在イタリアを標榜する、《Signora Ward Records》。これは、全般的にはビザール変態インダスノイズ系の、きわめてアレっぽいレーベルだと認識されている(☆)。
いや、インダスノイズをご愛好の方々の見方は、また少し違うかもだが──。
けれども彼らはなぜかそのいっぽうで、《ドゥームジャズ》、もしくはダークジャズ、さもなくばジャズ・ノワールのような音楽、その振興を継続的にヤッている。
そこは感心である、オホン。
そして、いまご紹介する、シニョラ・ウォード選『隔離の破滅ジャズ・第2集』。
──あいも変わらず《COVID-19》がそれこれで、ディスタンスとか隔離とかを余儀なくされているオレら。その孤絶をいっそう深く味わい、そして暗黒のフィーリングに浸り耽りつくすべし──。ってぇな、そういうサービスとして受けとめましたが?
冗談はともかく、シニョラ・ウォード発のドゥームジャズ・オムニバスは、数えてこれが約4作め。まず“Midnight Radio”シリーズが2作、続いて“Quarantine Doom jazz”シリーズが2作で。
そのセレクションの中に、少々インダスやダークウェイヴ色の濃いのが混じってきちゃうのが、ほんのりと難だけど。
それにしたってけっこうな充実ぶりを、悦んで認めるハメになりがち。そしてここまでの約4作を合わせれば、Bandcampをベースに活動しているダークジャズ勢、そのよさそうなところの7割くらいは網羅されているって感じが、太い。
……いや。たったいま〈7割〉と書いたところを、さいしょの意図では〈ほぼすべて〉、くらいに言うつもりだった。しかし調べたら意外に、このシニョラ・ウォードの選から洩れているダークジャズのバンドが多かったんだよね。
つまりこのささやかなシーンのスケールが、思っていたよりは、ワリに大きかったもよう。
洩れている中でもやや太い存在は、《Aging》(☆)、《Radare》(☆)、《Somewhere Off Jazz Street》(☆)、そして《Yojo》(☆)、といったところか。それと、女声による唄モノだがじっとぉ〜りと暗い、《Melanie De Biasio》とか(☆)。
まあ。そういうところは、追い追いわたくしが、別に紹介いたしますとして。
残暑きびしき隔離生活のさなかのダークジャズ、いかがでございましょう? ちょっちダークサイドへと堕ちてみませんか?
[sum-up in ԑngłiꙅℏ]
Signora Ward Records is a very outsider label, generally based on Bizarre pervert industrial noise. But I'm impressed that they continue to promote Doom Jazz, or Dark Jazz, or otherwise Jazz Noir-like music.
And is “Quarantine Doom jazz vol. 2” (by V.A.) a sign of the comfort of our isolated life from Signora Ward, fearing COVID-19? A dark, damp, and lonely world.
──以下は、ダークジャズ関連の当ブログ過去記事でございます。