ポ  サ  研

─ Post-Truth Sound Lab, Vaporwave / Désir Duplication Répétition ─

The Pop Group: We Are All Prostitutes (1979) - ボクらはみんな売春婦(夫)

今2020年の2月から3月、ツイッタラー掲載の「100日後に死ぬワニ」というまんがが、いまトレンドなんだってさ。──と風のたよりに聞いていたら、追ってその作品がステマ》案件のド商品であったと明らかになり、そこからまた別の意味で話題がふっとうしたんだとか()。

へえ。じゃあこのブームに便乗して実をぶっちゃけると、当ブログの記事もぜんぶステマなんスよ。
……なぁ〜んてね! それはいちおうジョークだとしておいて。

ところでこの案件について、「感動安売り大人気ツイッタラー漫画が実はステマ草生えるwwwww」みたいな冷笑的意見が出るのは、まあ分かる。だが興味を感じたのは、何かその愛読者だったような人で、これに本気で怒ってるっぽい人が少なくないらしい、そこなんだ。

どういう理由で怒ることができるのか、自分にはいまいち見当がつかない。無料めいたまんがが、実はド商品だったにしても、しかし請求書を送りつけられたわけでもなさそう。むしろ、本来なら有料のまんがをタダ読みできたんで、よりラッキーなのでは。
かつこれで、それまでに読者たちがエンジョイしてきた作品体験が無になったわけでもない。……とは言いたくなるんだけれど。

だがしかしお怒りの方々は、それがむしろ無どころかマイナスになったぞっ、フザケんなっ、くらいのご気分なのか、とお察しする。
分かんないけど、純粋な作者が純粋に無償で、生命のはかなさ大切さを純粋に訴えたお作品──それを無償で愉しんでいる自分(ら)もまた実に純粋、ああ……くらいのお気持ちだった? そしてそういう自分ら側のピュアネスが、それが実は商品だったことによってじゅうりんされちゃった、みたいな?

しかし世の中、浮世とは、そんな風な《純粋》がざらにあるところだろうか。そして、純粋ならば何でも通る、許される、ってものなのだろうか。

いやもう、そろそろみんな、ちゃんと理解したほうがいいと思うんだよね。われら人間とは一般に、そして基本的に、カネが欲しくてスケベな生き物である、ということを。それをまず認めないとヘンになるばかりだ、と。
そしてそのご理解の一助に、まんがを読むにも《超ピュアでド感動!》みたいなヤツはほどほどにして、まずはカイジウシジマくんあたりを見てみては、と。

そして、《ザ・ポップ・グループ──()。この《ポストパンク》の先駆みたいなバンドの音楽を実はそんなには好きでもないが、しかしそのコンセプトにはけっこう共感させられるんだ。
そして「ボクらはみんな売春婦(夫), We Are All Prostitutes」とは、その2ndアルバム商品(1980)の収録曲。これをA面としたシングル商品が、その前年に発売されている()。

で、この資本主義の社会では、誰もが自分の一部を切り売りして何がしかの金銭を得て、やっと暮らしている。そんなんじゃ娼婦・娼夫と大して変わらねーし、みたいなことだ。そうじゃないのは、資本家とか上級国民の人だけだろう。
そして1979年というシングル発売の当時としては、そうじゃない社会の建設への意思や期待が込められていたようだけど──。しかし近ごろのわれわれは、万事にあきらめ気味で──。娼婦・娼夫と大差ないような生き方でも、あまりにもアンフェアじゃないならばもういいじゃないか、くらいな気分だろうか。まあそうにしても、ステマ商法はフェアじゃないほうだけど。

だからそういうのと変わらないとしても、とくに卑下する必要はない。かつまた、リアルの娼婦・娼夫さんたちを、とくべつに軽蔑する必要もないんだ。

赤い薔薇の花ことばは、「美」「情熱」そして「愛」…

で、さいごに言いわけなんスけど、以上のお話は10日くらい前の書きかけ記事をやっとまとめたものなんで時事ネタが古いんだよね。すまぬ……すまぬすまぬ、才才才才才()。