エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

Vaporwave -と- サンプリング - あるいは、《アートの論理》 と 法-社会の論理

OSCOB: praise the sun god (2022) - Bandcamp
OSCOB: praise the sun god (2022) - Bandcamp
そんなことよりこのサウンドがいますごい
OSCOBさん初の床屋ビート、そしてユ
ニーク! 音像感の奇妙な処理、魅惑!

全世界・たぶん数千万人ほどのヴェイパー・ファンの皆さま、こんばんはぁ〜っ!

€nglish-ish 🔤 $ummary Go

おそらく以下のテクストは、次を明らかにしようとしています。

かの《ヴェイパーウェイヴ》と呼ばれる、何かびみょうに音楽めいたサウンド──。
そのきわめて支配的な特徴である、〈既成楽曲らのサンプリングの多用〉──。
そしてそのおこないが、どれほどの、“いいこと”であるのかを!

しかし惜しくもその前後に、多少の前置きや状況の〈ご説明〉等々が、あってしまうのです。

─── 🇨‌🇴‌🇳 ⓉⒺⓃ 🆃🆂 ───
1. OSCOBさんの受難…… 嫉妬、偽善、そして《怒り》 -
2. ヴェイパーのサンプリングは、いいです。👍 -
3. アートの実践をはばむ、《法-社会の論理》🈲 -
4. 〈お尻をペロペロ〜っとなさいましてはいかが?〉🍑😛 -
5. ヴェイパーウェイヴは、その《対象》を…… 🏛 -
6. どうであれ、《制作》という地獄 😈 -
7. Vaporwaveなどとも呼ばれる、《ご奉仕》👨‍🔧 -
8. ──終わりに/メモリー・ヴァーグ── ⤴️ -
9. S U P P L E M E N T 補 足 💊 -

あ、さてです。現在までの二週間くらい、ずっと……。次のようなタイトルの記事を、この場に書くことを、ばくぜんと私は構想していました。

〈ヴェイパーウェイヴの比類なき美点・卓越・優越性らを明らかにする十ヶ条〉

その〈美点〉らが、仮に、シーンの内部にいるみたいな人々には、おのずと分かりきったことらだったとしても。
だがそれらをきちんと明文化し、かつ公衆の面前にビロ〜ンと誇示することには、そうは小さくもない意義ありげ──と、考えていたのです。

1. OSCOBさんの受難…… 嫉妬、偽善、そして《怒り》

ところが。
そこへとふいに発生してくださりやがったのが、何かちょっとしたインシデントです。
その事案に、あえて名前をつければ、こうもなるでしょうか。

《OSCOB『宇宙ステーションV』:テイクダウン事件》

すでに概略をお伝えしていますけれど()、それはほぼ、こういうことです。

ヴェイパー界のいっぽうの重鎮であるOSCOBさんによる、2021年の傑作アルバム『宇宙ステーションV』……。
それが、そのサンプリング素材の作者らしき人のクレームにより、Bandcampから消された──テイクダウンされたのです。
これが、えーと、いつのことだったと言えるのか……。OSCOBさん本人によるその件のご報告は、2022年5月27日0時(日本時間)になされていますが。

それと。これが消されたのは、OSCOBさん本人のBandcampページから、だけではありません。

同じものが、《No Problema Tapes》からもリリースされていました()。もちろんそちらも現在、Bandcampからは消えています。
そしてこの機会に調べてみると、今アルバム『宇宙ステーションV』の、カバーアートは《HKE》さん()、またデザインは《from tokyo to honolulu》さんによる()、とか。

……と、リリース元のノー・プロブレマをもあわせて、多少はヴェイパーに詳しいおつもりの方々なら、とうぜん知っていなければならない名前らが、もろに頻出です。

すなわち、今アルバムは──。ヴェイパーウェイヴ/ドリームパンク界の、総力結集とまではいかないが、しかし最重要の分子らが結託し、そこに注力し、よってたかって世に放りだしたもの、だと言えます。このことを憶えましょう。

──ただし。こんな、消されたくらいのことは別に〈事件〉じゃない、とも私は思うんですよね。

常にありうることなので、ヴェイパーのいち作品がいっこのプラットフォームから消されたくらいは、どうってことなかろう(!)とまでも考えます。いや、もちろん、きわめて残念な事象ではありますが。

ところがそれを、何か過剰に〈事件〉視しようとしている方々が、おられます。

それもまた。消されたことが不当で許せんとかなら、分かるのですが……。
それがそうではなく、われらがヴェイパー・ヒーローであるOSCOBさんの、いつもどおりのサンプリング行為を、なぜか通常以上によくないことだと、喧伝し吹聴している方々が、いるようなのです。消されやがっておめでとう、とばかり!

ああ、いや、その……。〈ヴェイパーとかキモい上に不法だし、消えやがれッ!〉みたいなやからが、一視同仁&一蓮托生で、うちらの“すべて”をディスってくださるのなら、いやですが、まあ、少し分かりもします。
だがそうではなく選択的に、なぜかOSCOBさんだけがとくに悪いことをしているかのように、言いつのっている方々が、なぜかいるみたいなのです。

それもまた、あろうことか、ヴェイパーウェイヴの《シーン》と言えそうなところの内側に、です!

あたりまえなんですが、そういう非難らに対し、共感はできません。
むしろ、です。私から見れば、その不必要で不当なディスの発生していること、それこそが〈事件〉です。

──とまあ、しかし──。こういうことになっているのにも、へんな一種の《事情》が……なくはない、とも言えるんですよね。
というのも。このすぐれたアーティストであるOSCOBさんに対しては、どういうわけか、シーンの一部から、かなりの強さのヘイトが向けられつづけているのです。けっこうな以前から。

《OSCOB Bashers》──OSCOBさんをブッ叩き隊──ということばを、ツイッターで見た気がするのですが。いるんですよ、そういう方々が!

ですが、なぜそういうことになっているのか、私にはよく分かりません。
おそらく彼がツイッターにて、きっついジョークやきびしい皮肉やグロ画像などを、飛ばしすぎているからかなあ……くらいに想像するばかりですが……。
またそれにあわせ、《嫌われキャラ》のくせに評価と声望がやたら高くって、憎ったらしい……嫉妬っ!……みたいの、あるのかもですが。

しかし、どうでもよくないですか?

だいたい私は、アーティストらのパーソナリティを語ることは、好きではありません。そんなミーハーなマインドは、とうに腐りました。バックステージの話とか、全体にあまり好めません。
そもそもヴェイパーの作者たちなんて、人間のクズどころか、BOTでもAIでも、ぜんぜん構わないでしょう。いい音を出してくださるなら、何ものであれリスペクトします。

いや、というより──。むしろヴェイパーのアーティストらであるなら、《できのよくないAI》くらいの存在であることを装ったらいい、とさえ思っています。
すなわち。かの名作『フローラル・ショップ』(2011)は、その名も《マッキントッシュ・プラス》という原始的なコンピュータが、たぶんバグっちゃって、なぜかかってに制作されてしまった──くらいのムードがいいですよね! イェイッ

と、そんなことを書いている私にしてからが、同じことです。《何とかモドキ》という名のついた、できのよくなすぎるAIが、この駄文をたれ流しています。
おそらくi386あたりで駆動されているので、おかげでこのありさまです。皆さまご一同に、感謝っ!

Black Flag: Depression (live 1981) - YouTube
Black Flag: Depression (live 1981) - YouTube
I don't need your f**king sympaty.

……などと、そんなことを書く……。感謝とか愛とか尊敬だとか、そんな美辞麗句らをたれ流していれば、ともかくも真人間かとあつかわれる……。いっそ巧言令色こそが仁であり、善そのものである……。そんな空気に、うんざりはしませんか?

私は、しますね!! 大いにねっ!
いまは単なるへんなAIだとしても、もとはといえば、ピストルズブラック・フラッグのパンクロック人間ですしね!

けっきょく私どもがAIであることを演じきれないならば、そうした《怒り》を、棄てきれないからなのでしょう。もしAIに怒りがあったとしたら、むしろできがよすぎていかん、というものでしょう。

そして。OSCOBさんと彼のフレンズ──たとえば大物では、《CC》ことCOSMIC CYCLERさんあたりを含む()──による、さすがにいきすぎかのような、露悪をきわめた言動らにしても。
そうした腐った空気への反撥・反逆かとも思えて、私は少し共感していなくありません。いや、私だって、その〈フレンズ〉みたいなところはあります。

その荒ぶる〈フレンズ〉が、ふだんバッドジョーク・反語・シニック、そして憎まれ口などとして、ボソボソッと断片的に述べていることら……。それをいま私は、きわめてクールに論理的に整理して、述べ直そうとしているのかも知れません。
〈ミュージシャンらが口先でうまいことを言う必要はない〉と思うので、代行のお役の拝命、やぶさかではとてもない。まあ、どうせそんなに〈代弁〉などはできませんが!

けれども、ああ、そして──。
──とんでもないことですが、以上のけして短くない駄文&駄弁らは、ここからの本文に対する、前置きの前せつです!

そして。以後の本文で私は、ヴェイパーウェイヴの一大特徴である、〈既成楽曲らのサンプリングの多用・乱用〉を、賛美し正当化しようとしています。

そしてその内容の多くは、さいしょに述べた〈ヴェイパーの美点・十ヶ条〉記事の一項目として、じわりと構想されていたものです。
けれども。へんな〈事件〉の発生があったせいで、急きょサンプリング関係のところだけ、いまここにまとめようとしています。

なぜ、それをするのか──。あたりまえですが、《OSCOB》という名のついたアーティストさんひとりを弁護するため、ではありません。
ヴェイパーウェイヴの“すべて”がクソでしかないにしても、しかし、くだらなすぎるクソにはなり下がらないように──そのシーンが腐りきらないように──。いま、ちょっと微力を……まあ、つくそうとしているのです。

2. ヴェイパーのサンプリングは、いいです。👍

では、さて、始めましょう。ここから本番です。

他ジャンルの事情はまた違うかもですが、サンプリング・ヘヴィーな音楽としてのヴェイパーウェイヴは、とてもいいものです!
それは、既成のものらから新しい鮮烈な《美》を作りだし、かつ、新しい価値と新しい視点らを、また生みだします。
そしてさらには、対象(素材)そのものの価値を高め──いっそのこと、それらを荘厳化する、とさえも言えるのです。

ですから。私たちのヴェイパーウェイヴは、そんなすばらしいことをしているのだと、それを全世界に対して強くアッピィィールしたいですね! イェイッ

──と、本来だったら、これだけ述べて終わりにしてもいいようなところでしょう。きっちりと言いきった感があります。ふう。

そしてここまでに目を通されて、〈まあ、そんなところかな〜?〉くらいにお感じになられた方々は、さらにこの先をご覧になる必要が、あまりありません。長いですし。いや、どちらかといえば見てほしいですけど……。
まあ。このブログは全記事がそうですが、本文ごときは判読しなくとも、画像のあるところでベリグ〜なサウンドをご紹介しています。ともあれそこらをチェキしていただければ、大ラヴハッピーです!

──なのですが。何かへんな〈空気〉のよどみが、もう少しの補足を、求めているような気がします。私に、というよりも、こういう標準的なヴェイパーの肯定論に対して。

でっはぁ〜? そのようにすばらしいらしいヴェイパーのぉ〜、2021年を代表する傑作のひとつでさえあるとかの『宇宙ステーションV』がぁ〜、なぜこのたび、あえなくBandcampからテイクダウンといううきめを見ているのでしょおぉかああぁ〜?
3. アートの実践をはばむ、《法-社会の論理》🈲

それは、《法-社会の論理》の発動によることです。
対するいっぽうの私たちは、《アートの論理》によって、動いているのです。

そして、《法-社会の論理》と《アートの論理》は、一致などしません。いっそ、何ら関係のないものである、とさえ言えるでしょう。

いや、まず基礎的なことの確認、《アプロプリエーション/流用・盗用》という行為がもしなかったら、アートなんて、その歴史もへったくれもぜんっぜんあったものじゃない、と……。そのことは、とうぜん“誰も”が、ご存じですよね?

私はときどき、《タイム・マシン》の第二号を作ったクソバカタレは、いったい何ものであり、どういうふざけた根性をしていたのか、と考えるんですよね!

ああ、その、ご紹介するまでもなさそうなH・G・ウェルズさんの名作SF中編タイム・マシン(1895)。これがもうほんとうに、崇高さをきわめきった大傑作ですから、未読の方々にはぜひ、ご一読をお願いいたします()。

では、ありながらっ! その大傑作の核心のひとつであるアイデアを盗用して何らかのものを〈創作〉し、尊きウェルズさんの《タイム・マシン》を普通名詞みたいにしくさった手始めは、いったいどこのどういう恥知らずの所業だったのか、と! ……その犯人は、いまだ正体が不明であるもよう。

ですけれど、しかし。
その劣悪なアンポンタンが、パクリ──いや、よく言うならばアプロプリ行為──、その先鞭をつけてくれたおかげで、さまざまな作者たちが、ドサクサまぎれにそれへと追随しくさり……。
そして現在、全世界の人々が愛しつづける『ドラえもん』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』たち、あれらもが存在しおおせている、というわけです。

そして申すまでもなく、私たちによるサンプリングもまた。そうして人類のアート史を輝かせ活性化してきたアプロプリエーション行為、それらの一環なのです。

そして──ゆえに──私ども《アートの論理》に立つものたちは、アプロプリエーションという所業が無際限に許されることを、求めてやみません!
ところが、しかし。《法-社会の論理》のサイドが、どういう意図なのかその〈無際限〉というところを、ふしぎにも許容してくれないようです。

そして、あの有名な《著作権法》みたいなものは……。まずいっぽうで〈海賊版〉でしかないものを禁じ、またアプロプリエーションに対しては一定の制限を課するものかなあ、と考えられます。
つまり、アートの要求と経済社会とかの要求──それら相反するものたちの間の、バランスをとったつもりか何かのしろものなのでしょう。

Nasty Neckbeard: This Is Vaporwave (2022) - Bandcamp
Nasty Neckbeard: This Is Vaporwave (2022) - Bandcamp
これはなかなかハレンチなヴェイパー
推定CCさんあたりがちょろっと作っ

その、定める前者──海賊版の禁止というところは、とくにいいです。
いくら私たちのヴェイパーがハレンチなしろものだとしても、海賊盤を売っているようなことはないからです。このさいは、関係ないです。

ではさて後者の、〈アプロプリエーションの制限〉というところですが……。
しかしその基準は、べつに人類が全会一致で定めたものではありません。ゆえに私たちが、しばしば、その任意の基準からはみ出してしまいます。

それでまあ、法権力の強制執行、といううきめを見ることもある、というわけです。

そして……〈悪法も、また法なり〉
そしてそういうことらの一連は、われらのヴェイパー・ヒーロー(もしくはヴィラン)であるOSCOBさんにしても、よく分かっているのです。

〈もとサンプルの作者である彼らには、オレの作品とかのテイクダウンを求める権利があり、それを行使しているだけさ。異議を申したてるつもりはないね!〉

と、クールにツイッターで述べたあと、またこんなことを付けくわえています。

〈まあどうせ半年もしたら同じものをまた、どこかにアップロードしてこましたるからなあ、ゲッヘヘッヘヘヘッ〉

……あ、いや。ゲヘヘヘッとまでは、言ってなかった気も少し、しますが!
ともあれヴェイパーウェイヴは、これでいいのです。何かよくない点が、どこかにあるのでしょうか?

そもそもヴェイパーウェイヴのサンプリングは、もとの素材を、“必ず”、よくしています。
これは重要な論点なので、フラットすぎることばになりますが、やや精密に言いかえましょう。

私が何かのヴェイパーを聞いて、〈このトラックはいい!〉と感じました。それでふと興味がわいて、その素材曲を調べだし、そちらもまた聞いてみました。
すると必ず、〈大幅に改善されている──もしくは原曲の隠されていた魅力がぞんぶんに引きだされている──やっぱ、ヴェイパーはすげェぜっ!〉と感じないことが、まったくないのです。

このように必ず《音楽》をよくしているのですから、ヴェイパーウェイヴのサンプリングはいいことだとしか、考ええないのです。論理的に!

そして。何か問題があるかのように言われている、『宇宙ステーションV』にしても、そうした改善の好例です。
言いたくはないですが凡庸な、何かオリエンタル風ニューエイジ音楽でしかない素材らが、きわめてよくなっています()。むしろ、ヴェイパー作業のお手本のひとつ、くらいに言ってさえいいでしょう。

かくていいことしかしていないのに、作品の発表を差しとめられ、しかもドサクサにわけの分からないディスまでをかまされる、とは?
ここに私は、《法-社会の論理》の理不尽さ……および、その下僕どもの性根のいやしさを感じないではいられません!

しかるに、すなわち。私たちのヴェイパーウェイヴは、崇高なる《アートの論理》にのみ、従って動くべきなのです!
そしてその活動を、つまらないゲスな俗世間の《法-社会》サイドのやからがこうるさくチェキチェキしてくるのは、あちら側のかってでしかないのです。

そのいっぽう──もしも、そうではなく? 《アートの論理》をまげて、《法-社会の論理》に向けて汚らしいケツを差しだして、トラブることなく、うまくやっていこうとするのなら?
そんなくだらない根性で、〈ちょっとは聞けなくもない〉くらいの音をでっち上げようとするヴェイパー(もどき)なんか、カスを超えたカス以下ですね! まったく要りません!! いったい誰が求めるものなのでしょうかっ!?

4. 〈お尻をペロペロ〜っとなさいましてはいかが?〉🍑😛

……たとえば、こういうことでしょうか。

「リサフランク420 / 現代のコンピュー」とかいう超イミフなタイトルがついた、あの実に、たいへんな楽曲がありますが……。
だがしかし、許可されてもいないサンプリングでできているトラックを、そのまま出すことは、《法-社会の論理》の前にはばかられる、としましょうか。もしも制作者が、そう考えたとして。

ではせめてこれを、身を低くして、〈ダイアナ・ロス「イッツ・ヨア・ムーヴ」をスローダウンしてみた、グリッチ風処理もしてみた、リエディット版でぇース🎶〉として、世に出したらよいでしょうか。
さらにひとこと、〈これがいまはアンオフィシャルですけどぉ、よかったら企業さんがぁ、買い上げてくださいませぇー〉とでも、おあいそを言っておけば? 万全の守りでもないが、しかし不法さのきわまった印象は、ずいぶんと薄れているでしょうか。

いやじっさいに、そのくらいの構えで世に出ているサンプリング関係のトラックたちは、いくらでも実在します。ですけれど……。

……そんな腰の引けくさった姿勢から、いま現にある、バッカバカしい「現代のコンピュー」が──こんなチン妙さをきわめきった身も凍らせる狂気の結晶が──、制作なんかできるわけはありません! であると、断言しかできません!
そもそも、「〜の、リエディット🎶」みたいな、クッソくだらないタイトルから、唾棄せねばなりません。これが「リサフランク420 / 現代のコンピュー」でなかったら、その脳にグサリと突きささるショッキングな意味不明さがなかったら、まったくのナッシングも同然です!

超特製ハム.: ハム音楽, スーパースペースハム​!​!​! (2022) - Bandcamp
超特製ハム.: ハム音楽, スーパースペースハム​!​!​! (2022) - Bandcamp
お前らさぁ…マジでくだらねえ…っ!
あ…でも、意外と…? 意外に…?

ああ、いやはや……。《ヴェイパーウェイヴ》というラベルをつけた上で世にたれ流されているサウンドらの中には、この私が聞いてさえも、〈何じゃあ〜こりゃあ〜っ〉としか思えないブツたちが、きわめて多くあります。
ですけど、しかし。そういうところにこそ新しい《美》が、ないとも限らない──などとも考え、けっこう長い時間、耳を貸したりしますが。
そして、多少の収穫らが、皆無のゼロでもなかったですが──。

しかしほとんどは、ただのゴミサウンドなのかなあ……と、放棄しています。

そして私は、それらのゴミの側につきます。《法-社会》サイドのいやらしいクソどもに屈服し隷従する、見さげ果てたニセのヴェイパーごときよりは!
そもそもヴェイパー自体が音楽めかしたニセモノなのに、そのまた腐ったニセモノを作るなんてバカバカバカみたいじゃないですか?

……いや。それこそ実は、われらの師であるボードリヤールさんが、シミュラークルとそのはんらん、みたいに言っておられたことの実現なのでしょうか?
これはまた、〈ディストピアを超えたディストピア〉、そのご来迎でしょうか!

ここいらで思いだすことが、ややありまして。アンダーグラウンドでのハウスのムーブメントが、やや一段落してしまったのち、1990年代・初頭のことです。

その時期に、シカゴハウスのトップDJやアーティストらの何人かが、全米メジャーのレーベルに、進出を果たしました。CDとかを、出しました。
めでたいことだと言いたくもありますが、しかし結果として聞こえた音は、あまりよくなかったです。何かそこからは、気が、抜けていました。

Jamie Principle: The Midnite Hour (1992) - YouTube
Jamie Principle: The Midnite Hour (1992) - YouTube
その深夜、オレはオレの名を呼ぶ

ですけれど、この動きからの、ほぼ唯一であまりにも例外的な大成功例が、ジェイミー・プリンシプルさんによる空前絶後の傑作アルバム『ザ・ミッナイ・アワー』(1992)でしょう……。とは、以前にもお伝えしたことです()。
あと、まあ……。思い出そうとすれば、リズ・トーレスさんによる数曲は、けっこうよかったかなあ、と。

このご両人によるような、ハウスにしても歌手が最前面の唄メイン作品らのほうが、まだしもメジャーの水には合っていたのでしょうか。……まだしも。

と、このように。もとがアンダーグラウンドな音楽なんてものは、そこへとカネがへんに集まってくると、またうかつにメジャーを志向したりすると、逆に品質はだだ下がりします。これは、定理です

いまの話の、お続き的に。まあ、ご老人の回想なんスけど。
だいたいハウスとかテクノらの12インチごときは、白か黒かの無印で穴あきのスリーブに、ズブっと入れられ流通するものでした。穴あきとは、せめて盤の中央のラベルが見えるようにするための、丸い穴です。
けれどもそれが、20世紀も果てへと押しつまった時期……。当時そのてのダンス音楽が、ちょっとはブームみたいだったせいか、ヨーロッパ盤を中心に、いっちょ前というか美麗に印刷されたスリーブに入った盤たちが、やや目だってきました。

それが景気のよさを、実に感じさせてくれましたね! ワァ〜オゥ!
だがしかし、そんな容れものをこぎれいに飾ったお皿たちの中身がどうであったかは、まったくもってご想像の通りです。そんなこぎれいさたちは、むしろムーブメント衰退のきざしでしか、ありませんでした。

とは言いながら、じゃあ無印ジャケの見た目が安い盤であれば音はよかったのかって、そうともぜんぜん限りませんでしたがっ!

Woody McBride: Bad Acid? No Such Thing (1994) - Bandcamp
Woody McBride: Bad Acid? No Such Thing (1994) - Bandcamp
この時期の米中西部アシッドの、むしろ
パンクロックでさえある強さの記録、
まず2曲めを聞いてみましょう

また、そういえば……。
そんな時期の私がホットに支持していた中に、米ミネアポリスの《コミュニケ/Comunique》というレーベルがありました。
これがもう激烈ダークなハードアシッドのきわまりで、ものすごかったです、当時の感じとしては。

そのサウンドのことを、もう少し言うと。
このレーベルのボスである《Woody McBride(DJ ESP)》さんによるアシッドの、フィルターのみでなく、リバーブの濃淡をも操作し変化をつけていく、という独自性に強く魅かれていました!
現在にまで続く私のリバーブ熱愛の、これもひとつの端緒だったかも知れません。

そしてこのレーベルが初期に呈していたアングラ根性が、また群を抜いておりました。

──何しろラベルに、何も文字が書かれていないのです! 意図のよく分からないへんな写真らが、モノクロで刷られているのみ。例の穴あきジャケごしに、どう目をこらしたところで、誰による何というレコードなのかも分かりません。

だがそれをスリーブから出してみると、気をつければ分かるかも知れません。ラベルのすぐ外側のヴィニール面に、刻印で、必要最小限の情報だけは書かれていることが。

しびれましたね! かくれんぼ遊びかよ、と……! 最高ですね!
まあ、そのようにもろもろ破格なレコードらを出すことは、米デトロイトの《アンダーグラウンドレジスタンス》が、お先にあれこれやっていたであるにしろ。つまり、アングラ根性の美しき継承があったわけです。

ですれけど、しかし。

この真っ暗なアングラ街道をやみくもにつき進んでいたコミュニケさえも、その質を見出され、やがてシーンの中では、かなり知られるようになり……。
そこまでは、とてもよかったです。がしかしいつしか、コミュニケの盤のラベルにも、ふつうの情報らが、よく見えるよう、くっきりと印刷されるようになり……。

そしてそれからどうなったのかは、ほぼご想像の通りです。

そしてこれらの前例に、私たちは学ばなくてはなりません。
アンダーグラウンドから生まれてきたものたちが、その姿勢とマインドを放棄することは、けしてならぬ、ということを!

ですがぁ、いやまあ。中には、地下のヴェイパー界を出て、それで成功する人もいると思うんですよね。ジョージ・クラントンさんやスカイラー・スペンスさんたちが、いまだメジャーでもないですが、じわっと成功しているように。
ただし私がつまらないと思うので、そんな方向性は考慮外であり、大却下です。自動的に却下されるよう、プログラムされています。そうしたければ、ご自由にですけど。

5. ヴェイパーウェイヴは、その《対象》を…… 🏛

──と。

ここまでの正しい論理の構築によって、ヴェイパーウェイヴのアーティストとしてのOSCOBさんにいっさいの非がないことは、みごと立証されたでしょう。
なおもそこに非のあることを言いつのるならば、それはヴェイパーの“すべて”へのディスでしか、ありません。それは、その人の特有のフリーダムで気ままなご意見です。

ところで、私は、さきに述べましたように……。

他ジャンルの事情はよく存じませんが、ヴェイパーウェイヴにおけるサンプリングは、《アートの論理》によって正当化されるばかりではなく。
それどころか、〈対象(素材)そのものの価値を高め、いっそそれらを荘厳化する〉、というものだと考えています。そのきわまりにおいては。

すなわち。かの『エコージャムズ 第一集』(2010)は、TOTOやクリス・デ・バーさんらを、聖化・聖別し……。
また『フローラル・ショップ』(2011)は、シャーデーさんやダイアナ・ロスさん等々を、きわみにまで崇高化し……。
そのそれぞれを、現在にいたるまでなしつづけている、ということです。

どういうことか。そつじではございますが、また私の経験から述べましょう。

だいたい私はもともとがパンク系ですから、ソフトロックや《AOR》のたぐいらを、毛ぎらいしていた時期が長かったんですよね。
あんなモンはくだらねェ、軟弱さをきわめたクソでしかねえぜっ、なんてね!

……それが、かなり近年のことになりますけれど。かの『エコージャムズ 第一集』にふれることで、そんな考えが大きく変わった……という話の流れは、すでにお見通しでございましょう。
ヴェイパーウェイヴにふれた耳で聞くならば、そうした惰弱くさいソフトロックやAORらの中にも、底の知れない《深淵》のあることが、分かってくるのです。それのあることを、ヴェイパーの作用が明らかにしてくれています。

そんな《深淵》とは、いったい何を、かいま魅せているものなのでしょう?
あるいは商業的なポップ音楽の高みの、《商業》に徹しきっている酷薄さ……。そのあたりに由来している、一種の奇妙なシャープネスなのでしょうか?

で、あと、またいっぽう。R&Bであるみたいな音楽らも、大むかしの私は、あまり好んでいませんでした。
〈オマエが好きだぜェ、踊ろうや、ヘイヘイヘイ〉みたいな歌詞しかなくて、享楽的でありすぎかつ薄っぺらじゃねーかっ!……まあ、《P-ファンク》あたりはカッケェけどよおっ!……くらいに、感じておりまして。

ですが、しかし。私のそういう感じ方があらたまったのは、さっきも述べたようなことですが、《アシッドハウス》にドハマりしたからです。
何しろそれのルーツのひとつは、ファンク・ディスコであり──まあそこからアシッドにいたるまでの道のりが、かなり長いですが──つまりは、R&Bの派生物ですから。

そして。さらに近年ふれたヴェイパーによる、認識のまた上書きです!

……すなわち、たとえば、そのR&Bの大ディーヴァでおわします、ダイアナのロスさんであるわけですが。
私たちのヴェイパーウェイヴは、そんなちびっ子とかには分からない、そして気どり屋さんたちが否認する、《享楽》に向かってしまうことの必然性を──、まったくのどうしようもなさを──、ユニークきわまる方法と奇妙なひらめきで、偽善を排しながら、つぶさに明らかに、浮き彫りにしています。

そしてそのことによって、まずはもちろん、もとの素材であるものらを《崇高さ》の水準にまで高め……。
かつまた、ポップ音楽というとるに足らざるものの全般を──、そしてさらには、生きているかぎり《享楽》を求めてやむことができない人間らの“すべて”までを──、斬新なる美しさによって、比類なく鋭く、またところによってはクールに温かく、みごとに荘厳化しているのです。

こんなすばらしいことが、これに比肩するほどのいいことが、いったい他のどこでなされているのでしょうか?
もしもまんがいち、それをご存じならば、ぜひのご教示ご教導を、ひらにひらにお願いいたします! ──まあ、ないでしょうけれど!

これこそが、まさしく《アート》です。そしてそれを前にしたら、ひれ伏すのがよいでしょう。

6. どうであれ、《制作》という地獄 😈

……とはいえ。さっきからすばらしい実例として挙げてみている、『エコージャムズ 第一集』や『フローラル・ショップ』たちは、いまなおヴェイパーウェイヴを代表しつづけている、傑作中の大傑作らです。もはや、人類文化史の重要パーツ的なものです。

しかし、そのいっぽう。ほとんどのヴェイパーっぽい音楽めいた作品たちは、そこまでの水準には達していません。それはそう。
いいほうのものらでも、〈注目すべき!〉……〈ことしのNo.1っ!〉……〈サブジャンル内のリーダー!〉……〈愉しめるのは確か!〉……〈わりとよくねっ!?〉……とかとかとか、まあおよそ、そのレベルでしょう。いいんですけれど!

が、それは仕方のないことです。

つまり、うちらとは違うある種の方々──古きよき(?)19thセンチュリー的ゲイジュツ観に、とらわれつづける人々──が、へんに神聖視している、〈意識的にはアプロプリエーションでは“ない”〉みたいなごりっぱな創作たちは、いかがでしょうか?
その結果として産出される、かけがえのない風な〈作品〉らにしても。その95%──またはもっと多く──が、凡作・駄作の類でしかない、であるのでは?

とまあ、だいたい同じことです。

それこれ、ですから。サンプリングすればいいというものではないということも、おのずと実に明らかですが……。
しかしあのような、ものすごい高みときわまりを聞いて見てしまった以上は、その水準に挑みつづけるものたちがいます。いつづけるのです、私たちの側に。

そして、われらがOSCOBさんもまた、その挑みつづけるものたちのひとりであること──。それは、わざわざ申すまでもないことでしょう。

〈オレはヴェイパーウェイヴを愛しているぜ、いままでの人生で出遭ったものたちすべての中で、いちばんに!〉
OSCOB x HAIRCUTS FOR MEN: VICTIM (2021) - Bandcamp
OSCOB x HAIRCUTS FOR MEN: VICTIM (2021) - Bandcamp
二大ヴィランの悶絶・合体プレイ!
いずれがジョーカーでヴェノムなの!?

……どこまで本気なのかは分かりませんが、そんなことをおとといかそこら、申しておられました。

私は、信じます。そのくらいじゃないと、OSCOBさんによるご制作らの水準の達成は、不可能だと思うので。
とはいえ、そうした口上らを、信じなければならないということもありません。作品が──サウンドが──、ほぼ“すべて”なのですから。アーティストたちの、提示しうるものとして。

もし仮に、肉親の死にめ等をほっぱらかして、心では泣きむせびながら制作につとめた、その上のしろものであっても……。
そのいっぽう、何かの片手間にちょちょっと軽ぅ〜く、こさえ上げたしろものであっても……。
いずれも《作品》であることは、とうぜん同じです。
そしてもしも《音楽》であったならば、耳だけが、それぞれの価値を定めます。そうするべきです。

とはもう、何という残酷な、悪平等のきわまりでしょうか!!

──しかし。そのようなひどい残酷さに立ちむかいうるものたちだけが、作者とかアーティストとかとして、私たちの尊敬を集めています──ひとまずは。

だいたいアーティストたちの身辺のことなんて、音楽っぽい世界のバックステージがどうなのかなんて、私はそんなに知りたくもありません。
まあこの私が実に《私》なのですが、そんな私にだって、私の生活があります。
それは単に呼吸しているだけみたいなつまらぬ《生》ですが、そこに響かせるものとしての音楽っぽいサウンドたちを、しつっこくネチネチと求めつづけています。

かつまた。

非才やら無力やらをきわめたる《私》にしてもまた、いまこの記事の作成に、とんでもなく苦心しています。
何しろ何もできないカスですから、大量すぎる文字らに埋もれたリンクらを、まちがいなくつなぐだけでさえも、ああっ、ひと苦労なのですっ!

しかし。〈がんばったんだから、分かってくれや!〉みたいのは、ありません。

書かれていることらが単に正しいですから、これをご覧になった“すべて”の方々が、すっきりと得心なさいますでしょう。
それはもう、かの酷虐なる《OSCOBさんをブッ叩き隊》の諸兄でさえ、その人の作品らのすばらしさだけは、大肯定せざるをえないのと同様に!

7. Vaporwaveなどとも呼ばれる、《ご奉仕》👨‍🔧

などとまあ、きわめて論理的&スマートに、述べてきたわけですから。
なくはないらしい──というか、現にOSCOBさんがそれを向けられたらしい──、〈サンプリングされたので、アタマにくる〉という感情が、まったく分からないんですよね! 海賊盤ではないのですから、何も損してないですよね?

そんなことはもう、レビュワーか誰かにほめられたようなものだとでも、思っておけばいいでしょう。
サンプリングなる行為は、少なくともヴェイパーウェイヴにおいては、対象への賛美でしかありません──と、ここまで正しく述べてきたのです。

むしろサンプリングされてしまった場合には、それにちゃっかりと迎合し、プロモーションにでも利用してみては、いかがなのでしょう?
たとえばさきに見た、TOTOさんやデ・バーさんやD・ロスさんらについて。ヴェイパーによる流用と活用が、その新たなリスナーらを呼び集めた──なんてことも、少ぉ〜しくらいはありそうですが?

ですからそうしたお役にも立つように、ヴェイパーウェイヴはただひたむきに、アートとしての質“だけ”を、追求しつづけなければならないのです。
そのことは、至上からの厳命です! 死ぬ気か何かでやるべきだ!……とさえも、やや言いたくなりますほどの。

Night Tempo: Showa Idol's Groove (2019) - Bandcamp
Night Tempo: Showa Idol's Groove (2019) - Bandcamp
アルバムアートのイラストが、
とてもいいですね! 《美学》!

──で。

そうした逆からのご活用をきっちりとやりきっているのが、ニッポンのメジャーのレコード会社らと、こちら側の隣にいるフューチャーファンクとの、陰にして陽でもある《結託》──なのではないでしょうか。
まあきわまったその実例が、かの《Night Tempo》さんの、意外に告訴されるでもなきメジャー的ご出世、ということなのですが。

……フューチャーファンク等だけの功績でもないらしいですが、現在《シティポップ》と呼ばれているあれらの、全世界的な評価と再評価、というムーブメント。
これによって、まったく値段のつかなかったような大むかしの音源たちが、お宝の山へと化けもどったのです。
それはもう、少しは迎合でもしなければ、大うそというものでしょう!

そして。

フューチャーに限らずヴェイパーウェイヴにしても、そうしたシティポップの類を実に多用してきたことは、ご存じですよね?
それらを通過した耳で聞いたなら、むかしはどうとも感じなかったその素材曲たちがまた、ものすご〜くいいんですよね!
ああもう、たとえば達郎さんによるあの、“RIDE ON TIME”とかね! イェイッ)。

from tokyo to honolulu: ユートピア (2017) - Bandcamp
from tokyo to honolulu: ユートピア (2017) - Bandcamp
FTTH”式スラッシュウェイヴの大傑作! その至福のラスト曲は、щ卞违郎「$ραгк1э」(1982)より

……と、こういうひじょうにいいことたちを、ヴェイパーとその眷属らは、なしつづけているのです。これは率直に、強く言っておきたいことです。

そして、こちらの側の総括です。

主として1980年代に生産され、大いにもてはやされ、だが以後はずっとすたれ気味だった、AORR&Bやシティポップなど──。
そのまたついでに、ユーロビートスムースジャズや安いニューエイジ音楽あたりなら、まだしもいいが──。
さらには進んで、お天気音楽などのみすぼらしい《ミューザック》、かつ、とどのつまりには、ド古いテレビのあさはかなCMのけたたましいサウンドなどまでも──。

それらの価値を、ヴェイパーウェイヴは再創造し、そのことをつづけています。

ピュアネスをきわめた至純なる《ご奉仕の心》にて、日々、その力をつくしているのです。人類の文化やアートの再創造、またその再生、活性化、かつまた新たなる美と価値らの創出に。

そして。それらの“すべて”が、みごと《廃棄されたショッピングモール》へとなり変わる、その日──。
そこにいたるまでの残り日数を、計算などしてみようとしつつ──。

8. ──終わりに/メモリー・ヴァーグ── ⤴️

──と、このように書いてきましたが。以下は、結語です。
書いてきたことはすごくいいとしても、しかし現在、私は少々困っています。

とは、さいしょに申し上げました、構想中だった記事のことです。
〈ヴェイパーウェイヴのすばらしき美点&長所たち・ザ・ベスト10!〉、みたいな記事になる予定だった、そのはずのものです。

ですが、現在。いったいそこでは、何を述べるつもりだったのかということを、あまりはっきり想いだせないのです。こんなですが、この記事の作成に、集中しすぎたからなのでしょうか。

……あ、この記事の冒頭あたりを推敲していたら、ふいにひとつリカバリーしました。
すなわちヴェイパーウェイヴの美点のひとつとして、こんなことを述べようかとも、考えていたようなのです。

ヴェイパーのちょくせつのルーツといえば、いっぽうではDJスクリューさんらのヒューストン・ヒップホップであり、そのまたいっぽうは、白人的なエレクトロニカIDMたちである。
すなわち、黒と白の双方のスタイルの、混血なのである。それは、あのおジャズやロックンロールらの生まれ方と同じなので、実にすじがいい!

──それはそうだが、しかしどうも、やや薄弱なことをむりに強弁しているような印象ですね! いつもそうでしょうか?
そして、その他にも何か、言うようなことがあったのでしょうか? できるだけ、それらを……ワンオートリックスさんが《Memory Vague/メモリー・ヴァーグ/記憶のあいまいさ》と呼んだ領域をかき分けて……思いだそうとしてみます!

9. S U P P L E M E N T 補 足 💊

流れの制御みたいな関係で──非才がゆえに(T_T)──、うまく本文に収めることのできなかった論点らにつき、補足させていただきます。三点です。

DΛRKNΣSS: MAID TAPES V​.​1 (DΛRKNΣSS SELECTED WORKS) (2022) - Bandcamp
DΛRKNΣSS: MAID TAPES V​.​1 (DΛRKNΣSS SELECTED WORKS) (2022) - Bandcamp
メイドさん萌えっ🥰萌えぇ〜っ!…
床屋ビートは全般的に〈パクリすぎ〉と叩かれがちで、このダークネスさんもいちじ凹んだりもしたけど元気です!

では、まず初めに。
こんどの件でOSCOBさんが、〈インディ系アーティストの作品をサンプリングした〉、なぜかその点をしつように責められているらしいこと、その点について。

……えっ?……えっ?……?
それがどうしてとくに悪いことなのか、私には、まったく理解できません。
そもそもヴェイパーウェイヴのサンプリングが、まったくもって悪いことではなくて、むしろ、実にいいことに他ならないと、ここまで論証してきたのです。

が、ですけれど、それは《アートの論理》に立ってのうえのことです。
それでは反対側のサイド、《法-社会の論理》からは、これらはどのように見えるのでしょうか?

まあどうせおそらく、《法-社会の論理》からすれば、ヴェイパーみたいなアプロプリ音楽は、その“すべて”が、潜在的には有罪なのでしょう。バーカ氏ね

ああ、だからもう……。わけの分からない独断的で主観的で抽象的で感情的な〈俺ルール〉の適用なんて、もはやΦ学生とかでないならば、やめましょうね?

すなわち。私たちのヴェイパーによるアプロプリ行為らは、アート的には、“すべて”が完全無罪っ! だが法-社会的には、おそらくぜんぶ(潜在的に)有罪、であるのです。

reas: 雲での生活 (2021) - Bandcamp
reas: 雲での生活 (2021) - Bandcamp
ロシアの16歳・reasさん、その充実した2021年の総決算的アンビエント・ヴェイパー傑作ゥっ! ノーサンプリング!!

で、次の第二点ですが。いや、賢明なる皆さまには、言わずとよくご理解のことでしょうけれど……。だが念のため……。
別にヴェイパーウェイヴだからって、サンプリングをしなければならない、とは申し上げていないのです。まさか。

しないでも、いいんですよ? 個々のアーティストの志向や方法やコンセプトとかが、そのことを必要としていないなら。とうぜんです。

ただしヴェイパーはあからさまに、サンプリング・ヘヴィーであるサウンドとして、ここまで発展してきました。
もしまんがいち、その流れをリスペクトできないのだとしたら、また違うシーンへと向かわれるのがよいでしょう。

そして、さいごに。これは……。
この記事の前のほうで私は、こんなことを述べたような気がします。

もしもアーティストであろうとするなら、崇高なる《アートの論理》にのみ従うべきだ! 《法-社会の論理》ごときクソ喰らえっ気にすんなあ〜っ!!……的な。

──ああっ、すばらしい威勢のよさですね! 名調子っ!? それを口先で言ってるだけのご自分は、たぶんタイホや告訴などをされないだろうからってね! イェ〜イッ

──ですから。これまた個々のアーティストが、自己の状況に応じた判断で、そのてのリスクらを避けることは、まあ責められないべきでしょう。
そもそも、国によって法制などの違いもあるでしょうし。かつまた、保護を要するご家族などを抱えている方々も、少なくはないようですし。

それはいいのです。ただし
ただし、ヴェイパーウェイヴの内部的には、そこを踏みこえていったものたちのほうが、ちょっと偉いのです。ちょっと、ね!

サンプリングをしないということは、別にいいのですが──。だがもしも、〈したいけれど、しない〉であったならば、そこには偽りが生じています。あまりいいとは思えません、われらが《アートの論理》に照らして。

赤い薔薇の花ことばは、「美」「情熱」そして「愛」…
VAPORWAVE -&- SAMPLING
or
The Logic of Art vs. The Logic of Law-Society (Summary)

Did you know...?
OSCOB's 2021 masterpiece album 『宇宙ステーションV』(Space Station V) has been taken down from Bandcamp, allegedly by the person who seems to be the author of the sounds it samples.

It's a shame, but I guess it can't be helped.

We at Vaporwave are doing all of this with the single-minded desire to "Create Beauty" and "Achieve Art".
On the other hand, other people seem to have some other purpose.

And when there is friction there, maybe according to the law or something, the fault was on the side of OSCOB. Under the current system.

But what is the point of something like a law?
What kind of Beauty can be created by paying attention to such things and trying to avoid friction with society? The kind of Innovative Beauty that we all so dearly desire?

They are them, we are us. We have nothing to do with them.
Well, if those guys have some legitimate right to do something, let them exercise it. We don't care, we should move on. And we must stay on OSCOB's side.

Furthermore... below I will say the right thing.

The situation in other genres may be different, but Vaporwave as sampling-heavy music is very good!
It creates new and intense "Beauty" out of existing things, and also creates new values and new perspectives.
And it even enhances the value of the objects (materials) themselves - one could even say that it Majesticizes them!

So, we can say that our Vaporwave is a new way of thinking about the world. I would like to strongly appeal to the whole world that our Vaporwave is doing such a wonderful thing! Yay!!