エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

VA: "CHAOS" Series Compilations Vol. 1 - 4 (2017) - カオス商店街ふくびき大セール

ヴェイパーウェイヴも最近は、大して盛り上がってねェんじゃねェ〜の? そのようにお考えの方もおられるかもとして、ではいったい、“いつ”、それが隆盛だったのだろうか。

さて過去の記事でチラリとご紹介した、YouTubeにてのヴェイパーウェイヴ界をリードしている《Vapor Memory》さんのチャンネル()。トホーもない量のヴェイパー動画が、そこにアップロードされているんだが。
そのページの下のほうをず〜っと見ていくと、発表年ごとのカテゴリ分けがある。《ヴェイパー元年》と考えられる2011年に始まって、各年ごとの動画本数は、以下のよう。

  • 2011: 35本
  • 2012: 75本
  • 2013:128本
  • 2014:220本
  • 2015:301本
  • 2016:625本
  • 2017:461本
  • 2018:381本
  • 2019:195本

……と。あくまでも一個のめやすだとしても、このジャンルの成長と現状が、だいたい適切に反映されたデータになっていそうな感じ。他に何か参考になるデータがあれば、ぜひご教示をplz。
で、見ての通り、2016年のところにピークがあった気配。じっさいその前後の時期のヴェイパーの質&量の充実ぶりは、自分なんかがいろいろ調べていても実感されるところだし。

そのピーク期に向かってのヴェイパーの盛り上げに貢献がきわめて大だったのが、《HKE》と《テレパシー能力者》だということは、ご一同のほぼ共通の認識なのでは。そしてその2人のユニットである、《2814》。
彼らによる『新しい日の誕生』(2015)の歴史的大ヒットが、あぶく流行に終わるかも知れなかったヴェイパーを一個のジャンルとして確立させた、などといまさら言いふらすのも。そしてそれを追って“ブーム”が生じ──そして現在は、ご覧のありさま。

まあ自分が面白いと思えるものが出てきてるならブームうんぬん関係ない、表面的な衰退感などは屁のカッパ……などとも思いそうになるけど、でもやっぱりそれは違う、それだけではない。
あらゆる手段によりヴェイパーウェイヴは世間へと出しゃばって、ムダにでもその存在感を誇示しなければならない。なぜならこれは、ムーヴメントだから。立ち止まることは死でしかない。

ということでご紹介する“CHAOS”シリーズ・コンピレーション全4作は、その2016年前後のヴェイパーブームを作ったHKEさんの《Dream Catalogue》レーベル()、2017年・秋のリリース。
ブーム時代のヴェイパーの、美味しいところをギュ〜ッと詰め込んだオトク品なんだ。4作合計の尺が10時間近くにもなるので、それをただ聞き通せただけでも、ちょっとはヴェイパー通になった気がして悪くはないかも知れない。