エッコ チェンバー 地下

─ €cco ₵hamber ฿asement, Vaporwave / Đésir đupłication répétition ─

ベルベット73-95: ベルベットの罪悪感//ベルベットの栄光 (2018) - シスター・レイによろしく

10曲入りで約20分間の短いアルバムだが、We're gonna have a real good time together (ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)…とでも言いたいのか何なのか、遠いむかしの何かがよかった時代の音楽を隣の部屋あたりで聞いてる感じで、そのよかった時代のはしゃぎすぎた行為たちを罪悪と感じているのだろうか、Vaporwaveってだいたいそんなものかも知れないけれども…。

薔薇の香りとやすらぎを、ここで貴方に…

と、上のところまでをマストドンにつぶやいたのが先週のことで、現在そのネタを再利用しようとしているわけだが、しかしヘンに題材を調べて細かいことを述べようとしがちなのが自分のよくないところ。
そもそもこのアルバム、「ベルベットの罪悪感//ベルベットの栄光」の存在をどこで知ったのかも記憶が定かでないし、通りすがりにちょっといい音を聞いた、それだけでよい話ではないだろうか? これはほんとうに、そうしたおぼろな遠隔からの響きである…または“でしかない”ようなものなのだし、あと何を述べても蛇足なのでは?

…だがうかつにも調べてしまったことをいちおう書きとめておくと、この「ベルベット73-95」を名のるアーティストは、2017年より、「Junk Maker Sounds」レーベル()から5タイトルのアルバムを発表しているもよう。「ベルベットの罪悪感//ベルベットの栄光」は、おそらく最新作。
各アルバムのBandcampページの解説文らを見ていくと、初期はVaporfunk、やがてMallsoftと、作風が少々変遷しているとされる。ただし、何らかの既成曲をサンプリングして音質をグズグズと劣化させ、そしてコンパクトに構成、という作り方は変わらない。

で、自分の感じをすなおに言うと、新しい順にできがよい。つまり最新作「ベルベットの罪悪感//ベルベットの栄光」が、彼(ら)の目下の最高傑作。その次が前作「ベルベットの記憶」()。
てのも、初期の作品らは狙っているところがあまり見えないのに対し、この最新作は、《罪悪感//栄光》の対照・推移・そして併存、というフィーリングのやるせなさが、たぶん表現されているのではないかと、思い込ませる説得力がある。ヴェイパー作品に対して「しっかりした表現」というほめことばもどうかと思うけど、これらをいちおう《音楽》だと思って聞いている自分にとってはそういうこと。

というわけで、よくなりつつあるアーティストだと考えて、Mallsoftのいいやつを彼らの今後に期待。