まんが家の《saxyun》先生のペンネームを初めて拝見したさい、分かんねーけど〈サクシュン〉て読むのだろうか、と思ったんだよね。
冗談じゃねェ、これ以上《搾取》なんかされたらタマったもんじゃねェェェ!!
──あ、いや、そんな冗談はともかく。正しくは〈さっきゅん〉と発音して欲しいらしくて、これはその搾取ン先生の代表作のひとつ『ゆるめいつ』(2005-20年)、その1巻の奥付けを見て知ったんだけど。
などと、そういうおひろめ時代の記憶もけっこう遠いことになりながら。いまやストレンジ&キュートな4コマ(系)ギャグの名手としてワリに名高いような、われらのsaxyun大先生。
その近年の名作『超常探偵X』の1巻が〈いま〉、カドカワ系Webまんがサイトらで無料公開されているので──2020年12月11日までの期間限定──これはもう必見でしかあるまい、というお知らせです。さァ急いで!
何ンせ全2巻のシリーズの半分を無料公開って話なンで、太っ腹なのでひざまづくしかない。これではもはや、《搾取ン先生》などというギャグは言えないな! オレしか言ってないけどな!!
──で、さて、その『超常探偵X』がどういうおまんがであるのか、ひとことくらいは説明しておきたいんだけど。
何らかの女子校くさい学園の《探偵部》、その部員3人を中心とするおポンチな少女らが、何でもいいから《犯人》的な存在らを摘発してこまそうとするショートギャグ連作、くらいには言えそうなんだけど。
そしていちばん初期には、〈ういーす アリバイある?〉、〈気軽にアリバイ聞くな!〉、くらいの日常ギャグで始まったものが。
つまり、まんがタイムきららにコレが載ってても、そんなにはヘンじゃないかな(!?)、とも思えたものが。
それがシリーズの進行につれて狂気と破綻の色を濃ぉくしていくのが、いとすさまじき。
どうしても《犯人》が要るのでクジを引き、〈真犯人決定トーナメント〉を挙行、等々と。またタイトル通りに〈超常〉めいた現象たちも、シュールギャグかのごとく発生しまくりで。
ちなみに。一種の深海魚で脂のノリすぎたヤツを食しすぎると、やがてお尻からその油がヌルルルルぅ〜と、きわめてスムースに流出してきてしまうらしい。
……そんな事実を、このまんが作品によって、自分は初めて知った。それがどういう探偵ストーリーにかかわるのかは、ぜひアナタ自身の目でお確かめくださいッ。
人の心が求めるところに、《犯人》が在る。またはその求める心が、《犯人》なるものを生じせしめるのだろうか──?