エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

死夢VANITY: serenade season (2020) - おいでヨ愉しい虚栄の闇市!

《死夢VANITY》は、米ヴァージニアの人と伝えられているヴェイパーウェイヴ・クリエイター()。
……という書き出しで、こないだ7月にその人の作品らを、チョコっとご紹介いたしたよね。その、ゴージャスでラグジャリーなムードの演出がどうこう、とか何とか()。

そしてそこにも書いたように、2018年半ばから、新たな作品らを出していなかった死夢ッチ。さびしいことと、考えていたんだ。
しかし。この2020年10月、待望の新作アルバム“serenade season”で、華麗に死夢つぁんがカムバック! 全12曲・約32分間のボリュームで、虚栄の闇市を開きまくり!

それでまあ。さっそく一聴しましたところが、すごくいい! ──けど、その響きがあまりにもまっとうでノーマルみたいなんで、ちょっとビックリしてるのがオレなんだよね。

すなわち。前の記事にも書いたように、死夢りんのサウンドは、たぶんスムースジャズとかを素材としているもの。だが、あまりことさらな加工や処理はしてなそうなのが特徴、とも述べた。
そしてその方法がついに、イキつくところまでイッてしまったのだろうか? 今アルバム“serenade season”は、その聞こえが、一般のスムースジャズやラウンジと、ぜんぜん変わりがな……。

まあ少なくとも自分には、その違いが、もはや分からない。

ただし、〈同じ〉だと雑にも言いきれない。てのは、もしそこらへんの売り物のスムースジャズやラウンジを、手当たりしだいに聞いてみたとしても、こんなに気持ちのいいアルバムには、めったなことでは当たらないだろうから。
だいたい、寄せ集めにしてはヘンにトータル感のあるアルバムであることが奇妙。マスタリングのところで巧妙だから?

で、まさか死夢たんが、まっとうにこれらの音楽を作っているハズもなく(!?)、これも《略奪音楽》だろうとの臆測を前提として。その略奪の、〈前科〉は数件ほど確認されているし。
で、単に素材らを集めて編集しただけだとしても──しかし、何かオレらヴェイパーの徒のツボを心得つくしたセレクションになっている、ってワケのよう。とくにねえ、オモチャっぽい響きの《ドンカマ》(ビートボックス)がずっと鳴っている5曲めなんか、もう……!

……ゴージャス、ラグジャリー、そしてラヴィッシュ。そんな死夢VANITYの世界が戻ってきてくれたことを、ただ自分は悦ぶのだった。

[sum-up in ԑngłiꙅℏ]
The gorgeous Vaporwave hero 死夢VANITY (Death Dream VANITY) has released a new album “serenade season” for a long time since 2018! Yay! Gorgeous, luxurious, and lavish! Let's enjoy this Vanity Fun Fair!