エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

Roger Eno and Brian Eno: Mixing Colours (2020) - レッツゴー合身・アンビエント兄弟! スロウでスロォな大爆走!!

キちゃいました〜っ! ロジャーさんとブライアンさん、われらのイーノ兄弟として初の連名アルバムになるのだろうか、そのピッカピカの新作、“Mixing Colours”ですわん! もうたまりませんわん!!

……いやまあ、そんないまどきマカロニほうれん荘の口マネはともかくですよ。トシちゃんかんげきは是非もないにしろ、けどちょっとは冷静になってみて、申しまするならば。
まず、このアルバムの主役であるっぽい弟のロジャーさん──彼と、その兄ブライアンさんとの作風の違いについて……。

兄であるブライアンさまは、その頭脳明せきシステム志向なところにおいて、ポップミュージックの歴史上、文句のありえぬイの一番にしてナンバーワン。しかもメロディの感覚やエモーションの表現にもすぐれ、これっぽっちもスキがない。いよっ大巨匠〜っ
いっぽうの弟・ロジャーさんは、その逆にシステム志向な感じには乏しく、その逆にメロディやエモーションから押してくる。あえて悪いように言えば、「キレイなメロディのタレ流し」に走るところがなくもない。けれどメロディが極キレイだから、大いに許して愛すべきっ!

それとロジャーさんは、具体的な表現においてアコースティック志向。すなわち、聞いた感じがネオクラっぽい。対して兄ブライアンは、もっとエレクトロニック志向。それぞれが、相対的に。

そして、このアルバム「ミキシング・カラーズ」は、その半々。具体的にはロジャーのきれいなメロディ、そしてブライアンのエレクトロニックで魔術的なプロダクション、それらのツープラトン合体技のように考えられる。そういう意味でも、「ミキシング・カラーズ」なのだろうか

……音数の少ないシンプルさをきわめた楽曲らが、洗練をきわめたスタジオのテクで前後左右の拡がりを与えられ、われわれをやさしく包み込んでくれる。そして、ほぼすべての楽曲のテンポがスロー、および超スロー
ああ……。これにはまるで、いまにも切れそうな細いクモの糸──しかし切れない──、それでできたハンモックに揺られているような、不安とうらはらの奇妙な快さがある。そして、それがいい。

が、それではシステム関係はどうなのかというと、ちょっと聞いただけでは、そういうの感じられない。けれどもいつか、この音楽の背後のシステマチックな構造に気づき、そのときわれわれは震かんさせられるのやも知れぬ。

──ところで。音楽以外のところで少しだけフに落ちないのは、このアルバムは現状、Bandcampには出ていないんだよね。まあYouTubeで全曲試聴できるんだけど。
というのもイーノ兄弟さん、いまはおふたりともこちらのサイド、Bandcampの人だと思ってたんだよね。いや、いろいろなごつごうもあろうし、また今後に出てくるかも知れないけどねっ。

じゃあまあこの機会に、イーノさん&その盟友たちのBandcampページをご紹介するよ。ほとんど傑作ばかりだと言い切れちゃうラインナップがそこらには満載されて、ムフフ……。