デーモン・ワイルドはニューヨークのテクノ(アシッドハウス)系DJ/クリエイター。1990年代中盤から活躍中。かつ、SYNEWAVEレーベルのオーナーでもある(☆)。
いま彼がどれほど有名かは知らないが、90年代後半の〈アシッド復興〜ハードミニマル圧勝〉という流れの中、シカゴでもデトロイトでもないNYスクールの代表格として、ものすごい重要なプレイヤーだったのだった。
……それはそうだが、でもこの記事については、あまり関係ないんだよね。
ただ考えもなく何となく、iP。dに入れといたポッドキャスト、何となく再生してたら、みょうにイイような気がした。出先から戻って確認してみたら、それがワイルドさんによるDJ MIXだった。
ほとんどそれだけの話なんだ。
ワリに何気なく始まるMIXなんだけど序盤のトラック、第2のアシッドベースが押し殺しきった音色で、〈ムーフヴムー、ムヴーフムゥ……〉って入ってくるところがスゴくいい。思わず路上でバンザイしそうになるほど、ついエキサイトしちゃったんだ。
《何か》を感じて、〈ケツの穴にツララを突っ込まれた気分〉──という名言があるようだけど(『ジョジョの奇妙な冒険』第3部)、なぜなのかそれを思い出したんだよね。別にツララではなく、熱いものでもいいんだけど。
ともあれ、日常にはない感覚、ふだんは覚えない奇妙な衝動、そういうのを喚起してくるものが、アシッドハウスにはあるな──と、そのことを思い出した。そのことだけ、書いておきたかった。