ポ  サ  研

─ Post-Truth Sound Lab, Vaporwave / Désir Duplication Répétition ─

前副总统 SoKool: I Wish We Never Met (2020) - めぐり逢わないべき宇宙(そら)

《前副总统 SoKool》は、米テキサス州サンアントニオの人だというヴェイパーウェイヴ・クリエイター()。2016年から活動中であるもよう。中国語では〈美国总统〉というと、アメリカ大統領のことになるらしいけど。

まあ名前のことはともかく。この前副さんは、シグナルウェイヴ、レイトナイト、モールソフト、そしてスラッシュウェイヴ()……等々と、思いつくようなヴェイパーウェイヴの内部的スタイルのほとんどを巧みにこなす、たいへんな才人であるみたい。

じっさい、彼のどの作品もよくデキていて──別名義を別にして16コほどのアルバムが既発──、聞いていてヘンな感じのほとんどない、りっぱなヴェイパーだと思う。既存のヴェイパーのワク内におけるけっこうな作品ら、であるかなと。

で、ただいまご紹介しようとしている“I Wish We Never Met”は、この前副総統の、2020年7月リリースの最新アルバム。
コレのスタイルは、スラッシュ系。『ボクたちは出逢わなければよかった』というタイトルの湿っぽさあたりにも、オレたちの陰気でハイパーおセンチなスラッシュヒーローだった《t e l e p a t h テレパシー能力者》さまの影響がうかがえる()。

ところで? ここからちょっと話が変わり……。
以下は、数日前のエロゲ・ソング記事のところでふった話題()、その続きになるのっス。

そっちの記事で述べたようなワケで、いろいろな過去の名作ヴェイパーたちを、サウンド面から再点検してみたところ。
やっぱ自分に対し、そのテレパシーさまのお手本らしさ・模範性が実に色濃ゅ〜い、というケツ論が暫定的に出ちゃったんだよね!

そして、そのテレパさんの名作らがいっぱいある中でも、自分にとってのお手本的ピカイチは、世にも傑作のほまれ高い『星間性交』(2015)。コレだ、と言える。

そしてその『星間性交』を聞き直し、改めて感服しちゃったあと続けて、この前副総統による『逢わんけりゃよかった』を聞いたら……。
ちょっとビックリだが、そんなにはテレ氏に対して劣らないレベルのスラッシュ・サウンドかのように思えたんだ。それで改めて、〈この人うめェな!〉と感じたしだい。

ただし、これらの両アルバムには、ぜんぜん異なるところがある。それは何かってェと。

まずテレっちの『星間性交』は、全11曲で約132分にもおよぶ壮大さをきわめた作品。そのいっぽうの前副『逢わんけりゃよかった』は、全15曲で約41分。
つまり、各トラックらの長さってものが、まったくぜんぜん違ってるんだ。

そして、かってな感じ方だが、コレは強く共感できるポイント。

というのは、ちょっと見習ってみたところで、“誰も”テレさん本人にはなれないんだから──。ゆえに、『星間性交』が含むような20分オーバーの長大なトラックなんて、ヤッていいことっていう気がしない。聞いてくださる方々も、おそらく諸事ご多忙をきわめておられる折からっ!!

……いや、そんなことを前副総統さんもが考えているかどうか、それは知らないが。
ただ少なくとも、本来は長大になりがちなスラッシュ的トラックらを、ちゃんと味わいを残しながらそれぞれコンパクトにまとめている──、その手腕はすばらしいと思ったんだよね! イェイッ

[sum-up in ԑngłiꙅℏ]
前副总统 SoKool (Former Vice President SoKool) is a Vaporwave creator who is from San Antonio, Texas. It seems that he has been active since 2016.
About 16 albums have been released under the name of 前副总统 SoKool, but the styles of each work are really diverse. Signalwave, Late Night Lo-Fi, Mallsoft, and Slushwave. And in each style, it's extremely clever.

And “I Wish We Never Met” is 前副总统's latest album released in July 2020. Its style is Slushwave.
I happened to be re-listening to 『星間性交』 (Interstellar Sexual Intercourse) by t e l e p a t h テレパシー能力者 that could be called the Bible of Slushwave. Immediately after that, listened to “I Wish We Never Met”, I was surprised that the sound was not so inferior to that hyper masterpiece.

However, unlike the huge and magnificent 『星間性交』 (11 songs, about 132 minutes), “I Wish We Never Met” by 前副总统 is a compact collection of 15 songs, about 41 minutes. I also liked the modesty.