エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

Gavriel (Windows96): In The Worlde (2020) - いま、M$ゥィンドォ〜ズに別れを。

たぶんこの数日くらい前から、ヴェイパーウェイヴの新しいポータルサイト《Utopia District》が新規にオープンしている()。大いに歓迎できる動きだっ!

そしてそのトップページに、やたらデケぇフォントでクッキリと〈VAPORWAVE〉って書かれてあるのが、実に頼もしい。拝見した感じ、ヴェイパー関連のことは何でもヤッてやるぜって意気込みありげなので、ぜひ皆さまもご活用ください!

……と、いうことで、オレがまず率先して活用させていただくんだよね。ってのは、前にもご紹介いたした()、ブラジルはサンパウロ在住のヴェイパーウェイヴ・クリエイターである《Windows96》のことなんだけど……()。
ゆ〜とぴあ地区の報道によれば、このWin96さん、こんどから名前を改め《Gavriel》になったよし()。彼の本名がガブリエル(・エドゥアルド)なのでで、そっちに寄せたようだ。

で、その名で発表したブランニューなアルバムが、いまご紹介する、“In The Worlde”)。

ともあれ、もっとも重要な音楽の話をすると、この最新アルバム(全12曲・約33分)の作品傾向が、まったく以前と変わりはしない。
あ、いや、Win96時代の最高傑作と目されている“One Hundred Mornings”(2018)あたりと比較したら、あの特徴的な高音のナマッた感じが、そんなには目立たなくなっているかも? あ、いや、そんなには変わらないかも?

ワンポイントだけまじめに分析すると、まず『一百朝』の冒頭曲でいきなり鳴り始めるヘニャっとしたブラス風シンセ音、あれは至高。あのアホっぽい、腰ぬけでヘニョ〜リしたサウンドが天下を獲ったのだ──と述べても過言ではあるまい(ッ!?)。
いっぽうこんどの『世界内』の冒頭曲でも、少しヘニョっとしたブラス系シンセ音が活用されている。ただし前例に比べたら、まだしも腰があるっつ〜か、“ふつう”の響きであるような気もしなくない。

ともあれそういう、いつも通りとも思える、のんびりしたチルアウト系のインストシンセ・ポップ音楽なのだった。
前にも言ったが、何かひじょうにのどかなビデオゲームのBGMみたいな感じもする。ときどき遠めに、チラッとボーカルが聞こえるのもいつも通りで、これがやさしい声でまたいいんだよね。

いや、自分の考えるヴェイパーウェイヴってのは、もっとこう何かグロテスクで破綻ぎりぎりのラインを狙っていくものなんだけど。ただ、それはそれ。
いっぽうこの、Win96改めガヴリエルさんの構築している、模造されたユートピア──《痛さ》が生じないように極彩色のスポンジマットで囲まれたキッズコーナーのような世界──、そこにひかれる気分は偽れないんだよね。

と、それこれのワケで、音楽性はさして変わらんのに、こんど名前だけがなぜか変わった。
オレ的には、《ガヴリエル》なんていう人間めいた名前より、《Win96》のがバカらしくてインパクトあると思うけど。

あ、いや、あるいは? ガヴリエルさんがM$ウインドォ〜ズのくだらなさにアイソつかしてLinuxユーザとなったので、その記念に改名、といった事情なのかも? それなら大いに分かるけどなァ、ガハハハハハ!

[sum-up in ԑngłiꙅℏ]
The Brazilian Vaporwave creator, Windows96, is already highly regarded. He changed his pseudonym to Gavriel, which is closer to his real name. And the latest album released is “In The Worlde”.
The sound may have changed from his popular past-made mellow and dull feel to a slightly clearer. However, it is a comfortable chill-out work that is the same as before. It's an imitation utopia, a world like a kids' corner surrounded by colorful sponge mats to prevent “Pain”. Good.