《MALO420》をメインの芸名とするヴェイパーウェイヴ・クリエイター、チリのサンチャゴの人だという(☆)。
彼のサイド・プロジェクトがいろいろとあって、その中のひとつである《現代建築420》を、以前にご紹介している(★)。かなりいい感じのものとして。
なぜか自分はこのマロさんについて、そのサイドワーク(?)らのほうが、よいように聞こえるんだよね。で、いまご紹介したい《MODERNIST 76》も、またそういうもの。
モダニスト76名義では2枚のアルバムが出ていて、2018年の“Coast Patterns”、そして19年の“RETRO WEATHER CHANNEL MIXTAPE”。
それぞれのスタイルは、だいたい同じ。もとはスムースジャズのようなチルアウトのような楽曲たちを、引き伸ばして甘味をつけて、けっこう長い尺に仕上げている。
ただ「レトロ」のほうが後発なだけに、スタイルがより固まっているもよう。平均で約8分間くらいの楽曲が12コ入り、そして必ずしもテンポが遅いわけではないが、すべてトロ〜ンと眠い感じのトラックばかり。いいっスね!
あと気がついた点として、エコーのかけ方にレゲエ(もしくはダブ)っぽさがある。そのイキオイで、曲によってはダブテクノのように聞こえなくもない。これは、ヴェイパーウェイヴの世界では少々珍しい特徴かも。
このマロさん、また別のプロジェクトではレガトンらしき音楽をもヤッていて、意外とレゲエに傾倒しているのだろうか。ただしモダニスト76のレゲエ臭は、気にしなければ気にならない程度のものではある。
そしてこのサウンド、ヴェイパー内部のジャンル分類で、ピタッと当てはまるものがない。レイトナイト、スラッシュ、それぞれ近い特徴はあるが、しかし、そのものとは思えない(★)。ご本人によれば、フューチャーファンクでモールソフトだそうだけど。
また当初、「レトロ・ウェザー・チャンネル」というからシグナルウェイヴ的な音楽を予想もしてたんだけど、しかしちょっとそういう感じでもない。お天気予報のBGMにしては、いくら何でも眠たすぎると考えられる。
が、そのあまりな眠たさを、オレがイイと思っているので……。では……おやすみなさい。