ポ  サ  研

─ Post-Truth Sound Lab, Vaporwave / Désir Duplication Répétition ─

Oneohtrix Point Never: Replica (2011) - 機械としてツギハギされる想いのカケラたち

プロト・ヴェイパー時代(〜2011)の関連作品らって、高尚すぎてよく分からないのが多いな、と思ってるんだよね。スマンが正直なところ。
だがしかし、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー()の「レプリカ」に関しては、大傑作だと断言できる。歴史的な価値とか社会的評価などを別にしても、聞く愉しみが実に強い。

これがヴェイパーウェイヴそのものでは、ないにしてもね。

とくにイイのが3曲め“Sleep Dealer”、そして5曲めのタイトルトラック“Replica”。ゴミっぽいサンプルらの寄せ集めで作られた、メカニカルなツギハギの抒情性みたいなところにひかれる。そしてそのツギハギ細工の手くだの細かさは、のちのヴェイパーではあまり見られなくなっている要素。

それとまあ、とにかくも印象的なのが、ラスト前の9曲め“Child Soldier”。子どもたちのチャントとコールの寄せ集めでデキているんだけれど、何か社会的なテーマがあったりするのかどうか。
つまり世界のどこかで、子どもたちが銃を持たされ戦場に送り出されている、という現実についての何か? ちなみにサンブリーチさんはこのトラックが、エレクトロニック音楽全般の中のフェイヴァリット、だとおおせだけれど()。

がしかし、ワンオートリックス作品らは常によい、とも思ってないんだよね。〈個人的な表現、みたいじゃない?〉と思うことが多い、とくにその近作らで。
もっとこうポップアート的な、没個人的な創作を望んでいるんだよね。ヴェイパーウェイヴがそうであり、またこのワンオーの傑作「レプリカ」がそっち寄りであるように。

……というここまでの(何でもないような)話を書くために、あれこれ調べていたら、〈坂本龍一が語る、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー〉うんぬん、という記事が見つかった()。
そこにいわく、初期のワンオーはよかった気がするけど、しかし近作たちは、情緒的な唄ものだったり、古いエレクトロニックへと逆行気味だったりで──好かん、等々。なんかオレが思ってたようなことをおおせなので、ちょっと苦笑が洩れちゃったんだよね。

ヴェイパーウェイヴに最大の想いをかけているわれわれからすると、ワンオーさんの貢献はもう、期待すべきではないのかも。まあそれはしょうがないんで、ヴェイパーには関係ないものとしても、いつかまた「レプリカ」レベルの快作をプリーズなのだった。

[sum-up in ԑngłiꙅℏ]
"Replica" is an unmistakable masterpiece. It's not the vaporwave itself, but it's still very fun to listen to.
But what about Mr. Oneoh's recent works? Doesn't it sound as if it were a "personal expression"? More non-personal creations like pop art are desired.
Incidentally, according to an interview with a certain media, Ryuichi Sakamoto stated as follows. The early days of Oneoh seemed good, but his recent works were disappointing because of their emotional singing and retrograde to old electronic music.
I laughed at the fact that I only me have the same opinion as the “celeb” musician who represents Japan.
Anyway, even if it is not a vaporwave, Mr. Oneoh's masterpiece comparable to "Replica" is awaited.