エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

資本主義のリミナルなランドスケープ - Bandcampの“また”の売却について

Bandcamp(バンドキャンプ/以下、B・C)──そういう名のついた、インターネット上のひとつのプラットフォーム……。

〈音楽のフェアトレード〉をこころざすとして()、2007年にスタート。そしてインディ系みたいな音楽に関わる私たちの支持を広く受けてきた、そのB・Cが……。
しかし、どうにもフェアな感じがしてこないトレードの、対象となり……。

そして現在また、揺れうごいています()。

もとはといえば2022年3月、企業としてのB・Cがエピック・ゲームズ社によって買収された、ということがありました。
このときにも懸念の声が、私たちのヴェイパーウェイヴのシーンだけでなく、多くのインディ音楽のアーティスト/ファンの口らから、挙げられました。それで何かいやな変化が、あってはたまらないと。

そうして、それに続いたB・Cの変化としては。
いくぶんのポリシーの改定などはありましたが──その中で目だっていたのは、差しさわりのありそうな“カバー・バージョン”のアップロードを禁ずる的なこと──ですが、しかし。

しかし。いまの時点で振りかえればエピック社は、そんなには大したことを、B・Cに対して行いませんでした。
いいことも悪いことも、そんなにはなかった感じです。少なくとも、アーティストらとファンらにとっては。

それからこのたび、2023年9月──。またの変動!
こんどは“Songtradr”とかいう企業が、B・Cを、エピック社から買収しました。

いままでB・Cを約1年半にわたって所有し、そしてこのほど手ばなしたエピック社は、ゲームのほうでは大きな実績と名声のある企業だったかと思います。
しかし、この〈ソングトレイダー〉とやらは、いったい何ものでしょう?

あまりよく分かりませんが、何か、音楽のライセンシングとかにかかわる事業者であるらしくて()。
ああ、いやな感じですね、〈どうせ、クソ著作権ゴロか何かじゃねェの?〉みたいな匂いがプンプンと──。

そして、この10月中旬。さっそくそのゴロツキがやってくれたのが、B・Cの従業員の半分ともなる120人ものレイオフ(解雇)なのです()。
むろん、レイオフをされそうな方々も抵抗をしておられ、その要求らの実現を私は願っておりますが……()。しかし、どうなることでしょう?

……なお。B・Cの事業それ自体はこの10数年にわたり、少なくとも〈堅調〉であり、赤字が計上されたという報道はないと思われます。
とはいえ資本主義ですから、成りたっている企業であったとしても、経費削減や人員の削減などへの圧力が、つねにあるものでしょうけれど……。

それにしたって人員半数のレイオフとは、B・Cを壊そうとしているようにしか思えませんが?

まあ、それにしても、ああ……《資本主義》

それは人間らとその労働たちを、抽象化/物象化するものです。そして抽象化の結果、貨幣と資本の運動だけが残ります。
何がどうであれ、むかしなら帳簿、いまならエクセルの図表みたいなものが、よければいいわけです。

📊 💰 📈

つまりは〈財テク至上主義〉みたいなものに、一定の正しさがあるということです。このシステムの中では。

そのいっぽうで、B・Cのポリシーは……。そうした冷厳で非情な資本主義システムの中に、音楽に関わるところで一定のサンクチュアリ(聖域)をもうけようとするものかと思い、私たちはそれを支持してきた感じですが。

しかしそのB・Cもまた、企業でありかつ売買されるひとつの〈商品〉として。言われた《資本主義》の非情&冷厳なるシステムのうちで、震えているのです。私たちの目の前で、いやな意味での、〈チル/chill/悪寒〉に……。

いや、私にしても、夢のようなごつごうを主張したいわけではなくて。
もしもB・Cが、ひどめの赤字経営だったとでもいうのなら……? であれば、そこに〈いろいろなこと〉が起こるのも、多少やむを得ないかとは思います。

しかし赤字でもないのに《資本》の動きに流されて、そしてへんな風になるということが、まさに《グローバル資本主義》の全面的かつ包括的な大勝利の果てのディストピア的ランドスケープではないでしょうか。

これはすてきなビューポイントですか?

あ、ですが、ここで……。資本主義の絶対零度の冷たさにあやかって、私たちも少し、冷酷で非情にもなってみますと。

──仮にいままでのB・Cの従業員さんらがどうなってしまおうと(!)、だがB・Cに拠るアーティストらとファンらに、悪い影響があるとは限らないのでは? うちらがよければ、〈よい〉のでは?

いやいやいや、そんな〈よい〉という気が、とてもしないのですが……。
そうした、“こちら側”に対してソントレ社が、何かをするとかいう発表はまだ、何もないようですけれど……。
……にしたって。内側に対してフェアでないような企業による〈フェアトレード〉などが、どうして期待できるのでしょうか?

そしてこれからどういうことらが、変わるのか、変わらないのか──いまのところは、ほとんど分かりません。
そして。私みたいな先の視えない人間が、へんな予想らを述べても、また恥をかきそうな気がするので、それは控えますが。

ともあれへんな改悪のないこと、そしてこれまでのB・Cを支えてくれた方々にわざわいのなきことを祈りながら、いまはこれで……!!


The Liminal Landscape of ₵apitalism - Bandcamp $old Again!

[sum-up in ԑngłiꙅh]
A platform on the Internet named Bandcamp…

It was launched in 2007 with the aim of "fair trade in music" () and has been widely supported by those of us involved in indie-type music.
However, it became the target of a trade that seems not fair to us and is now…

And now, it is shaking().

Songtradr, which acquired BC in September of this year, reportedly laid off 120 employees in October, about half of BC's workforce ().
In a world ruled by cold-hearted and ruthless capitalism, where the only thing that matters is the movement of money, it is thought that BC was at least trying to provide a sanctuary in the realm of music… a sanctuary where art can connect people to people.

But is the evil hand of global capitalism about to buy up our sanctuary and reduce us to a mere part of the market?

It is indeed alarming. But we can only watch and pray that things will not get worse and that people have supported BC so far will be spared any misfortune!()