エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

M E C H A B E A T S 524: Instant Ramen (2020) - フレッシュネスをマシマシで。

《M E C H A B E A T S 524》は、メキシコの人と称しているヴェイパーウェイヴ・クリエイター()。そして、“Instant Ramen”は彼の初アルバム。

〈ヌードルのカップひとつを食し、そしてローファイのビートでチルアウトしなさい。〉

近ごろはキカイ翻訳でもこんな感じにはならんので、自分でメカっぽく訳してみたが、売り文句はそういうことのよう。

で、何しろタイトルがインスタントラーメンだし。そしてカバーアートには、〈テレビで宣伝中!〉みたいな文言が。
それでてっきり、ものすごい俗悪趣味のあさはかなシグナルウェイヴなのか()、来るならキてみゃ〜がれ、と思ってたんだけど。

じっさい聞いてみたら。まず最初のトラックが〈レナウンのイェイェ!〉、それに続いた曲2コが〈ラーマ奥さまインタビュー!!〉と、いっきなり調子よくトバシてくれるぅ〜!
……ただし……。オレらが“いかにも”って思うようなシグナル系は、アルバム全10曲・約23分の中で、その冒頭3曲だけ。

じゃあ残りの部分は何かっていうと──、というか題材を別にした全体のスタイルが、ヴェイパーホップ()。ただし音がすごくきれいだし、かなりちゃんと作ってる感じがする。
つまり、《ヴェ〜イパァ〜》って感じの呪われた陰にして淫なるよこしまなふんいきが、そんなにはない。

とはいえ、全体にすごく明るい感じで、聞いて愉しいアルバムだと思う。みずみずしさがあり、ビートを操ることの歓びにあふれている。

このメカビーツ524さん、ほんとうにヴェイパー界では新しい人のように思われるんだが。彼は今後、このままキレイめのヴェイパーホップ路線を進むのか。それともそのうちこの世界の汚濁に染まり、邪悪なサウンドをコネ上げ始めるのだろうか。いずれにせよ期待!

[sum-up in ԑngłiꙅℏ]
M E C H A B E A T S 524 is a Vaporwave creator who calls himself a Mexican. And “Instant Ramen” is his first album.
Judging from the title and the cover art, I expected this work to be a fairly rigid Signalwave. However, the only tracks that seemed to be signal-based were the first three songs.
The rest of the songs are Vaporhop. However, the sound is very neat and I feel that it was made quite carefylly.

So it's not like the evil, easy and insidious Vaporwave itself of ours. However, the overall feeling of this is bright and I think it's a fun album to listen to. It's fresh, juicy and full of joy in manipulating the beats.