ポ  サ  研

─ Post-Truth Sound Lab, Vaporwave / Désir Duplication Répétition ─

shampoo: Live at PURE LIVE II (2021) - We are Shampoo! …とは少し違い

《PURE LIVE II》──この2021年7月、日本時間の18&19日に開催された、ドリームパンク系のオンライン・フェスティバルです。
それについて、私からもいろいろ、お知らせしたりお伝えしたりをしてきましたが──()。

で、いまは音楽面のお話です。
フェスの第2夜で、もっとも私に強い印象を与えてくれたのが、《shampoo》によるパフォーマンスでした。このシャンプーさんについて、少し。

そもそも私はシャンプーさんを、まったく知らなかったんですよね!
というかこのバンド名は、いいのでしょうか? ……“Trouble”のたねに、これがならなければいいのですが()。

ですけれど、このフェスでの、約34分間のライブに圧倒されて……! 思わず、すっかり〈We are Shampoo〉という気に!
それでいま、あらためてそのライブを聞きなおしながら、少し分析的なことなどを述べたいのです。

µ-Ziq: Phi​*​1700​[​u​/​v] (1994) - Bandcamp
µ-Ziq: Phi​*​1700​[​u​/​v] (1994) - Bandcamp
ヴィニール盤に比しこのデジタルは音が
きれいすぎることに違和感もあります

シャンプーさんの音楽のスタイルは、ドラムンベースをドリームパンク的に崩したもの、とも言えそうです。むかしに言われた《アンビエント・ジャングル》に、少しくらいは近いところがある。
また、私の知る中で、これにいちばん近いと思える音楽は、 《µ-Ziq》さんの大ヒット1994年のシングル曲、“Phi​*​1700​[​u​/​v]”です。ただしコンストラクションのところが似ているのみで、ムードはまったく違います。

シャンプーさんのサウンドに戻ると、まずそこには、あまりドラムンに詳しくない私が、〈これはドラムン系なのかな?〉と、思うようなビートがあります。そのトーンは、きわめてラフで凶暴猛悪です。
そしてたまに鳴るベース音の入り方は、きっぱりとドラムン風。テンポはそれほど速くなく、130 BPMくらいでしょう。
ですがダウンビートのあり方や拍節感が明快でなく、それがこんとんとした感じを招致する。そしてその上に、きれいな上ものが浮遊的に、そこはかと乗っています。

そして。そのこんとんのサウンドを、むりにでも分析すれば、〈内部的には3〜4の層が常にあり、そしてそのそれぞれが、ほとんど無関係に進行している感じ〉、くらいに言えるでしょうか。

ただし各パートらの間に、関係がぜんぜんないのではありません。その《関係》の構築を、私たちが求められる。《音楽》として、それを受けとめようとするでしょう。
しかしその作業は、必ず、遅れます。楽曲の進行に追いつきません。

それで私たちの脳裡には、フラグメントの音楽めいた印象のかけらたちが、残るでしょうか。

ですけれどショーの終盤には、それらの多の層らの《統合》が、かいま見られるような展開が現れます。ここでムードが頂点に達します。
どういうムードかを言うならば、荒涼のディストピアに……まれには一輪の花が開くとか、何か崇高なものがわき上がるとか……そういう? 俗なイメージしか浮かんでこないことに、私のいらだちが現在、高まっています!

そうしてシャンプーさんのショーに圧倒されてしまったので翌日、彼について調べてみました。
……〈学歴は? 家族は? 年収は?〉 いや、そんなことは別に知りたくないですけれど!

調べたところシャンプーさんは、英リーズで活動する、新進のドリームパンク系アーティストでありそうです。アルバムと呼べるようなリリースは、いまだ出ていません()。

ですが、PURE LIVEフェスを主催する《PURE LIFE》レーベルのオムニバスなどに、少し彼のプレゼンスがあります。
それらの中でも注目されるのが、“The MAGI System”(2021)に収録された一曲、「緊張関係」です。
これは、このたびの《PURE LIVE II》のショーの内容に近いトラックです。とてもいい!

ただしスタジオバージョンの「緊張関係」は、ライブに比したらずいぶんきれいなまとまった音で、鳴っています。気持ちのよすぎるサウンドで、あのへんな意味の分からなさ──しかしそこに強くひかれる──は、ありません。
で、さて、いずれシャンプーさんのまとまったアルバムが、出てくれることを信じて待望しますが。その内容は、この「緊張関係」のようなトーンになるのか、それともライブで聞かせてくれた荒々しさで、押してくるのでしょうか? とても楽しみです!

[шrαρ-υρ in ԑngłiꙅℏ]
shampoo is an up-and-coming Dreampunk artist and is reportedly based in Leeds, England.
In fact, I didn't know him at all until recently. After all, this shampoo seems to be a newcomer who hasn't released a certain album yet.

However, I was fascinated by listening to his live show at the PURE LIVE II Festival in July 2021.
The music that shampoo played there seems to be a Dreampunk twist of Drum'n'bass. Lyrical and beautiful melodies are played on an extremely rough beats. However, the whole sound is chaotic and the relevance of each part is not clear.
And that chaos impresses us as fragments of Music.

But towards the end of the show, a sequence of chaos and division appeared as if it were heading for integration. Here, there was the highest rise in the mood of the show: lyricism in the desolation, and a desire for sublime!

shampoo is undeniably a brilliant talent. He may give dignity to the emerging genre of Dreampunk, alongside DROIDROY and others. Notable!