エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

V.A.: Quarantine Doom jazz vol. 2 (2020) - 隔離され たった独りの ダークジャズ(五七五)

在イタリアを標榜する、《Signora Ward Records》。これは、全般的にはビザール変態インダスノイズ系の、きわめてアレっぽいレーベルだと認識されている()。
いや、インダスノイズをご愛好の方々の見方は、また少し違うかもだが──。

けれども彼らはなぜかそのいっぽうで、《ドゥームジャズ》、もしくはダークジャズ、さもなくばジャズ・ノワールのような音楽、その振興を継続的にヤッている。
そこは感心である、オホン。

そして、いまご紹介する、シニョラ・ウォード選『隔離の破滅ジャズ・第2集』

──あいも変わらず《COVID-19》がそれこれで、ディスタンスとか隔離とかを余儀なくされているオレら。その孤絶をいっそう深く味わい、そして暗黒のフィーリングに浸り耽りつくすべし──。ってぇな、そういうサービスとして受けとめましたが?

冗談はともかく、シニョラ・ウォード発のドゥームジャズ・オムニバスは、数えてこれが約4作め。まず“Midnight Radio”シリーズが2作、続いて“Quarantine Doom jazz”シリーズが2作で。
そのセレクションの中に、少々インダスやダークウェイヴ色の濃いのが混じってきちゃうのが、ほんのりと難だけど。
それにしたってけっこうな充実ぶりを、悦んで認めるハメになりがち。そしてここまでの約4作を合わせれば、Bandcampをベースに活動しているダークジャズ勢、そのよさそうなところの7割くらいは網羅されているって感じが、太い

……いや。たったいま〈7割〉と書いたところを、さいしょの意図では〈ほぼすべて〉、くらいに言うつもりだった。しかし調べたら意外に、このシニョラ・ウォードの選から洩れているダークジャズのバンドが多かったんだよね。
つまりこのささやかなシーンのスケールが、思っていたよりは、ワリに大きかったもよう。

洩れている中でもやや太い存在は、《Aging》()、《Radare》()、《Somewhere Off Jazz Street》()、そして《Yojo》()、といったところか。それと、女声による唄モノだがじっとぉ〜りと暗い、《Melanie De Biasio》とか()。

まあ。そういうところは、追い追いわたくしが、別に紹介いたしますとして。
残暑きびしき隔離生活のさなかのダークジャズ、いかがでございましょう? ちょっちダークサイドへと堕ちてみませんか?

[sum-up in ԑngłiꙅℏ]
Signora Ward Records is a very outsider label, generally based on Bizarre pervert industrial noise. But I'm impressed that they continue to promote Doom Jazz, or Dark Jazz, or otherwise Jazz Noir-like music.
And is “Quarantine Doom jazz vol. 2” (by V.A.) a sign of the comfort of our isolated life from Signora Ward, fearing COVID-19? A dark, damp, and lonely world.

赤い薔薇の花ことばは、「美」「情熱」そして「愛」…

──以下は、ダークジャズ関連の当ブログ過去記事でございます。

  • V.A.: Midnight Radio - Noir Jazz (2016) - 今は、もう暗く…ダークジャズ(ドゥームジャズ)のススメ(2018-12-12)(
  • V.A.: Jazz on Film... The New Wave (2017) - 調べてみよう! ダーク(/ノワール/ドゥーム)ジャズのルーツ(2020-04-14)(