エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

非可逆音声ファイルフォーマット関連のおさらいメモメモ

◇まず、固定ビットレートのMP3について。192kbps以上のMP3とロスレスの音声、それらを聞き分けできる人間は、“原理的に”存在しない、とか。もしそれが存在したとしたら、一種のエスパーなのだろうか。
いっぽう常人らの大部分は、128kbpsとロスレスの判別さえできない。自分がモニタ用ヘッドホンで真剣にテストしたときも、160とロスレスの判別はできなかった。
ただし、同じ実験を以前の古いPCで実行したさいには、128とロスレスの違いさえ分からなかった。マザボが変わって、オンボードの音声用チップが少しよくなった、そのせいで差が出たか。

◇128kbpsのMP3は、高音あたりの特性がよくはない。グラフで見ると、16kHzあたりからダラ下がりになっている。
ただし自分は、それを見て「逆にツボだな」と思う。むかしのオーディオ用カセットと似たような特性になっているからで、するとあの、耳にやさしく親しみやすい出音が想像される。
だから、まれによくあるネットの意見、「ロスレスの音声は逆に耳にきつくて」…そういう声が出てくることにも、意外とふしぎはないのだった。もとの音声が、ヘンなレンジ感や過剰なデテールらを強調したものだったりすれば、そうもなるだろう。

赤い薔薇の花ことばは、「美」「情熱」そして「愛」…

◇音声ファイルらの音質は、フォーマットとビットレートだけでは決まらない。1990年代から現在までに、MP3コーデックらの性能はかなり向上し、出てくる音もまた少し質が上がっている。
かなりなむかしに「午後のこ〜だ」の音がいいと言われたけれど、2004年で開発が止まっているそうで。それでエンコードすると、現在のLameに比べてキレに乏しい、やや甘い音になる。かといって聞きづらい音にまではならないが、しかし一般的にはLameの音が好まれそう。

◇可変ビットレートVBR)のMP3は、固定ビットレート(CBR)よりも、同程度の圧縮率において、基本的にはすぐれている。それは、Lameの開発者側から推奨されていることによっても明らか。
ただし問題がなくはなくて、一部のハードウェアプレーヤらは、VBRのMP3を正確に再生できない。自分が使っているiPod Shuffleが、まさにそう。音質に問題が生じるのではないが、曲のさいごあたりで再生がブチ切れ、お次の曲に進んでしまう。前に使っていたメモリーウォークマンでは、そんなことはなかったのに。
またカーステレオなんかにも、それと近いトラブルがあるらしい。まったくなってないが、しかしどうしようもない。これを断じて避けようとするなら、CBRでエンコードしてしまうのが無難。

◇ゆかいなことだが、PCオーディオの音質向上をギチギチと追求している人々から、「システム改善の結果、YouTubeの音声がきわめてきれいになった!」、などという報告が出てくる。
つべの音声って、せいぜい160kbpsくらいのAACOGGであるはず。そんなレートの非可逆フォーマットでさえも、安い装置ではぜんぜん鳴らせていない、ということになるのか。
だからいい音を聞きたければ、フォーマット以前に何とかするべき点が、多々あるはず。

◇MP3に代わるべき新しいフォーマットであるAACOGGは、ともにまず低ビットレートでの音質のよさが印象的。96kbpsでMP3とはかなりの差が出るし、48ともなると圧倒的!
いや48kbpsの音なんてふつうは聞かないだろうけれど、しかし、とあるロシアのネットラジオ局が、そんなレートのAACで音楽を送ってくるのだった()。それがけっこう聞ける音なのが驚異的で、FM放送くらいの音質にはなっている感じ、すごい。

Ogg Vorbisというフリーでオープンなフォーマットのすばらしいところ、フリーでオープンなDAWであるLMMS()で直接の読み込みができる。いや「DAWって何?」と思った方は、こんな話を気にしなくてオッケー。
ただし? 大むかしのバージョンのプロペラヘッド“Reason”内蔵サンプラーは、無圧縮のWaveしか読み込めなかったことを憶えているが、でも現在はMP3も読めている気配。逆にLMMSがMP3非対応という不便さがあるのだろうか、しかしフリーでオープンであることこそベスト!