《Pento_Baba.》はニッポンの〈フレンチコア〉のクリエイターで、風説によるとまだ10代の若さであるらしい。ご本人のBandcampページを眺めた感じ、2年くらい前からのリリース歴があるもよう(☆)。
そして“J Sampling Paradise EP”は、そのペント氏の最新作。全3曲・約11分を収録。
これがおそらく180とかのBPMでもうれつにガバーハウス的なビートに乗っかってアニメソングみたいなサンプルらの大量がズタズタに切り刻まれながら乱舞するすンごいしろもので、オレはいいと思った。トベるサウンドだっ!
さてハードコアみたいなジャンルの新星ってことで、自分の中でこのペントさんと、前にご紹介した《tellur》さん(★)、ご両者のイメージに、少し重なってしまうところがある。
けれども、たぶん異なっているのは──。
ペント氏の自称しているジャンルが〈フレンチコア〉で、そのルーツはガバーハウス(ハードコアテクノ)だと思う。いわゆる《4つ打ち / Four-on-the-floor》のバスドラを尊ぶ流れ。
いっぽうのてるる氏は〈ブレイクコア〉なんで、もとをただせばドラムンベースのほう。その方面だとハウス(テクノ)的なビートは、基本的には使わない。
R&Bから分化発展してきたダンス系音楽の中で、ディスコ(- ハウス - テクノ)系とファンク(- レゲエ - ヒップホップ - ドラムン)系との美学的対立って、いまだにあるけれど。──いや別にケンカをしてるわけじゃないけど、でもまあそういうところで。
ただし自分のかってな判断だと、なぜ自分がそれらを好きか、ということで共通点がある。
つまり前にも言った、すさまじく激しい音楽だけれども《攻撃的》って感じがしない。そしてふんいきが全般に明るいし、かつ響きがふしぎときれい。イェイッ。
そこまでを確認して、もういちどこの“J Sampling Paradise EP”を聞き直してみると。
どういうネタかは知らないんだが、とにかくアニメっぽい要素らの怒涛とか奔流とかそのようなのが、180とか200とかのBPMで──。まるで台風の目の位置にいて、それらのもうぜんたる旋回を眺めているような気分にさせられる。
あまりの速さに、肉体の反応はついていかない。このことがあたかも、もろもろの事故に遭ったさい、〈こいつァやべェ!〉ということを、引き延ばされた時間感覚の中で意識はしているが、しかしふしぎと回避の行動などはデキない……ということを想い出させる。
《走馬灯》って、そういうものなんだろうか? とんでもない量のアニメらをものすごいスピードで〈処理〉し続けた人生の果てる瞬間(とき)、人は脳裡にこういう景色を眺めたりするのだろうか?
[sum-up in ԑngłiꙅℏ]
A person named Pento_Baba. is a creator of Frenchcore in Japan, and according to the rumor, he is still a teenager.
And “J Sampling Paradise EP” is Pento's latest work. All 3 songs, about 11 minutes, maybe with a BPM of 180 or so, riding on a gabber house-like beat, a large amount of samples like anime songs dance while being chopped into pieces, which is amazing. I thought this felt good.
I don't know what kind of materials they are, but anyway, the tsunami and torrent of anime-like samples are turbulent at the BPM of 180 to 200. It makes me feel like I'm in the eye of a typhoon and watching the fierce turns of those elements.
The reaction of our body does not follow that speed. This reminds me that in the event of various accidents, we're aware of the fact that “this is bad!” in the extended sense of time, but it is not possible to take evasive action.
Will people see this kind of scene in their brains at the end of their lives, where they continue to “process” ridiculous amounts of anime at a tremendous speed?