エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

Tristan Eckerson: Decades (2020) - 背中まで約30分、21℃の音楽

《トリスタン・エッカーソン》は、米オハイオ州シンシナティ出身のピアニスト/作曲家()。年齢とかは分からないが、2016年くらいからのリリース歴があるもよう。主に、カーム(calm)でトランキル(tranquil)なふんいきのアンビエント風ネオクラをやっている人っぽい。

いやこの人のことはまったく知らなくて、ただBandcampで何か違うことを見ていたら、ページの下のほうのサゼッションに、彼の近作アルバム“Decades”が出てきた──。で、〈ああ、背中……〉と、つい聞いちゃってるだけなんだよね。

そして、〈シンシナティってどういう街だっけ?〉と少し調べたら、とりあえず、その現在の気温が21℃であるとか。えっ。
いくら現地が午前5時だからってこのクソ8月に、涼しすぎるだろうがえーっ。ここ毎日の摂氏35度とかの暑さにうだっているオレちゃんとしては、ちょっとホンキの羨望シットに駆られたんだよね。

そんな清涼な空気の中でなら、そりゃあカームな音楽も書けますわなぁ〜?

ちなみにいま現在アメリカ各地の気温は、NYが21℃、LAが23℃、シアトルが19℃、ニューオーリンズが26℃、ダラスが28℃、だそう。いやっ、わがトーキョーが、テキサス州ダラスよりも暑苦しい土地だったなんて……。いやっ。

まあそんなことはともかく、トリスタン・エッカーソンさんの今アルバム、通称「背中」

その解説文の中に、フィリップ・グラス坂本龍一という名前らが2回ずつも出てくるんで、そこらが意識された作品であることはまちがいなさそう。全編がピアノ独奏、全9曲で約30分を収録。
ただ聞いてみたら、グラスでサカモトってな高尚みは、あまり感じられなかったんだよね。オレがよく言う、《システム志向》なところがなさそうで。
むしろこの音楽は、ヤン・ティルセンルドヴィコ・エイナウディらの路線に近いのでは? あと、ダスティン・オハロランとか()。俗になりすぎないレベルの親しみやすさがあって、いいと思うっス。

にしてもぉ〜、どういうワケかけっこうお涼しそうなUSAと違い、わがトーキョーなんか蒸し器の中みたいな、いまのザマなんで……。
せめてもの納涼のため、このトリスたんの音楽とかも、けっこうアリかなと。まあほんとうに、ついさっき知ったばかりのお人なんだけどね!

さらに。こういうアンビエントっぽいピアノのネオクラ──もとはといえば、かの偉大なるアンドレ・ギャニオンさまがご開発なされたようなスタイルだが()──を好まれる方には、在スウェーデンの《1631 Recordings》レーベルのオムニバスとかもオススメするっス()。
そちら北欧から出ているだけに、さすがの涼しみがワリとある。なんかもうしばらくは、そういう《納涼サウンド特集》でヤッていこうかなあと、想ったりもするよねえ……。