ポ  サ  研

─ Post-Truth Sound Lab, Vaporwave / Désir Duplication Répétition ─

ロフィ騎手: 深夜のニュースを待っています ボリューム2 (2020) - 待ちうけるものを待ちながら

しつようにヴェイパーウェイヴを推してくる巨乳ロリ顔ピンク髪ツインテ後輩がウザすぎる件について。
いやまあ、そんなことより心配な問題の多くが横行している世の中ですが。しかしうちはもう、すっかりおなじみの《シグナルウェイヴ》ご紹介コーナーですよ!

(解説しよう、シグナルウェイヴとは、ヴェイパーウェイヴのサブジャンルである。ここでの“シグナル”とはおおむねテレビCMを指し、何かそういう短めでインパクトの強い音声サンプルの流用を特徴とする)

さあて。ヴェイパー自体が現在いまだ、“異色”のポップ音楽だと言えそうに思うけれど、さらにその中で《L33K5P1N 84574RD5》、こいつらは異色さをきわめていると考える()。このチン妙なレーベル名は、たぶん「リークスピン・バスターズ」と読む。
異色というのもことばのアヤで、ただ単にヘン、おかしい、奇妙──、そんなふうに言い棄てて構わないのでは? そうも思うんだが、でもしかし何となく気になり続けて。

そんな中、このレーベルの新顔《ロフィ騎手》は、あまりヘンな過剰さまでは感じさせないヴェイパークリエイター、という意味で逆に異色(っ!?)。
どういう騎手か、何ものかは別に知らないが、ともあれアルバム「深夜のニュースを待っています」で、2019年にデビュー()。追って今年の1月、そのボリューム2をリリース。

(追記。あとから何となく分かったが、たぶん芸名の《ロフィ騎手》は、“Lo-Fi Jockey”の意)

そしていずれの作も、スタイルは同じ。ゆる〜い感じのジャズファンク風なサンプルたちを、眠〜い音質に劣化させ、そして1曲平均90秒間くらいのコンパクトさへとエディット。ジャンル的には、シグナル系と《レイトナイト・ローファイ》をかねると言えそう。
大して凝ったことはしてないんだが、しかし全体のまとまり感がみごと。眠さユルさをきっちり押し通していて、たいへんけっこう。

で、このアルバムシリーズについて、自己解説文にはこのようにある。

80年代に、彼らが演奏した深夜のニュースの直前に、時計が刻々と過ぎて、ジャジーでファンキーでまともなループグルーブを覚えていましたか?
そして、これらのトラックがあなたのlofiテレビで再生されている間、あなたは集中力を失い、彼らが決して終わらないことを望みましたか? を覚えていますか?

Google翻訳システムの出力)

ヴェイパー関係の自作解説なんて、逆にケムに巻こうとしてるみたいなヘンなのが多いが、その中でこれは、意味がいちおう分かった気になる。

そして思うんだけど、そんな眠いのをガマンしてまで視ようとしている、〈深夜のニュース〉。それは、いったい何ごとを伝えるものなのだろうか? 
ここで魁!男塾の用語を借りれば、〈な、なんか悪い予感がしてきたのう〉。われわれがこうして、どうでもいいような音楽にふれて浪費している時間──、それは、深夜のニュースが決定的な何ごとかを伝えるまでの猶予でしかないのだろうか。