エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

つぶやかれた、ヴェイパーウェイヴたち - 2021年・秋冬コレクション (3)

過去にツイッターに投じたヴェイパー関係のアルバム紹介などを、まとめてみるシリーズ記事です。
……と、そういうものでありながら、なぜかラストのセクションがむやみな長文であることを、どうかご容赦ください!
Vaporwave / Dreampunk albums - the ones we introduced on Twitter - also logged here.

─── iӤĐêӼ ───
c i t a d e l 寒い世界: sad gazing (2021) -
waavypanda: monochrome memories (2021) -
rareerra: Glowing Urban Panorama (2021) -
Male Alchemy: you are afraid of me (2021) -
radio fields: an evening in the city (2021) -
AVION: Return To The Mall (2021) -
w t f I'm dyіng?: *gulp* (2021) -

c i t a d e l 寒い世界: sad gazing (2021)
3 songs 25 min ≫≫≫≫≫
ダークアンビエントに傾いているヴェイパーウェイヴのEPです
重さのきわまったラスト曲、“cold things never die”……ここがとくにいい……悲愴美❢
An EP of Vaporwave leaning to Dark Ambient
The last track "cold things never die" is very heavy, the heaviest, and this part is especially good ...Pathetic Beauty❢

waavypanda: monochrome memories (2021)
12 songs 52 min ≫≫≫≫≫
いつもウェイヴィーパンダさんの作には、激しめのブレイクコア風ヴェイパーが多いようですが
しかし今アルバムは、しっとりしたダークアンビエント……好きです
暗さの中のほのかな甘さが、とてもいい!
It seems to most of waavypanda's works are Breakcore-ish Vaporwave that is rather fierce... But this is the moist Dark Ambient album, I like this❣
The Darkness, but with a hint of Sweetness, is very nice.

rareerra: Glowing Urban Panorama (2021)
7 songs 33 min ≫≫≫≫≫
ディストピアンバーチャル・ポストモダーン・コンピュータ音楽……
……のような印象を、当初は受けたのですが
しかしそんなにはディストピアでもないかも知れない、シンセウェイヴめいて、電子音の力強さで押してくるヴェイパーです!
Dystopian Virtual Postmodern Computer Music... At first I had the impression that.
However, it may not be so dystopian, it is a Synthwave-like Vaporwave that pushes with the power of electronic sounds!

Male Alchemy: you are afraid of me (2021)
8 songs 15 min ≫≫≫≫≫
赤い…そして黒い、床屋ビートです!
おなじみの〈男性向け理髪店〉に対抗してか、〈男性の錬金術〉を名のるブラジルのリオの人による……
シャープなハサミで切りきざまれた、悦楽と悲嘆のコントラストが豊富です!!
Red... and Black #Barberbeats #Vaporwave!
Perhaps in response to the well-known haircuts for men, a man who calls himself Male Alchemy from Rio, Brazil...
Depicted by him, Contrasts of pleasure and grief abound, cut with sharp scissors!!

radio fields: an evening in the city (2021)
12 songs 33 min ≫≫≫≫≫
隣の家から洩れ聞こえてくる中波ラジオのどうでもいい番組みたいなサウンドはヴェイパーウェイヴの何かコアだと考えられます
The hazy sound that leaks from the neighbor's house, an uninteresting program on AM radio, is considered to be something core of #Vaporwave

AVION: Return To The Mall (2021) - archive.org

AVION: Return To The Mall (2021)
10 songs 41 min ≫≫≫≫≫
頭の中に蒸気が立ちこめたショッピングの楽しみを、取りもどしましょう!
モールソフトとしては比較的活気のあるサウンド
処理がとてもいいので、ぜひ大音量でノリノリです
Bring back the fun of shopping with a head full of vapor!
Relatively vibrant sound for Mallsoft
The processing is very good, so play it loud and get into the groove!

w t f I'm dyіng?: *gulp* (2021)
9 songs 30 min ≫≫≫≫≫

【英語english】
In November 2021, L33K5P1N 84574RD5 label released an album called "Glyph", by waterfront dіnіng.
L33K5P1N is a label with a unique eccentricity, and I see its significance as no small thing. And waterfront dіnіng, as you know, is a highly acclaimed Late-Night/Vaporfunk artist.

However, waterfront himself soon took to Twitter to deny any involvement with the "Glyph" album, said, "It's not my work!"
This became the talk of the scene, and the label was blasted by the public. Eventually, the album was restyled as 〈w t f I'm dyіng?: *gulp*〉. As it was a parody.

What happened?

And the album itself, which came to be called "*gulp*" instead of "Glyph", is not that bad.
It imitates the style of waterfront, but the sound is a bit too rough, but it is a work worth listening to.

What happened...?

【japaneseニホン語】
《L33K5P1N 84574RD5》を名のるレーベルは、何というのかユニークな酔狂さを誇り、またかなりいい作品も出している、と考えています()。
そしてこのアルバム、“*gulp*”は、そのリークスピンから2021年11月にリリースされたもの。……ですが、問題となった作品です。

何が問題だったのでしょう?

まずリリース当初、このアルバムは、〈waterfront dіnіngによる、“Glyph”〉と、銘打たれていました。
──と、ここに呼び出されたウォーターフロント・ダイニングさんを、皆さまの多くもご存じでしょう。何らかのR&Bなどを素材としたような、ヴェイパーファンクやレイトナイト系ヴェイパーの大御所です()。

で、まあ。それなりにスタイルがそれらしかったので、私なんかは、今回はこういう作品か……とだけ思って聞いていたんですよね。ピンぼけ加工された写真のカバーアートも、いつも通りのスタイルですし。
ところがウォーターさんご本人がツイッターで、〈知らぬ間にこんなものが! 私の作品ではない!〉と、これを告発。それでシーンは、ちょっとした騒ぎに!

そう言われてみたら、確かに音の作りが、同じではありません。何かローファイさに違いがあって、ニセのほうが、相対的にラフです。とはいえ、こういうサウンドもあろうか──くらいには、できていますけれど。
そして……。その後リークスピンからは、釈明も何も出ていないようですが。

しかし数日ののち、アルバムの外側のていさいが修正されました。それが現在、私たちの前にある、〈w t f I'm dyіng?: *gulp*〉(なんてこったオレは死ぬのか?: *ゴックン*)、なのです。
カバーアートの文字要素も修正されていることを、図でご確認ください。

……〈パロディですよ!〉……と、彼らは構えを、あらためたわけですが。なら、さいしょから、そうしていればよかったものを……?
そもそも、なぜこんなことを……。お金のためとも侮辱のためとも思えなくて、実に奇妙チン妙なハプニングでした。リークスピンさん持ち前の奇矯さへの傾きが、ちと行きすぎたのでしょうか。

なお。この事件の流れは、私よりも《ram yn》さんが、詳しく追っていて()。以上の記述は、彼からのご教示に頼ったところが多大です、謝々!

──そういえば、また。確かこの事件と同じ時期、2021年・晩秋〜冬。次のようなこともありました。ここから少々、別の案件のお話です。

luxury elite & SAINT PEPSI、というご両氏のスプリット・アルバム、“LATE NIGHT DELIGHT”(2013)。これは知らない方がめったにおられない、ヴェイパーの歴史的で記念碑的な、大名作です。
ゆえにたびたび、フィジカルで再発されていますが──。

そしてその時期、《Illuminated Paths》レーベルから、それの再々……々発がアナウンスされました()。ファンには大いに歓迎されて、さっそくかなり多数の予約がなされたようです。

ところが。
これが、作者であるご両氏には、何らことわりなしの新発売だったというのです。作者さんたちの告発を受け、とうぜん非難が殺到し、これの発売は中止になったもよう。

……なお、この件で。作者ご両氏をもっとも憤激させたのは、無断はけしからんとか、マネーはどうなるんだとか、そういうポイントではなかったらしいのです。

では、何かというと?

イルミネーテッドによる中止された企画は、『レイトナイト・ディライト』をふたつのミニアルバムとして、バラ売りしようというものでした。確かMDか何かで、ラグジャリーさんとペプシさん、それぞれのパートを物理的に分けて。
その点がありえない、許せないと、ラグさんは強くおおせでした。〈スプリット作〉などとも呼ばれてはいますが、むしろ〈カップリング〉されている、そのことに意味があるのだ、と。ペプさんもまた、まったく同意見とのことでした。

……ふだん私たちファンには見えていないような、おふたりの何か強いきずなのようなものが、存在すること。……かつ、それを象徴する作品が、かの『レイトナイト・ディライト』である、ということ。それらを、はしなくも、かいま見せてくれた事件だったのです。
まあ。こうして明るみに出てしまったような、自作らに対する何かの思い入れ等々を──バックステージのあれこれを──軽くペラペラと、口にしたりはしない。それが私たちのヴェイパーの流儀──、一種のダンディズムではある、というわけでした!

ところでっ? そういった事件らが、あったわけですが……。

シーンの内部にありながら、ことらをクールに見て、〈ハ、騒いでンじゃねーよ〉と構えていた人らもおられたんですよね。

〈どーせヴェイパーなんて他人さまらの音をパクってンだからよー、逆にパクられて文句を言うのは違うだろうがえーっ〉
〈バカどもがそんなにフィジカルとか欲しけりゃよー、音はダウンロードして自分でカセットにでも録ったらいいじゃねーかああーっ〉
〈そもそもヴェイパーにカネを出すってのが分かんねーよ、こんな盗品のゴミ音楽によー、まあオレのは買って欲しいけどなあー、笑笑笑〉

とまあ、だいたいそんなような露悪スピーチを述べておられた方々のうちのおひとりが、《BASED COVERAGE》レーベルの社長さんです()。
このベイスドは、シグナル系の名門だった《Night Coverage》の、名称などが変わったものです。それと現在、その兄弟的レーベル《DREAMTONE BANGERS》のほうに、彼(ら)の注力の対象は移っているようです()。

ああ……いや、ちょっと。この系列をつつくと──うかつに深掘りすると──、何か思いもよらぬものがいっぱい出てきそうで、正直なところ怖いんですよね!
とは、ああ、つまり……。

旧ナイト・カヴァレッジや《Gorgeous Lights》など()、夜の暗さの闇深きヴェイパー勢力の背後に、《COSMIC CYCLER》として主に知られている、多面多腕の剛力羅刹めいた人が、おられるようなのです。ロシア方面ヤクーツクの人である、と言われていますが()。
で、とりあえずヴェイパーウェイヴにいちおうの価値を認めてしまう限り、この通称《CC》さんの偉大さ&巨大さは、まったくもって疑いえないのです()。

そして、さきに見た露悪趣味のサーカスティックなシニシストさん……。その実体が、つまりCCさんなのかなあと思うと、私は怖くて仕方がありません!
それでは何か、私が脳内にこさえたヴェイパー界の地図が──イメージが──、崩壊してしまいそうなんですよね。しかしおとなですから、もろもろ事実なら、受け容れねばなりませんが。

ああいや、ではもう、強引にでも話をまとめましょう。

この私たちのヴェイパーウェイヴとやらが、恥知らずさをきわめたおふざけ非道の《略奪音楽》だ、ということは認めても。
しかし、単に海賊盤でしかないものを売っているようなことはない。それとは違う、それはない──と、思うんですよね。

それと、あの皮肉屋さんですが……。しかしああいう露悪トークをわざわざ言う方々は、だいたい逆に根はいいほうの人であると、私は知っています。皮肉にしても、半分くらいは自虐になっているですし!

で、結語です。

前記の、事件らふたつ……。ニセウォーター事件、および、レイトナイト無断再発事件。音楽そのものにはあまり関係のないことですが、この2021年・末ごろは、それらをきっかけに、何かとシーンが荒れ気味で。

その勢いに乗り、他にも何かと悪質なレーベルやアーティストらが少なくない、それぞれをきっちり告発しよう、いっそ〈ブラックリスト〉を作成しよう……などと、言いだす人らまでが現れ。
さらにまた、例の皮肉屋さん等が、へんに怒っているオマエらこそどうかしてンぞと、逆から火に油を注ぎ……。

そんなところを見て、私でさえも、心が痛んでいたんですよね。

これは私の考えですが、ちっぽけな正義を過剰にネチネチ追及などするよりも、シーンの空気のよさを維持するほうが、いいことだと思うのです。こんな、お遊びが半分以上の世界であれば。
もとより貧しいヴェイパー界で、しかもいちおうは身内である同士がグダグダと争っていたりしたら、他のシーンに対して恥ずかしいと思うんですよね。魅力的には、見えないでしょう?

そして。リークスピンさんはサギっぽいところを修正し、イルミネーテッドさんは心なき企画を中止した──。もう、それでいいんじゃないかと。

と、いうわけなので。
前記の事件らの当時、〈こういうことがシーンで起きている〉と、ブログの記事にすべきかという気もしたのですが。しかし、控えていました。
こんなことらをお伝えしても、ヴェイパーウェイヴのためにはならんだろう、と判断したからです。そもそも音楽の話じゃないし、ゴシップ記者にはなりたくありません。

しかし、まあ。それから約半年のちの現在……。

あれらに匹敵する《事件》が続発してもおらず、また、シーンの空気もいいところまで冷えてきたようにも思えます。
かつ、私の考えるところも、多少は整理ができてきた風でもあり。なのでこうして、文章にもしてみたしだいです!