まあこれも、どこかの部分でWebまんがに関連している話。今2018年もあえなく暮れようとしている師走のこのごろだが、その半年ほど前の6月にこういう話題がバズったことは、多くの方々がいまだご記憶のはず。
◇BuzzFeed News(2018/06/22)
「漫画村」閉鎖で売上アップという意見を鵜呑みにしていいのか?(☆)
◇ねとらぼ(2018/06/23)
漫画村消滅で電子書籍売上「増えた」 カドカワ川上氏が見解示す
ただし具体的な数字はまだ出せないとのこと。(☆)
◇佐藤秀峰|note(2018/06/26)
漫画村の閉鎖によって漫画の売り上げは回復したのか?
結論から書くと、漫画村の影響を現時点で判断することはできません。(☆)
…という、この6月時点での議論。そこにいちおうのピリオドを打った佐藤氏のレポートがきわめて秀逸で、要は「まだ分かりようがない」、と。
だがしかし刻(とき)の流れは早く、それから約半年もの歳月が夢のように。であればそろそろ、《漫画村》閉鎖によって各社の売上がどこまでアップしたのか、判明してもいいのでは?
そしてポジティヴな数字が上がっているなら、それを大宣伝して世論形成に役立てたらよいのでは? とくに、《漫画村》めいたサイトらへのブロッキングを強硬に主張してきた出版社(の社長さん)あたりが。
でもまあ…以下は自分の臆測で邪推かと考えたいが――または、年が明けると何か出るかも知れないが――、喧伝したくなるほどにポジティヴな数字は、おそらく上がっていない。だからこそ、それがちっとも喧伝されていない。
いやそうではない、というなら言われているところの<具体的な数字>を出していただきたいわけで、むしろそうであればほんとうに悦ばしい。ウェルカム!
まったく、自分もそうだがこの社会のド底辺らの際限なき貧しさと意地汚さは、もうどうしようもないのだろうか。まんがなんて、タダなら見るけど…という発想の先がないのかも知れない。
ただしマーケットの全般的状況はそうであっても、しかしセールやキャンペーンの工夫等によって売上向上の余地はあり、ということを佐藤秀峰氏が<具体的な数字>によって示している、このあたりに一抹の希望があるのだろうか。
そういえば先日の週刊ヤングマガジンの、福本伸行・他「1日外出録ハンチョウ」は、意外にも熱烈でマニアックなまんがファンであった《大槻班長》その他の面々が、経済的とかもろもろの面で低迷し混迷しているまんが界の行く末を憂う、というお話だった(☆)。
その作中の問題提起のひとつ、<安易なスピンオフ作品が多すぎて…>とかいう自虐ギャグ(?)に、でんぐり返った読者の方々も少なくなかったのではっ…!? ご存じのように、「ハンチョウ」そのものが福本伸行「カイジ」のスピンオフ作品なので…安易かどうかは判断しないがっ…!
いや、そこはともかくだっ…! そのへんを歩いている通常の貧乏人あたりならまだしも、よりによって、地下強制労働キャンプに幽閉されている底辺以下のスーパー底辺らにまで心配かけるほど混迷が極まったまんが界、とは何ごとっ…!? かつ、“まんがごとき”への献身が過剰だったあまりに彼らはスーパー底辺にまで墜ちた、なんてことはないかっ…!?(と言って、自分がギクリっ…!)
…とまあ、そういう人を喰ったおギャグ(?)らを飛ばせるくらいの余裕が、この世界にはいまだにあるのかな、と、これを考えたいけれどもっ…!