エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

VA: Karlrecords, Parakustiks #2 (2020) - いまわれわれのアートが失うべき拘束の《鎖》とは

在ベルリンと称するカールレコーズ・レーベル()のコンピレーション名曲集・第2弾。カールってどこのカールかと思ったらマルクスさんのことみたいで、そういう《左派》っぽいエクスペリメンタルなエレクトロニック大会でありそう。

で、ワリとキビシい楽曲が多い中で注目すべきと思ったのは、ライプツィヒ出身のジャズ+エレクトロニカのバンド《Laurent de Schepper Trio》()。これはまた別に、個別の記事でちゃんとご紹介すべきかと。

その他、アルバム後半はけっこう眠い曲が多くていいかなと思うんだが。しかし前の方に入っているクセナキス、ケージ、灰野敬二様──といったこの業界の古株、彼らの名前で象徴されるような方向性──そういうのもう、今21世紀にどうなんだろうかという気はする。単純にうるさいしPOPじゃないし。

ひとつふざけたことを言うと、〈自分ではあまり聞きたくないが、人にはぜひ聞いておいてもらいたい音楽〉ってあるなって。自分では読まないマルクスエンゲルス全集だが、しかし日本では絶版になったと聞いたら寂しい、みたいな感じかも。
で、このオムニバスがまるごとそんな感じだったらせつねェなァと、一時は思ったんだが。

しかしローラン何とかトリオを筆頭に意外と前向きな要素があったんで。そこで《前衛》っぽい音楽にしろ、批判的なアチチュードにしろ、まだ何かイケそうと思うんだよね。

【追記】 文中に出た《Laurent de Schepper Trio》の紹介記事はこちら()。