エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

Lzls: MIDGARWAVE - a Final Fantasy 7 Lofi​/​Vaporwave Remix (2019) - そんなことを言ったってエアリスは還らない

時事ネタに便乗した時事ヨタ記事ですよ〜! 名作ビデオゲームファイナルファンタジーVII(1997)、あの世界的大セールスを記録した──、それのリメイク版である通称「FF7R」のパート1が発売されたそうっスけど(2020年4月10日)、皆さんは愉しんでおられます〜?

いや、自分については、現在はゲームとかヤらないんスけど。しかし20世紀末の数年間はけっこう遊んでた気もするし、オリジナルのFF-VIIも5〜6周はヤッた気がする。そんなていどの凡人で、実にお恥ずかしい。

……で、そんなオレみたいなレベルのヤカラ、つまり浅い一般層だったオールドファンどもを、家庭用ゲームの市場に呼び戻そうという企画。そういう風に邪推できなくもないよね、この、FF7Rと呼ばれるプロジェクトは。
そして、それがいいのかどうかは、現役ゲームファンの皆さまが決めたらいい、と考える。オレはノッていかないんだから、ヘンな口出しはしない。

そんなことを考えてたんだけど、しかしビックリしたんだよね。Bandcampのニュース欄をパラパラと見ていたら、ちょうどその4月10日付、「ミッドガルへの帰還、FF-VIIにインスパイアされたレコード8作」というコラムが出てたんで。

そりゃまあ、FFシリーズは全世界の人気作ということは、一般常識として知ってたが。だがしかし、インディっぽい音楽の世界にもその影響が小さくない、とまでは思っていなかった。ゆえの、ビックリ。
しかもこの、FF7R第1弾の発売当日にキッチリと合わせて報じてくるなんて……。いや、ちなみに、紹介されている作品ら自体はあまり最新でもなく、2〜3年くらい前のもあるけれど。

Bandcampのピープルって意外にオタクっぽいのか? それとも、考えてた以上にFFシリーズの存在がグローバル的にビッグすぎるのか? 自分には判断のしようがないんだよね。
しかしまあ肝心なことは音楽なので、話のタネにと8作それぞれをザザっと試聴。そしてその体験が、この駄文の題材になる。

で、この8作ら。スタイル的にはメタル、ハードコア、ラップ、チップチューン、オルゴール、等々と、バラバラでバラエティ豊富。
そして8コの中に1コだけヴェイパーウェイヴらしい作品があって、それがLzlsによる“MIDGARWAVE - a Final Fantasy 7 Lofi​/​Vaporwave Remix”。うち的な注目は、とりあえずコレになるしかない。

概要を説明すると、このアルバムは8曲入り・計20分ほど。原作を遊んだ人らにはおなじみのメロディたちを、各およそ2分くらいずつ簡潔に再現。
で、これがサンプリングなのかプログラムし直したものなのか、作り方の部分は正直分からない。ただその音質が、ヴェイパー風でローファイなモコッとしたアレで、その響きはキモチいい。モヤかして制作過程をゴマかしている、とも考えられつつ。

でも、あまり内容について語ることはないんだよね。あのころ好きだったエアリスちゃんのテーマ(5曲め)を聞いて、ああ……ああ、とタメ息をつくだけで。
いや、これでいいのか。何せヴェイパーウェイヴは《1980-90年代的なものらへのノスタルジア》として特徴づけられるので、何ひとつ間違ってはいない。ただこのノスタルジーが、なぜなのか必要以上に自分のイタいところにふれてくる、それだけ。

それを考えると、各曲2分間という短めの尺もいいのかな、と思えてくる。もしこれを《スラッシュウェイヴ》式に10分間くらいもヤラれたら、おセンチもきわまり「イイ加減にしろ!」と叫んでむせび泣き、という自分の反応がありうる。男がみっともねえ……まったく、〈やれやれ〉だなっ!