まあそのいわゆるポストロックみたいなシカゴのバンド、トータス(Tortoise, ☆)。そのギタリストであるジェフ・パーカーさん、近ごろ少し戻したようなジャズっぽいフィールドでの活躍が目立ってるんだよね。それが、いいな、と。
──いや実はオレが近年おトシのせいか、ギトギトと攻めまくっている音楽に疲れを感じたら、ついついおジャズで耳を休ませちゃうんだよね。
とくに、ギターの鳴ってるヤツが好物なんだよね。せんじ詰めちゃえば、かのジム・ホールさんがベスト of ベストなんかいのォ、なんてね。
そしてそっち方面の調査から、ジェフさんの近況、その充実ぶりがちょっと伝わってきたわけで──。
で、ご紹介する今年2月発のアルバム“The Weather Up There”、そのリーダーであるドラマーのジェレミー・カニンガムさんについて、オレは何も知らないんだよね。ただジェフさんと同じ、風の街シカゴを拠点に活動してる人、とだけしか。
それと、このウェザーなんとかいうアルバム、聞いたらただ単に気持ちいくてナイスなだけなんだけど。──しかしその背景にはジェレミーさんの、過去の不幸な体験が──うんぬん、という何だか意外なストーリーが、Bandcampのページに書いてある感じ。ただそれを知ったら《テンサゲ》の予感が強く、あまり熟読してないんだよね。
そこで、聞こえる限りの音楽のことに話にしぼると、ワリにふつうのジャズっぽさ、それに対するヘンテコで独断的でよく分からない部分、そのバランスが絶妙で奇妙にイイんだよね。
ジェレミー&ジェフのコラボには、“re: dawn (from far)”(2016, ☆)というアルバムもあって、それもこれに近い感じでまたイイのだ。あわせてご一聴をオススメ。
ところでこのジェフ・パーカーさん、そのリーダー作らもBandcampにいくつか出てるんだけど、そちらはそこまで印象がよくないんだよね、意外にも(☆)。もちろん、部分的にはイイところもありながら。
いやー、それがね。オレが気にしてる現在のキレてるジャズっぽいギタリストには、「サイドでのプレイはぞんぶんにイカしてるけど、しかしそのリーダー作は、ん、何かなコレ?」という人らが、けっこういるんだよ。ベン・モンダーやジュリアン・ラーゲあたりさえ、そういうところあるっぽい。
たぶんリーダー作となるとつい肩にチカラ入って、凝ったことをヤリすぎちゃうのかな、と解釈してるんだけど。そしてオレらのジェフさんも、ワリにそっち側なのかもね!
そのいっぽう、ポール・ブライアンというベースの人──、ジェフさんとはつきあい長いらしいんだが、このご両人らのアルバム“Cri$el Gems”(2020)。これなんか逆に少々戻しすぎた気配もある《フュージョン》だけど、でもラクな感じでアリかな、とは思うんだ。と、そんなところで、ではまたねえ〜!?