エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

V.A.: Now That's What I Call Spamwave (2018) - スパムウェイヴ!…ここを過ぎてすべての希望を棄てよ

諸君、Vaporwaveは死んだ! これからは、Spamwaveの時代
…なわけない。たとえヴェイパーが完全に廃れ腐り滅び潰え去ったとしても、その代わりにスパムウェイヴが流行るなど、こんりんざいありはしないだろう。

だがそれにしても…。いまここにご紹介しようとしている「V.A.: Now That's What I Call Spamwave」 (2018)は、いや何なんだろう、Bandcampのサイト内を過剰にウロウロしていると、さいごにはこういうブツにブチ当たってしまう、という見本みたいなしろもので…。で、ともかく、《Spamwave》の発案提唱者であるらしいアリッサ・フランクリン(パクリっぽい名前)と、その盟友2名によるオムニバス。
そして全9曲で演奏時間・約11分という、その短さが唯一のよい点だ、と言ってすませたい気がしてならない。まずさいしょの3曲が、ご存じマッキントッシュ・プラスの「リサフランク420 / 現代のコンピュー」(2011)を下手くそにパクり直している貧しさをきわめたしろもので、もういきなり「ここを過ぎてすべての希望を棄てよ!」と宣告されている。またラストふきんの、アダルトビデオ中の会話みたいなサンプルを白痴的に反復してるトラックもゴミ感じ悪い。

だが、それにしても…?

こんなひどいしろものをむりに擁護したって何にもならないんだが、しかしスパムをスパムと思わない連中、アマゾンやグーグルらのくだらないサジェストを真に受けるやからが増殖しつつあるこの地球上の文明とやらの唾棄すべきあわれな末路、それがちらりとここらに見えたような気がして…そんなもの別に見たくもないのに。
つまりスパムウェイヴは、これからクるのではない。すでに蔓延し遍在しているものなので、ゆえに今アルバムもまたありきたりのうんざりさせるサウンドになっている、のだろうか?