《Kevin Richard Martin》──ケヴィン・マーティンさんは、イングランド出身のエレクトロニック系ミュージシャンです(☆)。1990年あたりから活動されているようです(☆)。
このケヴィンさんの最新作、今2021年初頭のリリース品らが、“White Light”および“Red Light”、という連作めいたアルバム2作です。
これらのスタイルは、ダークアンビエントです。2作あわせて、10曲・約79分が収録されています。
そしてダーク系として、ふだん私がついつい聞いている、《Cryo Chamber》のシネマティックでドラマティックなテイストとはまた違う(☆)、かつスティーヴ・ローチさんのニューエイジ風味で宇宙的なダークとも異なる(☆)、その淡々とした暗さに、フレッシュさが感じられました。
いいと思います。実用オーケーです!
で、さて。このケヴィンさんは近年まで、どちらかというとインダストリアルの方面で、彼の音楽キャリアを積み重ねてきたようです。
ここまでの彼の最大のプロジェクトと思われるのが、《The Bug》という一人バンドなのですが、これはどうにもインダス・ヒップホップとでもいうような、また実にチン妙な音楽です(☆)。
けどまあそれらが、ニンジャチューンやリフレックスのような、ともかくも名の通ったレーベルらから出ていたそうなのですが……。
そうして現在ケヴィンさんは、この本名の名義にて心機一転(?)、ダークアンビエントに取り組もうとしておられるようす。それは、とても歓迎できるトライです。
ですがしかし、2020年・夏くらいの作品までは、まだインダスの尻尾がついていた感じです。あまり耳にやさしくないパートが、散在しています。
それから追って2020年11月リリースのアルバム、“Sedatives”(☆)。このあたりから、私の強く共感できる、どんよりしているだけのダーク系サウンドになっています。達成です。
そしていま、2021年。ホワイト&レッドのペア作品で好スタートを切ったケヴィンさんの、ますますのダークな躍進に、大きな期待ができると思います!