眠的ポップからエコージャムズまで(2008-2010)

【 も く じ 】
1-1. 序論:ヴェイパーウェイヴとは?⤵️
1-2. 痕在論(Hauntology)から催眠的ポップ(Hypnagogic Pop)へ⤵️
1-3. 18カラット・アフェア(18 Carat Affair)⤵️
1-4. ワンオートリックス・ポイント・ネバー(OPN)⤵️
1-5. Skeleton 骷(または骨架的)⤵️
1-6. ヴェクトロイド(Vektroid)による“Telnet Erotika”⤵️
1-7. プロト・ヴェイパーウェイヴの重要なアルバム10作品⤵️

1-1. 序論:ヴェイパーウェイヴとは?

ヴェイパーウェイヴ(Vaporwave)は、2010年代のはじめ、インターネットという〈無数の記憶が漂う海〉から自然発生した、きわめてユニークな音楽・アート運動である。
ジャンルとしての輪郭は曖昧だが、その中心には〈過去の大衆文化への奇妙なノスタルジー〉や〈失われた未来〉への感情が強く流れている。
特に1980〜90年代の企業広告、ショッピングモールのBGM、深夜テレビ、ソフトロック、あるいは量産的なポップミュージックなど、〈誰も気に留めなかった音〉を素材として扱うことが大きな特徴だ。

当時の大量生産された商業音楽やコマーシャル映像は、本来なら〈ありふれた時代の産物〉でしかないはずだった。
しかし、ヴェイパーのアーティストたちはそこに〈無意識の記憶〉や〈忘れ去られた美しさ〉を見つけた。サンプリング、スローダウン、エコー処理、ピッチの歪みなど、意図的に曇った加工を施すことで、消費社会が生み出した音が、不気味でありながら切ない〈幽霊のようなポップミュージック〉へと変容していく。
こうした再構成は、単なる冗談やアイロニーを超えて、〈失われた豊穣な時代への哀惜〉や〈不完全な記憶の断片がもたらす温度〉を表現する手段になった。

またヴェイパーウェイヴ誕生を理解するには、2000年代後半のインターネット文化も欠かせない。音楽を無料公開し、匿名の名義を次々と使い分け、コミュニティ内部だけで流通するミニマルな発表形式──そうしたDIY精神が爆発的に拡がった背景には、市場メカニズムへの不信と、音楽を〈商品ではなく、遊び/表現〉に戻そうとする情熱があった。
アーティストたちはSpotifyやレコード会社の外で、フォーラム、Tumblr、YouTube、Bandcampなどを通じ、商業主義と距離を置いた“草の根の実験場”を作り上げた。

モドキによる補足:このあたりで、〈要約〉にしても、重要めいたパラグラフが略されすぎのように感じられたので、その部位の和訳を添えます。

過去10年間、初期のヴェイパーウェイヴが《インターネット・パンク》の一形態であったという説が、数多く書かれてきた。
インターネット・パンクとは、消費主義が私たちの場所や空間に及ぼした影響を象徴するだけでなく、ジェンダー規範やステレオタイプ、そしてセレブ崇拝文化にも挑戦した、現代の反資本主義芸術運動である。
私は今でもその説が真実だと信じている。

……いや! そんな〈反資本主義〉のような制作意図はない、なかった、という発言が、追って何人かのヴェイパー系アーティストらから、出ていますが。
しかし。その主観は主観として、作品らおよびジャンルのあり方が、客観的にそうである……と、著者クンツェさんは述べています。

結果としてヴェイパーウェイヴは、単に昔の音をいじるだけのジャンルではなく、〈記憶の再発明〉をめぐる文化的ムーブメントとなった。
かつて消費文化の背景音でしかなかった素材が、新しい形のエモーションをまとってよみがえる——その奇妙で感傷的なプロセスそのものが、ヴェイパーウェイヴの核にあると言える。

1-2. 痕在論(Hauntology)から催眠的ポップ(Hypnagogic Pop)へ

2010年代初頭、小さなオンラインの音楽好きコミュニティで、既存の音楽をサンプリング/編集する〈プランダーフォニクス(Plunderphonics/略奪音楽)〉的手法を使った作品が生まれ始めた。
これが後にヴェイパーウェイヴになる“プロト(前史)”である。

その背景には、1980〜90年代への懐古や、過去に抱かれた〈未来への希望〉が失われたあとの寂寥感があった。

この潮流の源流としては、イギリスのエレクトロニカ/ポストロック〜電子音楽の世界で〈亡霊(過去)の記憶〉をテーマにした《痕在論/Hauntology》があり、Boards of Canada/The Caretaker/Broadcast/Burial といったアーティストがその代表格だった。
彼らはビンテージ/アナログ的な質感、レコードのノイズやテープのヒス、過去の音楽様式の引用などでノスタルジーを演出した。

モドキによる補足:ジャック・デリダさんによる造語《Hauntology/ホーントロジー/痕在論》を、ポップ音楽を語ることばの領域に導入した、サイモン・レイノルズさん&マーク・フィッシャーさんらの功績……という記述が原文にあります。

また、アメリカで生まれたローファイでサイケデリックなポップ/エレクトロニックの潮流、Hypnagogic Pop(催眠的ポップ/通称:H-Pop)──とくにジェームズ・フェラーロ(James Ferraro)の、“Night Dolls With Hairspray”(2010)や、“Far Side Virtual”(2011)。
それらは、ミューザックやコーポレートBGM、MIDI的サウンド、チープな商業音楽の再解釈を通じて、ヴェイパーウェイヴの基盤に大きな影響を与えた。

さらに、同時期に注目されたインディ・エレクトロニック/チルウェイヴ(Chillwave)、ダークでスローなエレクトロニック/ヒップホップ寄りのウイッチハウス(Witch House)といったマイクロジャンルも、ヴェイパーウェイヴ誕生への重要な文脈となっていた。

モドキによる補足:この時期の重要なプロト・ヴェイパー作品──そして催眠的ポップ──の傑作として、Matrix Metalsによる『フラミンゴ・ブリーズ』(2009)への言及が、原文にはあります。
何らかのエレクトロニックなサウンドの断片らを超ローファイ化してループ&グリッチ、ドロッドロとした時空を作りだした……いま聞いても大きなインパクトのある作品です!

1-3. 18カラット・アフェア(18 Carat Affair)

18 Carat Affair(本名:Denys Parker)は、プロト・ヴェイパーウェイヴの重要な先駆者のひとりだ。
彼は2008年ごろからすでに、1980年代の音楽への憧憬をもとに、ローファイなシンセ/ドラムマシン作品を発表していた。

2008年のEP『カセット・ファンタジー』、2009年の“N. Cruise Blvd”、ミニアルバム“60/40”などは、荒削りでチープで生のテープ録音感のある音で、後のヴェイパーウェイヴ的な質感――古いディスコのループ、ノイズ、テープ風味――を先取りしていた。
これらは、その後 2010年に登場したいわゆる〈最初のヴェイパーウェイヴ作品〉よりも前――言葉も定義も確立される前に、すでにジャンルの核となるエッセンスを提示していた。

あわせて1980年代風のジャケットや粒子の粗い画像、ビンテージ感溢れるローファイな音像など、ビジュアル/サウンドともに典型的な〈ヴェイパーウェイヴ前夜〉の表現を備えていた。

筆者は18カラット・アフェアを、〈(プロト)ヴェイパーウェイヴの初期の道を切り開いた先駆者〉として高く評価している。

モドキによる補足:18カラットことデニスさんの、制作上の影響源は……というお話が、なかなか興味深い。
まずは、DJスクリュー/B・イーノ/ボーズ・オブ・カナダ、続いてラ・モンテ・ヤング/テリー・ライリーらという各位の名が挙がり……。
そして珍しいと感じられたのは、一種のポストロック・バンド、パンダ・ベアによるアルバム“Person Pitch”(2007)が、彼のプロト・ヴェイパー的な制作への大きな影響源であったとか()。

1-4. ワンオートリックス・ポイント・ネバー(OPN)

この時代、もっとも強烈かつ決定的な影響を与えたのはOneohtrix Point Never(OPN、本名:ダニエル・ロパティン)だった。
彼は 2009年7月に YouTube チャンネル “sunsetcorp” を立ち上げ、“Eccojams/エコージャムズ” と呼ばれるリミックス/編集作品を発表。1980年代のダンス・ポップ、スムースジャズ、ヨットロックなどを極端にスローダウンさせ、エコーやピッチシフト、反響などの効果を加えることで、既存の楽曲を不穏で記憶的――どこか遠い夢や亡霊のようなサウンドへと変容させた。

映像作品として、古いミュージックビデオやCM、アニメ映像などを編集したビデオアートを併せた作品群は、2009年8月のオーディオ・ビジュアル作品“Memory Vague”となり、ヴェイパーウェイヴの最初期における重要な基盤となった。

その後も、OPN は友人とのシンセポップ・プロジェクトであるGamesを通じ、1980年代〜90年代のポップ、イタロ・ディスコ、ソフトロック、さらには ’90s ヒップホップやハウス/テクノまで広く手を伸ばし、自身の実験を続けた。中でも2010年リリースのMIXテープ、“チャック・パースンのエコージャムズ 第1集”は、後のヴェイパーウェイヴのひな形として、極めて重要だ。

この作品群によって――“Vaporwave” という言葉が生まれる前に――〈古い商業音楽の断片を夢のように再構築する〉サウンドと“美学/エステティクス” が、ほぼ確立された。

興味深いのは、OPN自身は後にこの手法を離れ、オリジナルなインディー・ポップ/電子音楽の作風に移行したこと。ただし、彼が築いた土台こそが、その後のヴェイパーウェイヴを可能にしたことは揺るがない。

1-5. Skeleton 骷(または骨架的)

2010年、ある匿名の何ものかによって、10月と11月に連続してアルバム “Skeleton”と“Holograms”がリリースされた。
このアーティストは、当初 “失われた記憶 (Lost Memory)” を名乗っていたが、後に “骨架的 (Skeleton/骷)” へと名義を変えた。スケルトンこと彼/彼女の素性は、今もほとんど不明だ。

いま振り返ると、スケルトンの作品は、いわゆる《ヴェイパーウェイヴ》とは少し異なり、もっと暗く、実験的で不穏なアンビエント作品に近い。特に “Skeleton”のほうは、サンプルによる陰鬱な響きの実験作。
対して“Holograms” は、少しポップで商業音楽的なトロピカル/ディスコ風味を取り入れており、後に登場するヴェイパーウェイヴ勢に強い影響を与えた。

この匿名アーティストは、その後も断続的に作品をリリース/削除を繰り返し、2024年にはBandcampやストリーミングサービスからカタログが完全に消去された。なぜなのかは明らかになっていない。

つまりスケルトンは、ヴェイパーウェイヴ誕生直前の、不穏で実験的な空気を残す、貴重な〈影の先駆者〉だ。

1-6. ヴェクトロイド(Vektroid)による“Telnet Erotika”

そして、最初の世代のヴェイパーウェイヴを代表する存在が、Vektroid(ヴェクトロイド/本名:Ramona Langley)だ。
彼女は 2010年11月に、自身初のヴェクトロイド名義作品 “Telnet Erotika”をリリース。これも“プロト・ヴェイパーウェイヴ”として分類される。

『テルネット・エロティカ』は、単に過去の曲をスロー再生してエコーをかけるだけでなく、オリジナルのシンセやプログラムド・ドラムを何層にも重ね、ヒップホップ/トラップ/EDM的なビート感を取り入れた。これは、後に “ヴェイパートラップ (Vaportrap)” と呼ばれるサブジャンルの設計図とも言える。

このEPの影響力は大きく、後の多くのヴェイパーウェイヴ世代のプロデューサーが〈手本・参照点〉に挙げている。

なお、ヴェクトロイドは後にこの作品を削除し、2017年に大幅に再構成した“Telnet Complete”として再発している。ただし、オリジナルの2010年版を聴くことで、当時の雰囲気や文脈をより正確に感じ取ることができる。

モドキによる補足:最初期のヴェクトロイド/ラモーナさんに対する、OPNの影響の絶大さ。増補改訂版である“Telnet Complete”への作者コメントにさえ、〈OPNに捧ぐ〉と明記されています()。それはまあ、かなりそのまんまの「ノーバディ・ヒア/Nobody Here」をやっているくらいですから!

1-7. プロト・ヴェイパーウェイヴの重要なアルバム10作品

以下は、〈プロト・ヴェイパーウェイヴ期(2008–2010)〉の重要な10作品。これらを聴くことで、ヴェイパー誕生前夜の空気や変遷を追体験できる。

  1. 18 Carat Affair – 60/40 (EP, 02/2009)➡️
  2. Oneohtrix Point Never – Memory Vague (DVD, 08/2009)➡️
  3. Matrix Metals – Flamingo Breeze (アルバム, 2009 夏)➡️
  4. Games – Spend The Night With… (ミックステープ, 07/2010)➡️
  5. Chuck Person’s Eccojams Vol. 1 (ミックステープ, 08/2010)➡️
  6. Skeleton 骷 – Skeleton (アルバム, 10/2010)➡️
  7. Skeleton 骷 – Holograms (アルバム, 11/2010)➡️
  8. Vektroid – Telnet Erotika (EP, 11/2010)➡️
  9. 18 Carat Affair – Vintage Romance (アルバム, 07/2011)➡️ — これは少し“正式なヴェイパーウェイヴ期”寄りだが、ルーツを語るうえで欠かせない。
  10. James Ferraro – Far Side Virtual (アルバム, 10/2011)➡️ — H-Popやプロト・ヴェイパーウェイヴの文脈で重要。

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おわりにモドキから:
実はこれの原文、かなり平明で明快なひねくっていない英語ですので──それは、著者がドイツの人でおられるせいか──読めば読めるでしょう。またブラウザ(たとえばChrome)の翻訳機能による和訳版を見たとしても、そんなに意味不明にはならないでしょう。
ですけどあえてここに要約の和文を出してみたのは、原文について私が〈ちょっと長くない⁉〉と、感じたからで……。かつブラウザによる和訳にしても、意味は分かるが、読みにくさがなくなさげ。
そこで、ちょっと知りたい/パパッと読みたい、みたいなニッポンの方々の便宜のために……という意図でしたのです。

追って、パート2の和訳&要約をポストしています。そちらは、2011〜12年の初期ヴェイパーについて!こちらからどうぞ()。