ポ  サ  研

─ Post-Truth Sound Lab, Vaporwave, Désir Duplication Répétition ─

Holy Motors: Horse (2020) - その馬が女を乗せて眠みを運ぶ

《Holy Motors》は、エストニア出身と伝えられるドリームポップ系のバンド()。2015年に、シングル“Heavenly Creatures”でデビュー。そして“Horse”は彼らの2ndフルアルバム、2020年10月・発。

エストニア出身と言っても彼らの音楽には、表面的な北欧っぽさなどはない。まずアメリカ志向の〈トワンギー〉なギターサウンド(しばしばスライド奏法)と、そして眠みにあふれたアンニュイな女声ボーカルが特徴。歌詞はすべて英語。
そうして終始、やや遅めのテンポとリバーブの深さをキープ。そのサウンドを彼ら自身は、《ドリームカントリー》などと呼んでいるもよう。それは分かるっスね。

さてデビューシングルから一貫して彼たちは、ずっとそんな感じみたいなんだけど。で、その最新アルバム『ホース』は全8曲・約31分を収録、そして……。

そのさいしょの楽曲の出だしのサウンドが、ものすごく印象的! ブルー・ベルベット的というか、いまにもデヴィッド・リンチ監督の世界が始まってしまいそう! エリアン・トゥルヴェによるボーカルも、いつもよりさらにジュリー・クルーズ風(!?)。

そして今作は、前作の1stアルバム“Slow Sundown”に比べ、サウンドがきわめて立体的でヴィヴィッドになっている。自分的には以前のフラットで眠ぅ〜い音も好きなんだが、しかし客観的なグレードの高さを、この新作の音には感じさせられる。

というわけで、自分が偏執的に愛しちゃってる〈眠い女声ボーカルのポップ〉の新たなネタとして活用できそうなのだった。ホーリー・モーターズ! このバンド名だけは憶えて帰ってくださいねっ!!

……と、いうことで、話は済んでるんだけど、しかし。

書きながら少し調べてみたら、自分が思ってたような無名の新進バンドでもなかったようなんだよね。このホモーターズが。
ボーカル担当エリアンさんの、ニホン語で読めるインタビュー記事とかも、かな〜り前に出ていたもよう()。音楽を聞いてひかれるところがあった場合には、そちらをもご閲覧してみては?