エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

VCRNOT: Crystal Humans (2019) - クリスタルの輝きよ永遠(とわ)なれ

ヴェイパーウェイヴの世界で相当の実績と信頼を誇る《B O G U S // COLLECTIVE》レーベル、そのオムニバス"Best Of 2019"()を聞いたら、全35曲中にインプレッシヴな楽曲が3つくらいあった。その中の1曲が、《VCRNOT》というバンドによる“Palm City”。それの本来の収録アルバムが、いまご紹介する“Crystal Humans”。

というわけで、誰も気にしないと思って過去記事()のフレーズを再利用しちゃっているけれど。しかしじっさいこのVCRNOTさんのサウンドは、その過去記事の題材であるヴェイパーバンド《Noö ☾ene O'Neal》と方向性が近い気がして、違うことを書きにくいんだよね。

つまりどちらも、けっこう打ち込み等で“造って”いそうな感じ。そして楽曲の構成が、堅固というか、とりあえず明快。
ゆえに白痴的な明るさをたたえた安物シンセポップでしかないようも聞こえるが、しかしいずれもサウンドの濁し方に、ヴェイパーっぽいセンスを感じさせてくれる。そのコモり方やヨゴれ具合いが、耳に快い。
けれどテンアゲ上等(?)みたいなアッパーさはオニールのほうの特徴で、相対的にVCRNOTはラウンジ的であり、全般にテンポもやや遅め。

それとVCRNOTについては、ノスタルジックなローランドTR系ビートボックスの音を平気でそのまま使ってくるようなところがある。……かと思ったが、それはデビュー直後(2018年)だけの特徴みたいで、2019年以降はそんなことをしていない風。
だいたい《VCRNOT》というバンド名の意味が分からないが、《VCR》だけならビデオカセットレコーダーの略称になるらしい。これはちょっとヴェイパーっぽいけど、でもそれを《NOT》と否定してくる理由が分からないよね。

というわけで別に面白いことも書けないが、でもなんか気持ちいいサウンドだからいいよね!?