子いわく、〈義を見てせざるは勇なきなり〉。とまあ、名言で始めてみたけれど──。
さて、いまここでちょっと、Pixivコミックで公開中「バーナード嬢曰く。」(☆)の宣伝をしてみたい理由。それは、そこに付された《いいね!》の数が、あまりにも少ないので泣けたからなんだ!
そういや? 〈いいね!とリツイートのシステムを考えたヤツは地獄に堕ちろ〉と、当のツーイター社の主任か誰かが言ったらしいが(怪情報)、マッチポンプかよちくしょう!
だからこのシステム自体どうかとは思うんだけど、それにしても《惨状》ってものを、オレらは見てるんだよね。
具体的にどうなのか? 「バーナード嬢曰く。」(以下・ド嬢)と、同じサイトでほぼ同時期から公開されているタイトルら──かつジャンルも同じギャグ系──、それらの《いいね!》数の現在値ら(2020/07/26)を比較してみよう。
施川ユウキ「ド嬢」 2020年3月〜17話まで公開 635いいね(☆)
tugeneko「上野さんは不器用」 同年1月〜14話まで公開 6,072いいね(☆)
涼川りん「あそびあそばせ」 同年1月〜14話まで公開 41,169いいね(☆)
どういう格差社会だよえーっ! って、これが《現実》なのかっ……!?
ちなみに比較対象の「上野さん」と「あそあそ」も、オレは好きなまんが。自分の中では、三者の序列はつけがたい。
だってのに、この現実の格差──その原因は? ひとつ安直に思いつくことは、各ヒロインらの美しさの差が票数に表れているのか、ということだがっ……!!
まあ見た目のことはしょうがないので、どげんしてか「ド嬢」をPRせんければならん。
本を読まずに読んだコトにしたいグータラ読書家“バーナード嬢”と、読書好きな友人たちが図書室で過ごすブンガクな日々──。(公式のアオリ文)
けっこう似たようなお話で、谷川ニコ「クズとメガネと文学少女(偽)」(☆)を、以前ご紹介いたしたような気もする。しかしそっちのヒロインのほうが、まだしも読書をガンバろうとしていた感じ。
いっぽうこちらの《ド嬢》さんは、読書家を装いながら、しかし断じて読みはしない、ということをガンバっているふしがある。しかもその読まなさを、強引に正当化してかかるのが実に頼もしい!
さてその第17話は、〈三大奇書〉というエピソードから始まる。何が《三大奇書》かということは、皆さまご存じと思うが……(もしくは参考画像をご参照)。
でもオレは、ずっと前から疑問なんだよね。
あの三作、オレも面白いと思うけど、しかし《奇書》っていうくくりがピンとこねェ。奇書という語は、《大長編の異端的ミステリー》という意味じゃないと思うんだけど。
じゃあ何が《奇書》かというと──いまは和書に限り──、まず「家畜人ヤプー」あたりがそれっぽい。あるいは、「椿井文書」・「竹内文書」・「東日流外三郡誌」のような、偽作文献ら。さもなくば《トンデモ本大賞》を獲ってるヤツとか(☆)、奇書そのものなのでは?
とはいえ「ヤプー」はともかく、それ以下のヤツは、ことさら見るに値するような気がしない。わざわざ読むような本で奇書っぽい──ということだと、やはりいいのか?
そもそもド嬢は、《三大奇書》などという話題をどこから仕入れてきたんだろう。かつ、そもそも誰が言い出したことなのかが不明だが、しかしその時期は1970年代末あたり、とは分かっているらしい(☆)。
そして物語に戻ると、ガチの読書家である友人は、お脳のたんじゅんなド嬢が「ドグラ・マグラ」にハマったりしたらヤベーのでは、と懸念。だがしかし、どうせ10ページも読まず放り出すので大丈夫だと確信できる。ブウウ────ンンン────ンンンン。
ところでこのこともご存じだと思うけど、その《三大奇書》のうち、「ドグラ・マグラ」(☆)と「黒死館殺人事件」(☆)は、青空文庫にて無料閲覧可能。どうせだからスマホやタブレットらのハイテクを用い、オサレなカフェーやプールサイドあたりで奇書らを耽読──、この夏のトレンドはそれか……!
で、そのついでに、「ド嬢」への《いいね!》付与を、ちょっとお願いしちゃうんだよね!!