エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

Dj Not Not: Dreamwave Plus (2020) - あなたの悪い噂を耳にしました。

《Dj Not Not》は、オクラホマ州タルサに在住か何か、というヴェイパーウェイヴ・クリエイター()。だとすると、J.J.ケイルとかリオン・ラッセルとかのアレですかね!?
いやそんなむかしのサザン(風)ロックとかは、別に関係なさそうだけど。

ともあれDJノット2さんは今2020年、ちょっと信頼性のあるレーベル《B O G U S // COLLECTIVE》からデビュー()。そして2作のアルバムを発表しており、1作めはスプリット作、続いたDreamwave Plus”が最新のもの。

彼のはどういうヴェイパーかというと、だいたいはクラシックスタイル+ちょっぴりレイトナイトのフレイヴァ、のような感じ()。
あわせて、たまにコスリ(スクラッチ)やMC-ingが入ったりするのは、芸名の一部の〈DJ〉であるところのアピールだろうか。かつ、リリース元のボーガス・レーベル自体にヒップホップ・テイストの侵蝕を自分は感じているので、これもその表れなのかな、とも。

そこいらまでは、まあ“ふつう”といえばそうなんだが。しかしこのDJノット2さんのサウンドの奇妙なやさしみに、自分はひかれるところがあるのだ。

というのも近ごろのヴェイパーって、聞きづらいのがけっこう多いなと、自分は感じてるんだよね。スタイルとしてはクラシカルなんだけど、しかし必要以上に音を荒らしてるのが、ワリと目だって。これは、同じボーガスから出ている作品らにもけっこう言える。

そういう中で、DJノット2さんのサウンドは、あるいは《無ぞうさ》にギリギリ近いところまでの、聞きやすさを供給しているかなと思う。

そのいちばん分かりやすい(かも知れない)例はアルバムの6曲め、“B A N A N A S”。これが実にあの、バ十十うマ「マイ・八ード・マ・ルーアー」(1987)を、丸ごとそっくりアレした楽曲なんだけど……。
それが実にその、〈ちょっと遅くしただけじゃろがい!〉、とも言いたくなるようなアレ。

追試からの知見によれば、もと曲のスピードを約70%まで落とすと、だいたいこの響きになる。多少だけEQの併用もありそう。で、ほんとうにようしゃなき原曲の丸使い。
だが、たんじゅんにそれで気持ちのいい音になっている。かつ、もと曲が《神》すぎることもあるので、これも大アリだと考えざるをえない。

と、いや、そんな無ぞうさなことばかりをしてるってワケでもなさそうだけど。ともかくそのように、ヘンに作りすぎずに気持ちいい音を出力しようみたいな姿勢、そこについ共感しちゃったんだよね!

[sum-up in ԑngłiꙅℏ]
Dj Not Not is a Vaporwave creator who seems to be from Tulsa, Oklahoma. Debuted in 2020 from the trusted label BOGUS // COLLECTIVE. He has released two albums, and “Dreamwave Plus” is the latest. The first work before that is a split work.
His work is like a classic style + a little Late-Night flava. At the same time, the occasional scratches and MC-ing are the appeal of being a part of the stage name “DJ”. Also, I feel the erosion of hip-hop taste in the release source BOGUS label itself, so I think this is also a manifestation of that.
By the way, what I sympathize with Dj Not Not is his attitude of pursuing a pleasant sound without fear of feeling almost casual.
For example, the sixth song on the album, “B A N A N A S”, is a song that is just a little slower version (think about 70% of the original song) of that 8nαnαrαmα “1 Hεαrd 4 яum0ur”. But it sounds good enough. This is fine.